知覚過敏とはその名の通り、歯の知覚が過敏になることで、英語ではhypersensitivityと言います。虫歯などの病変や炎症による痛みではなく、冷たい飲み物を飲むときに歯がしみたり痛みを感じたりするものです。
冷たい飲食物だけでなく、甘い食べ物で歯がしみたり、息を吸ったり風に当たったりした際にキーンと痛んだり、歯ブラシを当てると一過性の痛みを感じたりするものです。
知覚過敏とはその名の通り、歯の知覚が過敏になることで、英語ではhypersensitivityと言います。虫歯などの病変や炎症による痛みではなく、冷たい飲み物を飲むときに歯がしみたり痛みを感じたりするものです。
冷たい飲食物だけでなく、甘い食べ物で歯がしみたり、息を吸ったり風に当たったりした際にキーンと痛んだり、歯ブラシを当てると一過性の痛みを感じたりするものです。
歯の硬組織は、大きくエナメル質と象牙質の二層で構成されています。エナメル質は人間の体で最も硬い組織であり、冷たい刺激などでに対しても強いものです。それに対し、エナメル質の内側に存在する象牙質が刺激に触れると、それが神経に伝えられ痛みを感じます。
象牙質は象牙細管という細い管状の構造が集合してできており、冷たくて歯がしみる、歯磨きで歯が痛い、などは、それらの刺激が象牙細管を通って神経に伝わるためです。つまり、エナメル質に覆われているはずの象牙質が何らかの原因で露出していると、さまざまな刺激によって痛みを感じる可能性があります。
過度な力でのブラッシングは、歯の根元の部分を削ってしまったり、歯肉を退縮させたりする可能性があります。それにより象牙質が露出すると前述した仕組みによって、冷たいものなどの刺激で歯がしみたり痛んだりします。
過度なブラッシング圧を加えないよう意識する必要があります。適切なブラッシング圧は150-200g程度の力とされています。歯ブラシの毛先が広がらない程度の圧です。力が入りすぎないようにするため、ペンを持つように歯ブラシを握り優しく磨くことも必要です。
ブラッシング圧以外にも原因となるものはあります。まず歯磨き粉に含まれる研磨剤です。歯の表面に付着した着色などを落とすことに向いていますが、基本的には僅かながら歯を削ってしまっていることになります。それを毎日の歯磨きで繰り返すことによりエナメル質が露出し、知覚過敏につながるのです。
歯ぎしりや食いしばりも同様で、噛み合うことでお互いの歯を傷つけあい、それが積み重なることで象牙質の露出、知覚過敏、へと進行してしまい
ます。
研磨剤の含まれている歯磨き粉の使用頻度を抑えてみることや、歯と歯の直接の接触を減らすためにマウスピースを使用するなどで予防できる可能性が高まります。
歯周病が進行し、歯を支える骨が吸収されると、それに伴い歯肉も退縮します。これは歯周病治療を適切に行なった場合にも起こることです。歯石の付着があったり、炎症で歯肉が腫れている場合、それが改善すると象牙質が露出することが多く、それにより知覚過敏を生じるのです。
適切なブラッシングなどのセルフケア、歯科医院での治療、クリーニングを行い歯周病の進行を食い止める必要があります。失われた骨や退縮した歯肉に関しては、再生療法や移植によって改善を図ることができます。
炭酸飲料によって歯が溶ける、という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。これは嘘ではありません。炭酸飲料をはじめとして我々が口にする飲食物には酸性のものがたくさんあります。歯の中で最も外側に存在するエナメル質はpH5.5ほどで溶け始めるため、酸性の飲食物によって歯は溶ける可能性があります。
当然、すぐに溶けてしまうわけではありませんし、唾液などが口の中のpHを元に戻そうと働きます。しかし唾液が緩衝しようと働くのに対して、さらに口の中に酸性のものが追加されると酸性の状態が持続することになり歯が溶けてしまいます。炭酸飲料をこまめに飲む習慣のある方、酸性の食べ物を頻繁に口にする方は要注意です。
エナメル質が溶けて失われると象牙質が露出し知覚過敏を生じますし、象牙質も酸によって溶けてしまいます。
虫歯の治療などによって象牙質に刺激が加わり、露出した状態になると知覚過敏や痛みが生じることがあります。これは歯を削ったこと自体によるものだったり、詰め物などを通して伝わる刺激などが原因です。
象牙質、歯髄(神経)に刺激が加わると、歯髄を守るように二次象牙質が添加されることで象牙質に厚みが増します。このスピードは月単位のものであることが多く、また個人差もありますが、これにより知覚過敏や痛みが解消されることも多くあります。症状によっては再治療や、歯髄への処置が必要になることもあります。
歯のホワイトニングを行うと知覚過敏の症状が起きやすくなります。これはホワイトニングに使用する薬剤の刺激によるものと考えられています。ホワイトニングを中断すると数日で症状は消失しますし、その後またホワイトニングを再開することも可能です。
ホワイトニングは知覚過敏だけでなく、周囲の歯肉や軟膜に炎症を引き起こすこともあるため、無理のない範囲の中で行う必要があります。
知覚過敏が生じるメカニズムは、刺激が象牙細管を伝わって神経に届く、というものです。刺激の通路となる象牙細管を塞ぐことで知覚過敏を軽減することができます。
患部に虫歯などの所見がなければ歯科医院で材料を塗布するのみです。歯の状態などにより個人差はありますが、この処置のみで知覚過敏が気にならなくなる方もいらっしゃいます。
歯磨き粉にはさまざまな効果を狙い、さまざまな成分が含まれていますが、その中には知覚過敏予防、知覚過敏の改善を狙ったものもあります。代表的なものとしては硝酸カリウムがあります。
硝酸カリウムからのカリウムイオンが神経に働きかけ、刺激に対して反応しづらくすることで知覚過敏が改善します。硝酸カリウムが含まれた歯磨き粉を継続使用することで知覚過敏に対して効果があることが知られています。
象牙細管の封鎖に関して、唾液や歯磨き粉によって歯自体が再石灰化することで知覚過敏が解消されることもあります。再石灰化によって象牙細管が少しずつ狭くなり、封鎖されていくためと考えられます。
唾液に含まれるカルシウムやリン、歯磨き粉に含まれるフッ素が再石灰化に働きます。適切なクリーニング、セルフケアの上で、歯科医院におけるフッ素塗布などが有効です。また、再石灰化に限らず、唾液は口に中でさまざまな働きをしてくれるため、その分泌を促進するのも重要なことです。
歯肉が大きく退縮していたり、象牙質が欠損していることで知覚過敏を生じている場合、その形態的な問題解決のためにレジン充填や歯肉移植を行う場合もあります。
象牙質はエナメル質に比べ黄色みを帯びており、露出することで知覚過敏だけでなく審美的に気にされる方もいらっしゃいます。
レジン充填や歯肉移植によって露出象牙質を被覆することで、知覚過敏と審美面の両方を改善できる可能性があります。
1. クリーニング、ブラッシング指導
知覚過敏の治療として、まずは知覚過敏にならないための予防が必要です。歯周病の進行を食い止めるための適切なクリーニング、ブラッシングを正しい持ち方で適切な圧で扱えているかどうかなどのブラッシング指導やフッ素塗布が重要です。これらは保険適応で2,000-3,000円の負担で行うことができます。
2. 薬剤塗布
象牙細管を封鎖するための材料の塗布も有効ですが、保険適応で対象となる歯の本数により1,000-3,000円の負担で行うことができます。
3. レジン充填
レジンによる該当部位への充填も保険適応で1本あたり約1,000円ほどの負担で行うことができ
ます。
下北沢歯科では虫歯治療から美しい歯を実現する審美歯科(歯のセラミック)やホワイトニング、歯を失ってしまった方へのインプラントや入れ歯まで総合診療を提供いたしております。
急な痛みや取れた外れたなどお口の中で何かお困りのことございましたらお気軽にご相談下さい。