虫歯予防に本当に有効な
手段について

ブラッシングの回数

予防歯科

「虫歯予防の基本は歯ブラシでのセルフケア」と刷り込まれている方も多いと思います。私自身その1人です。虫歯は、歯に付着した細菌の塊であるプラークによって引き起こされることが多いため、そのプラークを物理的に除去するブラッシングは間違いなく重要です。

では1日何回の歯ブラシが効果的なのでしょうか。患者さんからも「1日3回磨く必要があるでしょうか?」など質問いただくこともあります。我々の食後の口の中では、細菌が酸を産生することで酸性に傾き、虫歯になりやすい環境となります。
それを唾液などの働きや食後の歯ブラシによって中性に戻すことで、歯が溶けやすい環境を脱する、というのが重要であるとされています。

しかし「虫歯の予防」のみに関して、論文や研究で「1日3回のブラッシングが有効である」と示している論文はなく、1日2回以下の群と、1日それ以上にブラッシングしている群では差が認められていません。(これはあくまでも「虫歯予防」に関してのもので、歯周病などの予防にはブラッシング回数が多い方が望ましいとされています。)ではブラッシングの回数以外に何が重要なのでしょうか。

ブラッシングの目的

予防歯科

ブラッシングが虫歯予防に重要であることは変わりません。そのブラッシングの目的には以下のものがあります。

上記のうち3つはフッ化物配合歯磨剤の効果ですので、残念ながらフッ化物配合歯磨剤が無ければ達成することができません。

「ブラッシング」と一括りにしても、人それぞれ歯ブラシの技術には差がありますし、どうしても磨きにくい歯並びの方もいらっしゃいます。また「裂溝」と呼ばれる歯の溝は虫歯の好発部位ですが、そもそも裂溝の奥まで歯ブラシの毛先が届かないこともわかっています。

つまりこれは、ブラッシングによる虫歯予防だけでは限界があることを示しています。ブラッシングは非常に有効で必要な要素ですが、それだけで虫歯を予防できるとは言えないということです。

フッ化物配合歯磨剤の有効性

予防歯科

最も有効な虫歯予防は?という問いに対する答えとして適切なのは、「1日2回以上のフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング」ということになります。
ブラッシングは当然必要ですが、効果としてはフッ化物配合歯磨剤によるものが大きいということです。フッ化物配合歯磨剤には先に挙げたような、歯質の強化、再石灰化、細菌による酸産生を抑制などの働きがありますが、各年代別にも以下のような効果があるとされています。

上記のように、各年代別に推奨されるフッ化物濃度は異なります。これは虫歯予防の効果の大きさだけでなく、歯のフッ素症の万が一の発生リスクも踏まえて決められているものです。
2017年3月以降、日本でも1500ppmの濃度の歯磨剤が認められていますが、フッ化物濃度の高い歯磨剤は効果も高い反面、幼児期と小児期は歯のフッ素症のリスクも考慮し推奨濃度も低く抑えられています。

また、日本口腔衛生学会では、フッ化物配合歯磨剤を用いたブラッシングの後は1回のみ軽くうがいをし、その後1〜2時間飲食を控えることを推奨しています。

フッ化物について

ブラッシング VS フッ化物

予防歯科

「虫歯予防」ということだけに関して言えば、ブラッシングのみでは予防効果に限界があり、フッ化物配合歯磨剤の効果が大きいということが分かっています。繰り返しになりますが、ブラッシングの効果が少ないということではなく、口の中の健康にブラッシングは必要不可欠ですし、歯周病の予防などにも大きく貢献します。

しかし虫歯予防に関するフッ化物の働きも大きく、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物洗口などの普及も虫歯の減少につながっているとされています。

虫歯はあくまでも口の中に生じる疾病の一つに過ぎませんが、それに対してフッ化物が有効であることを認識した上で、適切なセルフケアを行い、セルフケアで除去できない部分は歯科医院でケアを行なっていくことが重要です。

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