歯石の原因と正しい予防方法

はじめに

※20代・男性:10年以上、歯科医院に通院していない。朝鏡を見て歯に白い物(歯石)が付いていることに気付き受診された方

現在、歯石が原因で悩んでいる方は少なくありません。普段から歯磨きを怠らずに、毎日続けているにも関わらず、歯の表面に歯石が付着してしまうのは深刻な問題です。歯石が形成される原因には、あらゆる複雑な要素が関わっています。歯の表面から歯石をなくすためには、歯石ができるまでの工程と原因、正しい対策法を知ることが大切です。

今回は、歯石の原因についてお話しします。歯石の付着を防ぐ方法まで解説しますので、是非とも最後までご覧ください。

歯石取りって?

歯石が形成されるまでの流れは?口腔内との関連性

歯石が形成される原因は、お口の中(口腔内)のさまざまな環境にあります。毎日、歯を磨くときに鏡を見て確認をしていない方は、磨き残しが出やすくなるため注意が必要です。
歯石は、歯ブラシが届きにくい部分など、磨き残しているところに少しずつ形成されていきます。歯石の形成にとって好都合な環境が口腔内に複数同時に合わさると、より大量に発生するリスクを考慮しなくてはいけません。

実際に、口腔内で歯石はどのようにしてできるのでしょうか。歯石に困っている方だけでなく、現時点で口腔内環境に問題のない方も今のうちに把握しておきましょう。

汚れの磨き残しに細菌が集まる

歯石が作られる主な要因は、口腔内に潜む細菌です。普段のブラッシングで汚れを落としきれていない部分や、自浄作用の働く唾液に触れにくい場所には細菌が集まりやすくなります。歯磨きで落としきれていないまま放置すると、時間の経過とともに細菌の数が増大するため、早めの対処を心がけましょう。

細菌が集まった箇所には、歯石の前段階であるバイオフィルムが形成されます。バイオフィルムは、1gあたり1000億もの細菌が層となり集まっています。

バイオフィルムは、正しくブラッシングが行われれば除去されるため問題はありません。しかし、磨き残した状態のままにしておくと、更に菌が増殖していきます。細菌が集まる箇所を作らないためには、日頃からの正しいブラッシング方法と継続的なケアが必要です。

細菌によって歯垢(プラーク)が形成される

バイオフィルム内で増殖した菌は、ネバネバした柔らかくて白い物質である歯垢(プラーク)を形成しはじめます。バイオフィルムの中は、唾液の自浄作用やブラッシングの影響を受けにくいため、細菌にとっては都合の良い環境です。

また、細菌の中でも虫歯の原因であるミュータンス菌は、歯石を形成するものとして厄介な存在になりかねません。ミュータンス菌は、ほかの細菌と比較して強固な歯垢を形成します。通常の歯垢よりも強く歯に粘着するため、より入念なブラッシングが必要です。

歯の表面に、歯垢と思われるネバつきのある白い物質が見られた際は、早めに取り除くことを意識しましょう。歯の磨き方に自信のない方は、とくに注意しながら確認してみてください。

唾液の成分とプラークが触れて歯石が形成される

歯の表面に付着したプラークは、口腔内で何度も唾液に触れます。唾液に含まれているカルシウムやリン酸塩といった成分をプラークが取り込むことで少しずつ硬くなっていき、再石灰化が起こるのです。

再石灰化により硬くなっていくプラークは、そのまま歯に引っ付いた状態でやがて歯石へと変化します。形成された歯石の表面に再びプラークが重なり、同じ工程で歯石が作られていき、大きくなっていくのが大まかな流れです。

プラークが形成された部分を磨き残してしまうと、そのままプラークが取り除かれずに放置されてしまいます。プラークは歯磨きで除去可能なので、毎日しっかりと確認することが重要です。

歯石の原因は日常生活に潜んでいる

歯石ができる原因には、あらゆる要素が存在します。歯石が付着しやすい体質を持つことなども関係していますが、ほとんどの原因は普段の日常生活におけるケア不足です。
1日の歯磨きの回数が少ない方や歯の磨き方を把握していない方は、特に注意が必要です。自分のケア方法が不安なときは、是非とも歯科医院へ相談しましょう。

日頃のブラッシングが正しくできていない

歯石ができてしまうこととして挙げられる1つ目の原因は、正しいブラッシングが行われていないことです。口腔内には、どうしても歯ブラシが行き届きにくい箇所が存在します。

歯と歯が隣接している箇所や歯と歯ぐきの溝、親知らずなどの奥歯は、ブラシの毛先が届きにくいため気を配らなくてはいけません。毎日、食後に歯を磨いているのにも関わらず歯石が見られる方は、ブラッシングの方法を見直してみましょう。

日頃の歯の磨き方や口腔ケアの方法は、自分だけで改善することは困難です。ブラッシング不良は、長い間歯科医院を受診できていない方に多く見られます。できるだけ空き時間を作って、歯科医院で口腔内の状態を診てもらうことを検討してみてください。

歯並びが悪くブラシが行き届きづらい

2つ目の原因は、もともとの歯並びに見られる状態の異常です。歯並びが整っておらず、歯と歯の表面が重なっていたり歯の高さがデコボコしていたりする状態を言います。

歯並びの異常は、複雑であるほどブラシが当たりにくい部分を発生させてしまうため、普段から気をつけておきましょう。ブラッシングのできていない部分は、歯石が少しずつ形成されていくので、正しい歯の磨き方を知ることが大切です。

歯並びの状態によっては、ブラシが当たらないことにより、ほとんどの歯に歯石が付着するリスクも考えられます。歯磨きでのケアが難しく感じる方は、歯並び自体の改善を検討してください。

唾液の性質により歯石が付着しやすい

歯石が形成されることとして挙げられる3つ目の原因は、唾液の性質です。唾液の性質は人によって異なるものであり、歯石のできやすさが左右される要因として挙げられます。

歯石が形成されやすい性質として、とくに唾液の分泌量が多い方と、水のようにさらさらしている方は気をつけなくてはいけません。順番に説明します。

唾液の分泌量が多い方の口腔内にできたプラークは、唾液と触れることが多い傾向にあります。頻繁に成分と反応して、再石灰化が起こりやすくなるため注意が必要です。唾液の少ない口腔内と比較して、歯石の形成リスクが高いことを念頭に置き、より入念に口腔ケアを行いましょう。

また、唾液がさらさらしている方は唾液の自浄作用が正しく機能されていないことが多く、プラークが残りやすくなります。歯ブラシで除去できている方は問題ありませんが、磨き残しがあると歯石の形成を招いてしまうので、ブラッシング方法の改善が重要です。

歯石の発生を予防するための継続的なケア方法

歯石の原因にもさまざまな要素が考えられますが、同時に発生を予防する方法も多く存在します。歯石が付着するのを防ぐには、継続的な口腔ケアが大切です。
これから、歯の表面に歯石が付着するのを防ぐための具体的な予防方法やケア方法を解説します。口腔ケアに自信のない方は、是非とも参考にしてください。

正しいブラッシング方法で歯を磨く

歯石が付着しないために重要視すべき事項は、日頃からのブラッシング方法です。歯磨きがきちんと行われていれば、磨き残しが最小限に留められ、細菌や汚れが溜まる箇所はできにくくなります。

どうしても歯ブラシが届きにくい部分は、補助用具を活用してみてください。歯間ブラシや糸ようじ、ブラシのヘッドが小さい形状になっているタフトブラシなどが該当します。

また、手動の歯ブラシよりもプラークや汚れを効率良く除去できる超音波ブラシを使うことも効果的です。気になる方は、購入を検討しましょう。
ブラッシング法を正しく理解できていない方は少なくありません。食後に欠かさず歯を磨いていても、ブラッシング法を把握していなければ、多くの磨き残しができてしまいます。

正しい歯の磨き方を習得するためには、プロからの指導を受けることが効率的な方法です。自分の歯の磨き方が間違っていないか気になる方は、歯科医院へ来院し、歯科医師や歯科衛生士に指導してもらいましょう。

矯正治療も考慮に入れる

歯並びに問題のある方に向けた方法になりますが、矯正治療を検討することも歯石を発生させないための対策につながります。歯並び異常の度合によっては、正しいブラッシング方法だけでの口腔ケアは困難です。

自分の歯並びに問題があり、普段からどうしても上手く歯が磨けていないと感じる方は、矯正治療を受けることも視野に入れましょう。治療を受ける際に、口腔内の汚れ具合も同時に診てもらうことができます。
歯並びの改善は、歯と歯の表面が重なっている部分をなくせるため、歯ブラシが届かない箇所を減らすことにも効果的です。

矯正歯科

歯科医院へ通院し定期検診を受ける

歯の磨き方や歯並びに問題がないとしても、歯石が付着するリスクを完全になくしたとは言い切れません。歯石が付着しない、より良い口腔内環境を保つための重要な予防法としては、歯科医院を定期的に受診し検診を受けることです。

歯科検診を受ければ、すぐに口腔内の状態が把握できるうえ、磨き残しがある場合は歯をきれいにしてもらえます。また、ブラッシング指導も受けられるため自分の歯の磨き方に自信のない場合でも早めの改善が可能です。

注意点として、歯科医院への来院は一時的なものに留めず、定期的に続けましょう。一度ブラッシング指導を受けたとしても、時間が経てばすぐに忘れてしまうものです。

きれいに掃除された歯も、時間の経過とともに汚れていくことは否めません。継続的に通院することで、歯石のない健康的な口腔内が保てます。自分の歯を守るためにも、定期検診を受けるための時間を作りましょう。

歯のクリーニングの回数と頻度

歯石の原因を把握して普段から正しくケアしよう

歯石が形成されていく環境は、日頃の口腔ケアによって左右されます。歯石の付着を防ぎたいと考えている方は、毎日正しい方法で予防することを意識しましょう。

正確なケアやブラッシングを行うことは、口腔内の健康状態を維持するためには大切な行動です。また、口腔ケアと予防は継続的に行わなければ意味がありません。きちんとした予防とケア方法を習得するために効果的なことは、歯科医院で歯科医師、歯科衛生士に相談することです。

現在、口腔内に歯石が付着していて悩んでいる方は、是非とも定期的な通院を心がけましょう。歯科医院へ通うための時間を作ることが、健康的できれいな口腔内を得られる近道となります。

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