スウェーデンと予防歯科の意外な関係?

北欧の国であるスウェーデンでは、1970年代から予防に対する取り組みを国家のプロジェクトとして行ってきました。現在では、その予防への取り組みが功を奏し、世界の中で最も虫歯が少ない国と言われています。今回は、スウェーデンと予防歯科について説明したいと思います。

予防歯科

スウェーデンの予防歯科の歴史

1970年代、スウェーデン政府は虫歯や歯周病の問題を深刻に受け止め、国家プロジェクトとして「虫歯・歯周病予防」をスタートさせました。スウェーデンの大学が歯に関する大規模な調査を開始し、虫歯や歯周病と歯科医師による治療後のブラッシングとの関係を調査しました。その結果、セルフケアと歯科医院でのメンテナンスの両方が予防に重要であることが分かりました。
これを受けて、歯科治療では従来の対症療法だけではなく、虫歯・歯周病予防を併せて行うことが重要視されるようになりました。スウェーデン政府はこの調査結果に基づき、国民に歯科医院で虫歯・歯周病予防を受診することを義務付けました。

スウェーデンで予防歯科が根付いた理由

では、なぜスウェーデンでは予防歯科が普及したのでしょうか。以下にその理由についてまとめてみました。

23歳未満の治療費の無料化

1970年代からスウェーデンでは、予防歯科に対する様々な取り組みが行われました。
その一環として23歳未満の国民に対して歯科治療費を無料にするという取り組みがあります。この取り組みの中で、幼い頃から予防歯科に対する教育を受け、歯に対する関心が高まるきっかけとなりました。

定期検診の受診率が高い

スウェーデンでは、予防に対する意識が高いと知られています。
実際、日本における受診率は約6%であるのに対し、スウェーデンにおける成人の歯科定期検診の受診率は、80〜90%であると言われています。この数字からもスウェーデンにおける予防に対する意識がかなり高いことがわかります。

口腔ケアへの意識が高い

日本では歯ブラシのみを使用してブラッシングを行っている方が大多数を占めています。しかし、スウェーデンでは、歯ブラシの他にもタフトブラシやフロスなど様々なデンタルグッズを用いて口腔ケアを行っています。

治療費が高い

日本では、歯が痛くなるなどの症状が現れてから歯科医院に行くことがほとんどです。
しかし、スウェーデンでは、虫歯にならないように予防するために歯科医院に通院します。
高額な治療費に比べ、予防にかかる費用が安いので、スウェーデンでは予防のために歯科医院に通院するということが当たり前になっています。

スウェーデンから学ぶ予防方法

ここまで、スウェーデンと予防歯科について解説しました。
スウェーデンでは、虫歯や歯周病を予防するために自身でのお口の中のケアと歯科医院で提供される専門的なケアがとても重要視されています。この項目では、日常の口腔ケアの方法について説明したいと思います。

デンタルグッズの活用

日常のブラッシングでは、磨き残しがないように磨くことが重要です。
その際、磨く部位ごとにフロスやタフトブラシなどのデンタルグッズを使い分けます。以下に各デンタルグッズの特徴や使用方法について説明したいと思います。

フロス

歯と歯の間を清掃するときは、フロスを使用します。フロスの長さは40センチほどに切り、両手の中指に2〜3回巻き付けます。その後、両手の親指と人差し指を使ってフロスがピンと張るようにします。
フロスを歯と歯の間に挿入する際は、前後に動かしながらゆっくりと挿入します。このとき、力を入れて歯間部に挿入すると歯ぐきを傷つけることがあるので注意しましょう。フロスを挿入した後は、上下に動かして、歯と歯の間の汚れを取り除きます。清掃後は、フロスを動かし、ゆっくりと抜きます。フロスが引っかかってうまく抜けない場合は、指からフロスを外して取りましょう。

歯間ブラシ

歯間ブラシは形によってI型、L型、Y型と色々なタイプがあります。
歯と歯の間に歯間ブラシを挿入後、前後に動かし、歯の汚れを取ります。
奥歯を磨く際は、頬の粘膜と歯間ブラシが当たってしまい、うまく挿入できないことがあります。奥歯の歯と歯の間を磨く際は、お口を少し閉じ気味にし、頬を緩ませてから歯間ブラシを挿入しましょう。

タフトブラシ

タフトブラシは、歯ブラシの毛が1束にまとまった歯ブラシです。
歯並びが悪い部位、被せ物の周り、奥歯、歯と歯ぐきの境目など普通の歯ブラシでは磨くことが難しい部位に使用します。タフトブラシは、鉛筆を持つように中指、人差し指、親指で挟むように持ちます。
このように持つことで、余計な力が入らずに磨くことができます。磨き方は、磨きたい部位にタフトブラシの先端を当て小刻みに動かしながら磨きます。

舌ブラシ

舌の清掃を怠ると舌苔(ぜったい)と呼ばれる細菌の塊が付着します。
舌苔は、口臭の原因になることがあります。舌苔を除去するためには、舌ブラシを用いて定期的に舌を清掃する必要があります。舌ブラシで磨く際は、力を入れずに優しく磨きましょう。

ブラッシングを行う際の注意点

ここまででデンタルケアグッズについて説明しました。次に、ブラッシングを行う際の注意点についてまとめたいと思います。

力を入れて磨かない

力を入れてゴシゴシとブラッシングを行うと歯ぐきが傷つき、歯のエナメル質が欠けることがあります。ブラッシングを行う際は、優しく磨きましょう。

磨き残しがないように注意する

ブラッシングを行う際は、磨き残しがないように磨く順番を予め決めておくことがおすすめです。
例えば、左上の表→右上の表→右上の裏→左上の裏というように一筆書きを意識することで磨き残しを防ぐことができます。

ブラシの毛先の向きを意識する

歯の表面や噛み合わせの部位を磨く際は、歯に対して90度の方向でブラシの毛先を当てます。
歯と歯ぐきの間を磨く際は、毛先を歯に対して45度の方向に当てましょう。このように、ブラシの毛先を意識することで効率良く歯を磨くことができます。

うがいを控える

歯磨剤には、フッ素成分が入っています。ブラッシングが終わった後に何度も口をゆすぐとフッ素成分が全て流れてしまい、虫歯予防効果が減少してしまいます。
ブラッシング後は、歯磨剤の泡を吐き出す程度にとどめ、なるべくフッ素がお口の中に留めるように心がけましょう。

歯科医院が提供する専門的なケア

ここまでで日常の口腔ケアについて説明しました。
スウェーデンでは、日常の口腔ケアに加えて、定期的に歯科医院での歯のメンテナンスを受けることを推奨しています。この項目では、歯科医院で提供される専門的な歯のメンテナンスについて説明したいと思います。

歯石取り

磨き残しがあるとプラークが固まってしまい歯石が形成されます。
歯石が歯に付着するとプラークが歯に溜まりやすくなり、虫歯や歯周病になるリスクが増加します。また、歯石が歯に付着すると、ブラッシングで除去することはできません。歯石を除去するためにも定期的に歯科医院に通院し歯石取りを行いましょう。

歯石取りって?

PMTC

PMTCは、専用の機械やフッ素が入ったペーストを用いて歯の表面を清掃します。
PMTCを行うことで、虫歯の予防や歯の表面の着色などを取ることができます。

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ブラッシング指導

磨き残しがある場合は、歯科衛生士からブラッシング指導を受けることができます。
具体的なブラッシング方法がわかるため、日頃のブラッシングの質の向上に繋げることができます。

お口の健康を守る定期検診!虫歯や歯周病を防いで生涯健康を目指そう

今回は、スウェーデンと予防歯科について解説しました。スウェーデンでは、一定の年齢までの治療費の無料化や国民の予防意識の向上などにより虫歯を効率よく予防しています。また、虫歯や歯周病の予防には、歯ブラシだけではなくフロスやタフトブラシなどのデンタルグッズを用いることが大切です。
更に、日常の口腔ケアに加えて定期的な歯科医院への受診も重要です。実際にスウェーデンにおける成人の定期検診の受診率は、80〜90%とかなり高水準になっています。歯科医院での定期検診では、歯石の除去やブラッシング指導など予防には欠かせないことを行っています。日頃の口腔ケアと専門的なメンテナンスを受け、虫歯や歯周病を予防しましょう。

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