
予防歯科と健康寿命はとても密接な関係だと知っていますか?健康寿命を延ばす取り組みとして、予防歯科はとても有効です。しかしなぜ予防歯科が必要なのでしょうか。
本記事では、予防歯科と健康寿命の関係と予防歯科の取り組みについて紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
予防歯科と健康寿命

予防歯科は健康寿命に大きな影響を与えます。はじめに健康寿命と予防歯科について紹介します。
健康寿命とは?
健康寿命とは、日常生活を心身ともに自立して生活できる期間のことです。平均寿命から健康寿命を差し引いた期間は、寝たきりや認知症などの介護が必要な状態であり、日常生活に制限があり健康ではない期間を意味しています。
●令和元年の平均寿命と健康寿命
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
平均寿命 | 81.41歳 | 87.45歳 |
健康寿命 | 72.68歳 | 75.38歳 |
不健康な期間 | 8.73歳 | 12.06歳 |
引用元:健康寿命の令和元年値について:厚生労働省 第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会
日常生活に制限のある、健康ではない状態の期間は健康の問題だけではなく、医療費や介護費、家族への負担などが大きくなることが予想されます。そのため、健康寿命を延ばすための取り組みが大切です。
予防歯科の基本的な考え方
予防歯科とは、虫歯や歯周病などの口腔疾患になる前に、予防してお口の中の健康を維持・向上を目的としています。
予防歯科では、毎日自分で行う歯磨きなどのセルフケアと、定期的な歯科クリニックでのプロフェッショナルケアの二つを両立して進めます。一時的なものではなく、継続で効果を得られ、長期的な健康寿命のサポートにつながります。
予防歯科と健康寿命の関係と重要性

歯の健康と全身の健康状態は、とても密接に関係しており、お口の中の健康状態は、全身の健康状態に影響します。
代表的な口腔疾患は虫歯と歯周病です。特に歯周病菌は全身に及ぼす影響が多く、糖尿病や心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎などのさまざまな全身疾患の原因になります。
歯周病の原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。プラークには歯周病を引き起こす細菌が多く住んでおり、細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、歯を支えている骨を溶かしていく病気です。最悪の場合、歯を失うこともあります。
虫歯や歯周病によって歯を失った状態や、入れ歯が合わない状態が続くと、食べ物をうまく咀嚼(そしゃく)できなくなります。咀嚼とは食べ物を細かくかみ砕き、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすい状態にします。
咀嚼できると、唾液の分泌や消化、栄養の吸収を促します。咀嚼は脳に刺激として伝わり脳の活性化へとつながるため、認知症の予防になります。
お口の中の健康を保ち、しっかりかんで食事することは、全身の健康状態を向上させるとても大切な役割を担っています。
自分の歯を多く保つことで全身の健康状態を向上させる

厚生労働省が推奨している指針「8020(ハチ マル ニイ マル)運動」があります。8020運動とは、健康な歯を80歳まで、そして自分の歯を20本以上保つことを目標にしています。
自分の歯を20本保つことを目標に掲げているのは、歯が20本あれば固いものなど食べ物を選ばず、ほぼ満足な食生活ができるといわれているからです。
歯を失ってしまった場合、被せ物やブリッジ、入れ歯、インプラントなどで歯を補う治療が必要です。自分の歯を多く残したいと考えている場合、虫歯や歯周病などの歯を失う原因となる口腔疾患にならないよう予防が必要です。
8020運動では予防歯科の普及と口腔疾患の早期発見・治療を重要視し、高齢期におけるお口の健康状態の向上を目指しています。
健康寿命を延ばすための予防歯科

お口の健康状態を保つため、予防歯科での取り組みは次の3つです。
- 日常的なセルフケア
- 健康的な食事と生活習慣
- 歯科クリニックでのプロフェッショナルケア
順番に説明します。
1:日常的なセルフケア
- 毎食後の歯磨き
- フッ素の適切な使用
- 歯間ブラシやデンタルフロスの活用
- 口腔洗浄液の使用
予防歯科の基本は、毎日自分で行う歯磨きです。お口の中が十分に清掃されていない場合、歯の表面にプラークが形成されます。プラークは細菌の塊で、虫歯や歯周病の原因になります。そのため歯磨きで、お口の中からプラークを取り除く必要があります。歯ブラシが届きにくい歯と歯の間は歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。セルフケアでは、自分に合った歯ブラシや歯磨き粉などのデンタルケアグッズの使用が重要です。
2:健康的な食事と生活習慣
健康的な食事と生活習慣は、お口の中にも大きな影響を与えます。 丈夫な歯を作るには、カルシウムやリンなどのミネラルと、タンパク質、ビタミンA・C・Dなどが必要です。また食べるときは、しっかりかんで食べる習慣を作りましょう。酸っぱいものや糖分が含まれている食べ物や飲み物を多く摂取すると、歯を悪くしてしまう原因になります。
食生活だけではなく、睡眠時間が短いことやストレス、喫煙、飲酒、口呼吸などの生活習慣もお口の中の健康に影響します。特に喫煙は歯周病のリスクが高く、悪化しやすく治りにくい傾向にあります。
バランスの取れた食事と生活習慣の見直しや心がけ、改善はとても大切です。
3:歯科クリニックでのプロフェッショナルケア
定期的に歯科クリニックで受けるプロフェッショナルケアでは、歯や歯ぐきの問題を予防するために非常に重要です。虫歯と歯周病のケアは、毎日の歯磨きがとても大切です。しかし、自分で行う口腔ケアでは、汚れを落とし切ることはできません。そのため、定期的なプロフェッショナルケアで徹底的に歯のお掃除をします。また、虫歯や歯周病を早期に発見できるため、重症化する前に治療を受けられます。
一般的に3ヵ月に1度のペースでプロフェッショナルケアを受けるとよいとされていますが、お口の中の状況に応じて1ヵ月に1度など異なります。
●プロフェッショナルケア

プロフェッショナルケアでは、専門の器具と薬剤を使ってプラークや歯石、着色を除去します。定期的なクリーニングでプラークと歯石、着色を除去すると虫歯や歯周病のリスクを低減できます。汚れを徹底的に除去した後、歯をなめらかに研磨するため、プロフェッショナルケアをした後は驚くほどに歯がツルツルになることを実感できるでしょう。
仕上げはフッ素塗布をします。フッ素は歯の構造を強化するため、虫歯予防に効果を発揮します。
●ブラッシング指導

お口の中の状況は一人ひとり異なり、状況は日々変化するため、自分のお口の中に合った歯ブラシや歯磨き粉などを使用して、適切な口腔ケアをする必要があります。ブラッシング指導では、お口の状況に合わせたデンタルケアグッズの提案と適切なブラッシング方法を指導します。
自分では歯磨きがきちんとできていると思っていても、歯磨きの方法に癖があり、全く歯ブラシが当たっていない場所があることも。そのため、正しい歯磨きの方法やアドバイスを受け、毎日のセルフケアで実践していくことがとても大切です。

まとめ
健康寿命を延ばすために、予防歯科が欠かせません。お口の中の環境を整えることで、全身の健康状態を維持します。予防歯科は日常的なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアを両立して継続が大切です。 「いつまでも美味しい食事をしたい」「健康でいたい」「自信のある笑顔でいたい」そんな願いを現実にするために、まずは歯科クリニックで予防歯科について相談してみましょう。
下北沢歯科 診療内容
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