歯周病の治療法

スケーリング

スケーリングとは

スケーリングとは、歯の表面や歯根のい表面に付着した歯石などを除去することです。超音波スケーラーや、鎌のような形の鋭利な器具で取り除きます。多くの場合、さらに歯や歯根面を滑沢にするルートプレーニングとともに行い、歯石が付着しづらい環境を目指します。

歯石を除去する重要性

歯石は硬く歯面や歯根に強固に付着しているため、ブラッシングで除去することはできませんが、細菌が増殖する場となります。

つまり歯石が付着している状態では、そこから細菌が毒素を産生しさらに歯周病を進行させてします。この悪循環を止めるために、歯科医院で歯石を除去し、さらには歯石が付着しにくい状態を維持する必要があります。

レーザー治療

歯周病レーザー治療とは

歯周ポケットに付着した歯石や、また細菌をレーザーで取り除く治療です。また炎症が重度で、切除が必要な歯肉を切除することで汚れの溜まりにくい形態に整えることも可能です。

歯石や細菌を除去することで、歯周組織の治癒、歯周病の改善が期待できます。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法とは

歯周病が進行することで歯を支える骨や歯肉は破壊され失われます。再生療法とはその名の通り、歯周組織を再生させられる薬剤を使用し骨などの歯周組織を再生させるものです。

歯周組織再生療法で期待できる効果

歯周外科などの歯周病治療では、歯周病を加速させる歯石の除去や骨形態の改善により歯周病の進行を食い止めることはできますが、失われた組織を取り戻すことはできません。歯を支える骨が失われれば歯はぐらついてしまいますが、歯周外科などによりその骨の回復はできないため、歯のぐらつきは改善できないことも多いです。

しかし骨など歯周組織を再生することができれば、歯を支える土台が増えることになるため歯のぐらつきも改善することができます。また歯周組織の再生によって、深い歯周ポケットの治癒も期待できます。

治療の特徴と流れ、効果について

エムドゲイン

エムドゲインはエナメルマトリックスというタンパク質であり、これを応用することで歯が発生する時と同じ環境を作り出し歯周組織を再生させるものです。
歯肉を切開し、再生を図る部位の歯根表面の歯石、汚れを除去します。その後エムドゲインを塗布し歯肉を縫合して閉じ、再生を待つことになります。

歯茎の再生療法

歯肉が退縮し歯が長く見えるケースがあります。そのようなケースではお口の中の健康な歯肉を切除し移植を行うことで再生を図り、歯肉の退縮を改善することが可能です。

結合組織移植術について

結合組織移植術は、歯肉を増やしたい部位に対し、お口の中の他の部位から歯肉を採取し移植する処置です。

歯肉が退縮し歯が長く見える部位に移植することで、理想的な歯肉の形態を取り戻すことができたり、歯肉が薄い部位に厚みを持たせることが可能です。

歯肉弁側方移動術について

歯肉弁側方移動術は歯肉が下がり、露出した歯根面を覆うための術式です。審美的な改善と、歯根が露出することによる不快症状を改善できます。

歯肉弁を形成し、側方に移動することで歯肉の欠損部を覆い、縫合して固定します。

歯肉弁歯冠側移動術について

歯肉弁歯冠側移動術は歯肉が下がり、露出した歯根面を覆うための術式です。審美的な改善と、歯根が露出することによる不快症状を改善できます。

歯肉弁を形成し、歯肉弁を歯冠側に移動することで歯肉の欠損部を覆い、縫合して固定します。

歯周外科治療(フラップ手術)

フラップ手術とは

フラップ手術はスケーリングやルートプレーニングで除去し切ることができなかった、歯肉の下に隠れた深くの歯石を除去する処置です。歯肉を切開し剥離することで歯根面を直視できる状態で歯石の除去を行います。

歯周病を進行させる歯石をきれいに除去することで歯周病の進行を食い止め、歯周ポケットを正常な深さに改善することを目指します。

フラップ手術を採用する基準

歯周基本治療を行なった上で再度評価をした際に、ポケットの深さが4mm以上で、歯肉からの出血が診られる場合にフラップ手術が採用されます。

フラップ手術を行う上で、全身状態が良好であること、また歯周基本治療におけるブラッシング指導の効果が見られ口腔内の衛生状態が良好であることも採用の条件となります。

フラップ手術の重要性

歯周病の改善のためには、歯根面に付着した歯石の除去が必要です。歯肉を切開しない状態でのスケーリング、ルートプレーニングでは歯肉の下に隠れている歯石を完全に除去することは困難です。

しかし取り残しがあると治癒は見込むことができません。そこでフラップ手術を行い、歯石が付着した歯根面を直視できる状態で綺麗に除去していくことが必要です。

フラップ手術の流れ

  1. 歯肉を切開し、歯肉を骨から剥離します。
  2. 歯根面がよく見える状態で歯根面についた歯石を除去し、さらにその面を滑沢にします。
  3. その後、歯肉を元の位置に戻し縫合を行い終了です。

骨移植

骨移植とは

歯周病が進行すると、歯を支える骨も破壊され失われます。骨が失われた部位に自分の骨や人工の骨を移植することで、再び骨による支えを得ようとするのが骨移植です。

骨移植の期待される効果

歯周病が進行し骨が失われると、歯を支える土台がなくなるため歯がぐらついてしまいます。骨移植によって失われた部位に骨が作られれば歯を支える組織が増えるため歯のぐらつきを抑えることができます。

また歯周病により骨が失われると不整な形態となり、汚れが溜まりやすくなったり、ブラッシングが困難になることがあります。骨の形態を回復することでそれらの問題を解消することにもつながります。

どんな方に採用される

歯周病が進行し、骨が失われた部位がある方で、歯周基本治療を行なった上で歯のぐらつきが大きい方、あるいは骨の不整な形態が歯周病を加速させる要因になっている方などに採用されます。

骨移植の治療の流れ

歯肉を切開し、骨が失われた部分が見える状態にした上で、汚染された組織があれば十分に除去します。その上で、お口の中の他の部位から採取した骨や、人工の骨を欠損部に移植し、歯肉を元の位置に戻して縫合します。

歯周組織誘導法(GTR)

歯周組織誘導法(GTR)とは

歯周組織誘導法(GTR法)は、Guided Tissue Regeneration の略で、歯周病の進行によって失われた歯周組織の再生を誘導する治療法です。 歯周病の進行により骨などが失われている場合、歯周外科治療によって進行を食い止めることはできますが元の状態に戻すことはできません。これは、元々骨があったスペースを、治癒のスピードが速い歯肉などが埋めてしまうからです。そのため、骨が治癒し再生するまで、歯肉が侵入してこないようにスペースを確保、維持し、骨の再生を誘導するものです。

期待される効果

GTR法を行うことで、骨の移植などを行わずに失われた骨組織を取り戻すことができます。それにより歯を支える土台が増え、歯のぐらつきが改善されたり、不整な骨形態が改善することができます。

歯周組織誘導法の治療の流れ

歯肉を切開し、骨欠損部の歯石などを十分に除去することでその部位を清潔な状態にします。そして骨や歯根膜の再生を期待するスペースを確保するように人工膜(メンブレン)を設置し、歯肉を再生する細胞などが侵入してこないようにします。

その上で歯肉を元の位置に戻し縫合を行います。その後は数ヶ月間経過を見ながら、組織の再生を待つことになります。

歯周組織再生療法(エムドゲイン)との違い

歯周組織再生療法はエナメルマトリックスタンパク質を用いて、歯が発生する時のように組織を再生させます。

それに対し歯周組織誘導法は、あくまでも組織が再生してくるスペースを確保する処置であり、再生を促す薬剤などは使用しません。

歯周病について

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