親知らず抜歯後のトラブル

親知らずの画像

親知らずは、その生える位置や生え方によって様々な問題を生じることがあり、そのため抜歯が必要になるケースも多くあります。
問題を解消するために親知らずを抜歯するはずが、親知らずの抜歯によってさまざまなトラブルが生じるリスクもあります。
親知らずの抜歯に関係するリスク、トラブルを挙げていきます。

抜歯後の出血

親知らずの抜歯後、滲む程度の出血は正常な経過ですので心配はありません。
気になる場合は清潔なガーゼを噛んで圧迫してみることが勧められます。

ただし、お口の中に血が溜まってきたり、団子状の血の塊ができるようだと放置できない状態ですので、歯科医院で診察を受ける必要があります。

出血が続く原因としては、抗血小板薬や抗凝固薬など血が止まりにくいお薬を飲んでいる場合や、血液疾患など全身的な要因で出血性素因を持っている場合、あるいは抜歯部位に重度の炎症が存在していた場合などが考えられます。

服用しているお薬や全身状態に関して質問された場合は詳しく説明し、後日でも結構ですのでお薬手帳など提示できるとトラブル回避につながる可能性があります。

ドライソケット

通常、抜歯後の治癒においては抜歯窩が血で満たされたのちに血餅という血の塊に変化していきます。
この血餅が肉芽に置き換わり、表面が上皮に覆われ、内部から骨に置換されていくのが抜歯窩の治癒の流れです。
完全な治癒には約半年かかるとされています。

しかし何らかの影響で、抜歯窩に血餅が形成されないことが稀にあり、その場合抜歯窩の骨が剥き出しになってしまいます。剥き出しになった抜歯窩の骨に細菌が感染することで痛みが生じるのがドライソケットです。

ドライソケットの原因としては、抜歯後の過度な洗口や、気にして手で触れてしまうこと、抜歯後の喫煙による血行不良などが挙げられます。

また、抜歯窩の治癒は全身の状態とも大きく関わるため、抜歯前後は十分な睡眠と食事で健康に過ごすことも重要とされています。

神経麻痺

親知らずの周囲には下歯槽神経や舌神経などの神経が走行しています。親知らずの抜歯はその周囲に触れ、場合によっては歯肉を切開したり骨を削ったりするため、それら神経に触れる可能性もゼロとは言い切れません。

もちろん親知らずと神経の位置関係を把握するためにCT撮影などを行い、十分に準備をした上で抜歯を行うのですが、神経も細かく分岐しているためそれら全てのリスクを排除することは難しいと言えます。親知らずが明らかに神経と近接している、あるいは神経症状が心配な場合は、抜歯をしないというのも選択肢の一つです。

また神経症状が出た場合はビタミン製剤による回復も期待できますが、場合によっては専門機関への受診が必要になることもあります。

皮下気腫

皮下気腫とは文字通り皮下組織に空気が入り込み腫れを生じるものです。腫れは安静にしておくことで消退することが多いですが場合によっては感染が生じる場合もあります。
感染や腫脹の程度によっては専門機関への受診が必要となる場合もあります。

歯科治療では様々な場面で皮下組織に空気が触れますが、親知らずの抜歯ももちろんその一つであり、皮下気腫を生じるリスクはゼロとはいうことができません。気になる症状がある場合はまずは担当医に相談してみましょう。

発熱

親知らずの抜歯後、その部位には程度の差はあれど炎症が生じます。炎症とは我々の生体防御反応の一つであり、発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害が5つの兆候とされています。

抜歯によってその周囲に炎症が引き起こされますが、抜歯後にその周囲が不潔な状態で維持されてしまうと感染が生じ炎症も大きくなってしまいます。

また抜歯後に口が開きにくいからということで食事が十分でなかったり、痛みから睡眠が不足してしまうと全身の免疫が低下し炎症に対処できなくなります。

このようにして炎症が大きくなってしまうとその兆候として発熱してしまうことがあります。

抜歯部位は清潔に維持した上で十分な食事と睡眠をとることが重要です。

親知らず抜歯後の腫れ

歯根の破折、迷入

親知らずの抜歯の際、歯をそのまま抜くことができれば問題ありませんが、歯根が複雑な形態をしていたり大きく湾曲している場合、歯根が破折することがあります。

破折した歯根は抜去が可能であれば抜去しますが、もし骨内に取り残された場合も問題になることは少なく、時間をかけて粘膜上に出てくることも多いため経過観察で様子を見ることも多いです。

ただし、親知らずの生え方によっては歯根が周囲の組織との隙間に位置しており、破折した歯根がその隙間に迷入してしまうことがあります。
そのような場合は感染のリスクなどを考慮し除去が必要となることもあり、専門機関への受診が必要になります。

まとめ

親知らずの画像

親知らずの抜歯に関して過度に心配をする必要はありませんが、先に挙げたようなリスクがあることも事実です。

CT画像の撮影など必要な検査を受け、親知らずの生え方やリスクを理解した上で担当医と相談しましょう。そして抜歯前、抜歯後は口の中を清潔に保ち、十分な栄養と睡眠をとることが重要です。

何か心配な点があれば気軽に歯科医院で相談してみることをお勧めします。

親知らずの症例

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