子供の虫歯の特徴

子供が虫歯になりやすい理由

①ブラッシングが十分に
できていない

子供の発育・成長の程度には個人差がありますが、成人に比べ子供には1人ではできないことがたくさんあります。手先を器用に使えるかどうかの程度にも差があり、ブラッシングが上手にできない子供も少なくありません。

また、そもそもなぜ歯を磨くのか、どこをどうやって磨くのか、ということを理解するのもなかなか難しいことです。年齢、発育状況に合わせたブラッシングの指導と教育、そしてそのレベルに合わせ親が仕上げ磨きを適切に行うことが必要になります。

②間食の内容、タイミング

子供は体重に比べ生活に多くのカロリーを必要とします。しかしまだまだ胃の大きさが足りないため、3回の食事だけで十分な栄養を摂取することが難しい場合があります。例えば2歳児では900~950kcalが必要とされますがそれを3回の食事で補うのは難しい子供も多くいます。

年齢に関わらず子供の間食は「補食」という意味で必要なものですし、「おやつ」としても上手に指導していく必要があります。しかしその内容が虫歯の原因になりやすい食べ物、飲み物であったり、寝る前などリスクの高いタイミングになってしまうと虫歯を引き起こしやすくなります。

③歯が未成熟

乳歯は永久歯に比べてエナメル質が半分ほどしかありません。そのため虫歯になりやすく進行のスピードも早いのが特徴です。6歳頃から永久歯が生えてきますが、生えたばかりの永久歯は未成熟で虫歯になりやすい状態です。それに加え奥歯は小窩裂溝と呼ばれる溝があるため磨きづらくプラークも停滞しやすいため虫歯の好発部位となります。

また永久歯への生え変わりのタイミングでは、徐々に乳歯の高さに追いついていくため、それまでは段差があり磨きにくいですし、奥歯の生え変わりでは歯肉に覆われながら生えてくるため汚れが溜まりやすくなります。食生活やセルフケアの見直しだけでなく、歯科医院でのフッ化物の応用やシーラントが重要です。

親から子供に虫歯はうつる?

親から子供に虫歯はうつる?

虫歯は細菌の感染により生じますが、その原因菌が親から子供にうつらないよう、キスや食事に神経質になる、という話を聞くこともありますが実際はどうなのでしょうか。親から子供への細菌の感染は確かに生じるとされています。しかし他の家族や、幼稚園の友達などからも感染が生じることが分かっており、全てを防ぐことは難しいため、あまりに神経質になるのは無意味であるとされています。

しかし親の口の中が感染源となるのは事実ですので、治療の必要がある場合は治療を行い、親の口の中の環境を整備することは重要です。また親自身が虫歯になってしまっている場合は、虫歯になりやすい食生活、環境にある可能性が高いため、その環境整備も必要です。

子供の虫歯を放置してしまうと?

子供の虫歯を放置してしまうと?

乳歯に虫歯ができてしまった場合、どうせ生え変わるからと放置するのは危険です。虫歯が進行し根尖病巣を生じた場合、その影響は乳歯の下に埋まっているまだ生えていない永久歯にも及ぶことがあります。エナメル質の形成不全を生じ、生えてきた段階で既に虫歯のような状態となってしまう(Turner歯)場合もあります。

また、虫歯で大きく歯が欠けてしまったり、早期に乳歯の抜歯が必要になってしまうと乳歯列の乱れだけでなく、永久歯の歯並びの乱れに繋がってしまいます。生えてきた永久歯の隣にスペースがあると永久歯がどんどん倒れていってしまうためです。適切な生え変わりのタイミングまで健全に機能する乳歯を維持するために、検診や必要な治療を行うことが必要です。

子供の虫歯を予防する方法

子供の虫歯を予防する方法

①口腔清掃

乳幼児期

乳歯が生えてくる前から口の周囲に触れたりすることで刺激に慣れさせておくことも重要とされています。乳歯が生えてきたら綿棒やガーゼで清掃を行い、徐々に歯ブラシに移行していきます。奥歯が生えてくるタイミングで歯ブラシによる清掃を中心に行います。寝かせ磨きで短時間で行うことが重要で、嫌な印象を与えないようにする必要があります。

子供自身にはうがいの練習をさせ、徐々に歯ブラシの持ち方や動かし方を指導していきます。歯科医院でも状態を確認し、染め出しを行い視覚的に磨けていない部位を認識してブラッシングの上達につなげていきます。子供が磨いた後は必ず親による仕上げ磨きを行います。磨きにくい部位はタフトブラシなどを使用し磨き残しがないよう親も工夫を行いましょう。

学童期

この時期は子供の手指の巧緻性が高まるため、歯ブラシの正しい持ち方や動かし方を改めて指導します。また、永久歯への交換に伴い歯並びの個人差は大きくなるため、歯並びに応じた磨き方を工夫する必要があります。生えてくる途中の歯は前方の歯よりも低い位置にあるため磨きにくいことがあります。歯ブラシを横から入れ一本ずつ磨くようにしましょう。またフロスなどの使用も本人に指導します。それらの状態を親が確認する必要がありますが、定期的に磨き方、磨き残しの状態を歯科医院でチェックし、ブラッシングをスキルアップしていくことが将来的にも重要になってきます。

②食生活

乳幼児期

この時期は特に保護者の正しい知識が子供の正しい食生活につながります。ブラッシングや砂糖摂取に関する注意も必要ですが、離乳食開始後も夜間授乳や清掃不良状態での頻回授乳は虫歯のリスクとなるため注意が必要です。離乳、卒乳を過ぎると奥歯が生えてくることで食べられる食品の幅が広がります。睡眠や食事を中心に1日の生活リズムが確立されていく時期ですので、早寝早起き、朝食をしっかり食べる、という習慣を身につけることが重要です。3回の食事のリズムが整わず食事量が減ってしまうと、頻回に間食などを欲しがる習慣が身につきやすくなるため注意が必要です。

ダラダラ食べは
なぜNG?

学童期

子供本人が食生活と虫歯の関係を理解することが重要になってきます。虫歯を誘発しやすい甘味菓子類の頻回摂取はなるべく避け、食後に口の中に残りにくいものを選ぶよう指導が必要です。チョコレートや飴、グミなど口の中に存在する時間が長いものだけでなく、クッキーなど歯に残りやすいものもリスクが高いとされています。飲み物もジュースだけではなくお茶などと組み合わせる工夫も有効です。また食事や間食の内容だけでなく、飲食する回数やその時間、間隔も虫歯の発生に大きく関わるこも考慮しなくてはなりません。頻回にダラダラと食べるのではなく、時間を決めて間隔を設定することが虫歯を予防する上で重要です。

③シーラント

シーラントは虫歯リスクの高い歯の裂溝を物理的に封鎖し、虫歯の原因となる食物の残渣やプラークが裂溝に停滞するのを防ぎます。一度封鎖された裂溝は2年間では80%の虫歯を予防し、4年間では50%の虫歯を予防した、という研究も報告されており有効な手段です。シーラントは第一大臼歯に限らず全ての臼歯の裂溝た前歯の溝などの虫歯予防に有効です。また萌出直後の歯は歯質が十分に成熟していないため、萌出直後2-3年の虫歯リスクが高い時期に早期にシーラントを行うことが大切です。

虫歯対策にシーラント

④フッ化物歯面塗布

フッ化物による虫歯予防は、歯の表面にフッ素イオンを作用させ酸によって溶けにくい歯質にすることによって達成されます。特にフッ化物歯面塗布は高濃度のフッ化物イオンを作用させ有効とされています。生えたばかりの歯はフッ化物イオンへの反応性が高く、歯表面へのフッ素の取り込み量が大きいため、歯の萌出直後に行うのが効果的です。また虫歯になりやすいのは歯の放出後2-3年の間とされているため、その前に継続したフッ化物歯面塗布を行う必要があります。1歳では乳前歯、2-4歳では乳臼歯、5-7歳で第一大臼歯、永久前歯、8-9歳で永久前歯、第一小臼歯、10-11歳で第一小臼歯、犬歯、12-13歳で第二大臼歯、第二小臼歯に行います。間隔としては3-6ヵ月ごとが効果的とされています。

*フッ化物応用

ブラッシングを中心とした口腔清掃が重要と前述しましたが、現在では「虫歯予防」に限定して言えばブラッシングよりフッ化物の応用が有効であるとされています。例えば歯の裂溝は歯ブラシの毛先では届かない狭さであり、ブラッシングだけでは限界があることがわかっています。重要なことは「1日2回以上のフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング」であるとされています。ただし子供に関してはその濃度に注意が必要です。6歳未満には500ppmのフッ化物配合歯磨剤を使用することが推奨されており、6-14歳には1,000ppmのフッ化物配合歯磨剤を使用するよう推奨されています。

フッ化物について

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