ぐらつく歯

歯周病というと、歯茎からの出血や歯茎が腫れる症状を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、実際は上記の症状も確かにありますが、進行すると歯の生えている骨自体を溶かしてしまう病気です。そのため、歯がぐらつくという症状が大きいほど、歯周病が進行しているサインなのです。
歯周病の進行具合をぐらつきでみる

歯がぐらついてくると日々の食事にも影響が出てきます。ぐらつきを感じるようになったら下の進行段階を目安に受診し、早めに治療するようにしましょう。歯周病の進行具合は3段階に分類されています。
軽度
まだ周囲の顎の骨への影響はみられません。
そのためぐらつきもほとんどないレベルです。歯茎のむず痒さ、ブラッシング時の歯茎からの出血などの症状が認められます。
中度
ここから進行スピードが増すことがあります。
徐々に骨を溶かし始めるため、ぐらつきが出てきます。歯茎も一緒に下がるので露出してきた歯根に冷たいものなどが触れると沁みるなどの症状が出ることもあります。
重度
しっかりとぐらついている状態です。
膿もたまり歯周病特有の口臭を発する様になることもあります。日常生活にも支障を及ぼし自覚症状も持つはずですので、ここまできてしまったら早期に受診をしましょう。
ぐらつく原因

歯は、歯根膜という歯の根をとりまく繊維性の結合組織と顎の骨が密着して支えられています。
普段のお食事でも噛むときにかかる力で多少は動くものですが、健康な歯はこの歯根膜が歯と顎の骨の間のクッションの役割をしてくれるので、わずか0.2mm程しか動きません。
ところが、歯周病が進行してしまうと顎の骨が溶け、歯根膜も壊されてしまいます。歯を支える歯根膜が壊れることにより、ぐらぐらと揺れてしまうのです。
また、噛み合わせの悪さが原因で歯周病になってしまうことや、悪化することがあります。乱れた噛み合わせによる圧力で不自然に一部の歯に強い力が加わり、弱った歯茎や顎の骨に影響を与えるためです。
歯周病以外の原因
歯周病以外の原因でぐらついている可能性もあります。要因はさまざまですが、放置してしまうとぐらついている一部のみならず、周りの他の歯にも影響を及ぼす可能性があります。なるべく早めに受診するとよいでしょう。
一部の歯に負担がかかっている場合
歯がなくなってしまった際の治療に、両隣の歯に橋渡しをしてダミーの歯を作るブリッジと呼ばれる治療や、部分入れ歯があります。この二つは両サイドの歯にかなり負担がかかるため、ぐらついてくることがあります。
また、歯ぎしり食いしばりなどによりクッションとなる歯根膜に負担がかかり、ぐらつきが生じることもあります。
歯根破折(歯の根っこが割れている)
歯の根っこが割れてしまうケースは、歯の根管治療を行なった神経のない歯によくみられます。
神経のない歯は枯れ木と同じで栄養が行き渡らないので、脆くなってしまいます。
先ほど挙げた歯ぎしり食いしばりや外傷が原因で歯の根元にヒビが入ることがあり、歯が自立できなくなるためぐらつきが生じます。
根尖性歯周炎(歯の根っこの先に膿がたまる)
根の先に膿がたまると根が膿の袋に乗っているような状で、歯が浮いたような感覚になりぐらつきが生じます。
虫歯が深くなったり、根の治療が不完全なことが原因となることがあります。
事故などで歯を強くぶつける
事故や転倒などで口元を強く打ちつけると、歯の根元からぐらつくことがあります。
最後に

歯周病は他にも「歯茎の炎症(出血など)」「口臭」「口の中の粘つき」などの症状もみられます。歯のぐらつきだけでなく、このような症状がある場合には歯周病の可能性が高いと言えるでしょう。
顎の骨は一度失ってしまうと完全に戻すことはできません。
また、歯周病の進んだ歯は治療せずに残しておくと隣の歯を支える骨にまで影響を及ぼすこともあります。骨が足りないとインプラントなどの治療が難しくなる可能性もあります。
歯を失う可能性、プラス修復の可能性までなくなってしまう歯周病は軽い病気ではないという認識を持っていただけると嬉しいです。
下北沢歯科 診療内容
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