予防歯科は虫歯や歯周病を予防するために行われますが、どのようなことをするのかご存じでしょうか。まず、予防歯科には、歯科医院で行われるプロによるケアと、家庭でのセルフケアの2種類があります。
歯科医院では、歯のプロである歯科医師や歯科衛生士が、歯磨きでは落とし切れない歯石や歯垢を専用の機械を用いてきれいに除去してくれます。
予防歯科は虫歯や歯周病を予防するために行われますが、どのようなことをするのかご存じでしょうか。まず、予防歯科には、歯科医院で行われるプロによるケアと、家庭でのセルフケアの2種類があります。
歯科医院では、歯のプロである歯科医師や歯科衛生士が、歯磨きでは落とし切れない歯石や歯垢を専用の機械を用いてきれいに除去してくれます。
これをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と言います。歯の治療のような痛みはなく、歯の表面がツルツルになり、お口の中がスッキリします。他には、フッ素を塗って予防する方法もあります。フッ素には、酸により溶け出した歯のカルシウムやリンを補い修復する効果や、歯の表面のエナメル質を強化する効果、虫歯を作る菌の働きを弱める効果などがあります。
家庭でのセルフケアには、フッ素が入っている歯磨き粉を使うこと、歯間ブラシを使って歯ブラシでは届かない歯の間まで歯垢を除去すること、おやつは決まった時間に食べること、だらだら食べをしないことなどがあります。
では、予防歯科はいつから始めれば良いのでしょうか。これには何歳からという明確な答えはありません。歯が生え始めた赤ちゃんの頃から予防を始めるのが良いでしょう。
生まれたての赤ちゃんには虫歯の原因となるミュータンス菌が存在しません。菌は歯を住みかとするため、歯がない赤ちゃんには存在しないのです。
しかし、歯が生え始めた頃に家族などからミュータンス菌をもらってしまった場合は、お口の中にミュータンス菌が住み始めてしまいます。赤ちゃんの歯は弱いので、菌の影響をすぐに受けてしまいます。
そうならないためにも、歯が生え始めた頃から予防歯科を意識することで、お口の中を健康に保つことができます。予防歯科と言っても、その予防方法はお口の中の状態や年齢によって異なります。
0歳から2歳頃は、歯が生え始め、生え揃ってくる時期です。この時期には、お口の中に菌が入らないように気を付けることが大切です。口をつけるものは共有せず、砂糖が多く含まれた食品は控えるようにしましょう。
歯科医院では、お口が開けられるようになった頃にフッ素を塗ってもらったり、歯並びや嚙み合わせなどのお口の状態をチェックしてもらったりすると良いでしょう。
3歳から5歳頃には、歯磨きの習慣がつくようにしたい時期です。仕上げ磨きは欠かせませんが、自分で磨く習慣をつけましょう。また、指しゃぶりや口呼吸がある場合は、歯並びが悪くなる可能性がありますので、かかりつけの歯科医院で相談してみましょう。
歯科医院でできるケアとしては、お口の中の状態チェックやクリーニング、フッ素塗布に加えて、シーラントという虫歯予防法があります。これについては後程詳しくご紹介します。また、歯と歯の間の見えない部分に虫歯がないか、レントゲンを撮って確認することもできるようになる時期です。虫歯の早期発見・早期治療を心がけましょう。
6歳から15歳頃になると、一番早く生えてくる永久歯である6歳臼歯をはじめ、乳歯が永久歯に生え変わる時期です。奥歯が生え始めたばかりの時期は歯の背が低く、磨きにくいため、歯ブラシが届きにくいので特に気を付けましょう。
歯科医院でのケアは、5歳までの内容とほぼ同様で、定期的に歯科医院でお口の中を診てもらいましょう。乳歯が抜けたり、永久歯が生えてきたりと、数ヵ月でお口の中の状況が変化するので、その都度、磨きにくい部分をブラッシング指導してもらうと家庭でのセルフケアの質が上がります。
心も体もぐんと成長する時期ですから、お口の中の健康も意識しましょう。歯並びが気になる方は、顎が成長するこの時期に合わせて矯正することで、治療期間が短くなったり、痛みが軽減されたりする可能性もあります。
16歳以降から大人の時期には、虫歯も注意しなければなりませんが、歯周病のリスクも上がる時期です。食生活やストレスは、お口の中にも影響します。家庭でのセルフケアを十分に行い、必要に応じて生活習慣も見直しましょう。歯科医院では、今までのケアに加え、PMTCや歯周ポケットの深さを測って歯周病対策をします。
前述のとおり、フッ素を歯に塗ると歯の質を強くするなど虫歯予防になります。その塗り方にはいくつか方法があります。よく目にする方法では、綿球・綿棒法があります。
その名のとおり、綿球や綿棒にフッ素が入った液を付け、歯にまんべんなく塗る方法です。同じような方法として、歯ブラシ法があります。
これは、歯ブラシにジェル状のフッ素を付けて、歯磨きをする要領でフッ素を塗る方法です。大人へのフッ素塗布は、これら二つの方法で行われることがほとんどです。え?子どもは違うの?と思われた方もいらっしゃるでしょう。
歯科医院により方法は異なりますが、子供にはトレー法を使うこともあります。歯が生え揃い、自分で噛むことができるようになった子供が対象で、歯列状のトレーにジェルや泡状のフッ素を入れて、歯を覆う様に塗る方法です。綿球や綿棒、歯ブラシを使って口の奥までフッ素を塗るのは、子供の小さなお口では少し難しいので、フッ素が入っているトレーをお口の中にいれて軽く噛むことでフッ素が奥歯にも届くのです。
しかし、フッ素は塗れば塗るほど良いというものではなく、フッ素の濃度や塗る量にも気を付けなければなりません。
現在の日本では、市販品で最も高濃度のもので1500ppm(0.15%)フッ素が入った歯磨き粉が販売されています。濃度が高い方が虫歯予防効果は高いのですが、6歳未満の子供には1000ppm(0.10%)以上のフッ素入りの歯磨き粉の使用は避けること、手の届かない所へ保管することが厚生労働省から通知されています。
子供用のものでは、950ppm、500ppm、100ppmが販売されています。適切な量として、2歳まではゴマ粒程度のフッ素を塗るようにしましょう。3歳~5歳は5mm程度、6歳~14歳は1cm程度、15歳以上は2cm程度と適量が決まっています。
しかし、同じ年齢の子供でも個人差が大きいので、必ずしもこの量が正しいというわけではなく、子供にあった量を塗るようにしましょう。
大人になると、歯科医院専用の9000ppmの高濃度のフッ素を塗ることができ、効果は約3ヵ月続きます。虫歯予防のために、3ヵ月おきに歯科医院でフッ素を塗ってもらうと非常に良いでしょう。フッ素を塗ったあと30分は、飲食やうがいができないという注意点があります。
奥歯の溝は子供の虫歯ができやすい部位です。そこをプラスチック樹脂で埋めて、虫歯を予防する方法がシーラントです。
生え始めの歯は弱い上に、奥歯は磨きにくく虫歯になりやすいので、深い溝を埋めて、物理的に菌の侵入を防ぐことにより虫歯を予防します。
見た目は、歯の噛む面の溝に沿ってほんのりクリーム色のプラスチックがあり、のぞき込めばそれが見えるという程度なのでほぼ気になりません。シーラントは4年間で約60%の虫歯予防効果が認められており、虫歯ができやすい部位には特に効果が高い処置です。数分で終わるのも子供にとって良い予防法であると言えます。
ただし、いくつか注意点もあります。まず、シーラントはあくまでも溝を埋めているだけなので、取れてしまうこともあります。
その場合は歯科医院を受診し、再度処置し直してもらう必要があります。また、シーラントは生えたばかりの永久歯や乳歯の初期虫歯に対してのみ保険適応となります。
大人でも溝が深い部位にシーラントの処置を行うことができますが、保険適応外となりますので、ご注意ください。
今回お話した内容は、予防歯科のほんの一部です。歯を守る方法はたくさんあります。家庭でのセルフケアは、毎日少しでも行うことが大切です。フッ素入りの歯磨き粉を使う、歯間ブラシを使ってみる、おやつを決まった時間に食べるなど、まずは自分ができそうなものから始めてみましょう。歯科医院での専門的なケアでは、今のあなたに合った予防をしてくれますし、セルフケアのアドバイスももらえます。
是非とも一度、歯科医院へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
下北沢歯科では虫歯治療から美しい歯を実現する審美歯科(歯のセラミック)やホワイトニング、歯を失ってしまった方へのインプラントや入れ歯まで総合診療を提供いたしております。
急な痛みや取れた外れたなどお口の中で何かお困りのことございましたらお気軽にご相談下さい。