歯周治療と歯周外科治療

歯周病治療の目的

歯周病の治療にはさまざまな種類があり、保険治療で扱えるもの、自費診療で扱うもの、また材料や手技も新しいものが開発されてきています。しかし原理・原則の多くは共通しており、その目的もシンプルです。

歯周病になった原因を除去し、その上でその他の問題点を解消し、長期にわたってメンテナンスしやすく、かつ機能的な状態にするのが歯周病治療の目的でありゴールです。

歯周病治療は、一般的にイメージされる歯石取りのような治療で終えられるものもあれば、歯周外科治療という歯肉を切ったり骨を削ったりする処置が必要になるケースもあります。

歯周基本治療

歯周病の治療ではまず「歯周基本治療」が行われます。しかしこの治療はとても範囲が広いもので、歯周基本治療を行うことで治癒する歯周病も少なくありません。大まかに列挙すると以下のようになります。

  1. 口腔衛生指導
  2. 歯周病になった習慣、セルフケアの方法などを見直し、改善することで原因の除去を図ります。

  3. プラークや歯石の除去
  4. 歯肉の切開などを行わない範囲で歯周病を進行させる因子を除去します。

  5. 不適切な被せ物などの除去
  6. 不適切な形態や適合の悪さによって汚れが溜まりやすく、歯周病を増悪させる可能性がある被せ物などは除去し仮歯に置き換えたり、形態を修正します。

  7. う蝕の除去や根管治療、残すことが困難な歯の抜歯
  8. 痛みを生じている歯の治療や、歯周病にも関連する可能性がある感染を除去します。

  9. 噛み合わせの調整
  10. 特定の歯が強く当たっていたりすることで不正な噛み合わせを生じている場合は歯周組織にもダメージを与える可能性があるため調整を行います。

歯周基本治療の評価と歯周外科治療

歯周基本治療を終えたのちにその効果を評価する必要があります。効果が得られた場合はそれを維持するためのメンテナンスが、効果が得られなかった場合は残存している原因の除去が必要です。

効果が得られない場合の原因

歯肉の下に存在している歯石を除去する場合、歯肉の切開を行わない限り目視での確認ができないため多くの場合は手指の感覚がメインになってしまいます。そのため当然取り残す歯石も出てくるため治療効果が得られないことも多いのです。

そのような場合に歯周外科治療が選択肢となります。歯肉を切開することで見えなかった感染源を見える状態にし確実に除去することができます。

歯周外科治療が困難な場合

歯周外科治療は歯肉を切開したり周囲骨の整形など外科的な処置であるため、術後の痛みや出血がある程度生じます。飲んでいるお薬や全身的な疾患の関係でそのような処置が困難な方も多くいらっしゃいますし、外科的な処置を行うこと自体のリスクももちろんあります。

歯周外科治療が必要な状態ではあるが、歯周外科治療を行わない場合、あるいは行うことができない場合、従来の歯石除去を継続しながらメンテナンスをしていくしかありません。

歯の周囲に歯石が
付着している場合

歯の周囲に歯石が付着したりすることで炎症が惹起され、周囲の組織が失われることで深い「歯周ポケット」が形成されます。
歯周ポケットが深ければ深いほど、その中の歯石などの除去は困難であり、状態を明らかにするためにも歯周外科治療が必要となりますが、前述した通りその歯周外科治療が困難な場合は従来の歯石除去とメンテナンスを継続するしかありません。

歯周外科治療が必要な状態において歯周外科治療を選択できない場合、従来の歯石除去とメンテナンスを継続しても、ほとんどの場合は歯周病の改善は見込めないということが研究で明らかになっています。それはやはり「見えない」部分に原因が残存しているためです。

歯周外科治療が必ずしも正解というわけではありません。しかし原因を除去できない以上は「歯周病の進行を止める」ことはできず、「歯周病の進行を遅らせる」という状態がゴールになります。

歯肉の中の見えない部分に
歯石が隠れている場合

歯肉の中の見えない部分に歯石が隠れている場合、それを除去する上でメインになるのは手指の感覚です。しかし中が見えない深いポケットで歯石を除去しようとすると、歯根の表面に存在するセメント質も傷つけてしまいます。

セメント質に12回器具を当てた場合、超音波スケーラーでは約12μm、手用のスケーラーでは約109μm削れてしまうというデータもあります。見えない部分の歯石を除去しているつもりだったのに歯が削れていた、ということも起こりうるわけです。セメント質が失われてしまうことで歯根が露出し、歯が長い印象になってしまうことがあります。

感覚に頼らざるをえない状況は多々あるのですが、なるべく対象を見える状態にし、不必要なものは傷つけない、という面でも歯周外科治療は有効です。

歯周外科治療とメンテナンス

全てのケースで歯周外科が必要なわけではありません。歯周基本治療を行い治癒する歯周病も多くありますし、必要であってもなかなかハードルが高いと感じられる方もいらっしゃいます。歯周外科治療で全てが治癒するわけでもありません。
しかし妥協的なメンテナンスの限界も考え、どの選択肢が最善か相談して歯周治療を選択していくことをお勧めします。

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