虫歯予防にキシリトールガム

「キシリトール」というのは、甘味料の一種です。甘味料の代表的なものでは、みなさんも良く知っている「砂糖」や「蜂蜜」「果糖」などがあります。
キシリトールもこれらと同じように甘みを感じる成分で、白樺や樫の木からとれる糖分から作られています。

キシリトールガムは、甘味料の一種「キシリトール」が配合されたガムという事です。

昔から「甘いものを食べると虫歯になる」と言われるように、「砂糖」や「蜂蜜」「果糖」を多量に摂取したり、ダラダラと長く摂取すると虫歯ができてしまいます。しかし「キシリトール」は虫歯の原因になりません。

キシリトールは、虫歯の原因にならないだけでなく虫歯菌（ミュータンス菌）の力を弱める働きがあります。

ミュータンス菌は、他の虫歯の原因になる糖と同じようにキシリトールを菌体内に取り込みますが、利用できないため菌体外に捨てます。そしてまたエネルギーを使って「取り込み」「捨てる」の繰り返しをします。

その結果、ミュータンス菌はエネルギーの無駄使いをして弱くなってしまいます。
弱くなったミュータンス菌は、増えにくいため虫歯になりにくくなります。

キシリトールは、カルシウムと結合し、歯の再石灰化を促します。「再石灰化」というのは、歯から溶け出したカルシウムやリンを、再び歯に取り込む作用のことです。

歯の成分が溶け出すことを「脱灰」というのですが、これは常に起こっています。食事をするたびに「脱灰」し、唾液の力で「再石灰化」する…という事を繰り返しています。

しかし、虫歯の原因となる糖をたくさん摂取したり、虫歯菌が歯にたくさん付着していると「脱灰」ばかりが進んでバランスが崩れてしまいます。そして虫歯ができてしまいます。キシリトールを摂取することで、このバランスが崩れるのを防ぎます。

取り入れやすいのは「キシリトールガム」です。スーパーや街の薬局、ネットでも簡単に購入することができます。ガム以外には、タブレットタイプもあります。

ガムがまだ食べられないお子さんや、ガムが苦手な方にオススメです。ミント系だけでなくフルーツ系の味のものもあるので、お好みで選ぶことができます。

キシリトールが50%以上配合されているものが良いと言われて居ます。製品パッケージに記載があるかチェックしてみましょう。

また、キシリトールが配合されていても、虫歯の原因になる「砂糖」や「水飴」も配合されていることがあります。虫歯になりやすくキシリトールを摂る意味が無くなってしまうので注意しましょう。

キシリトールは食べすぎると、お腹がゆるくなる事があります。毎食後に５〜１０g程度摂取する事が推奨されています。間違って多めに食べてしまっても重大な害作用があるわけではないですが、必要以上に食べ過ぎないよう、お腹がゆるくなりがちな方は特に注意しましょう。