虫歯を削る歯医者、削らない歯医者

「歯をたくさん削る歯医者」?

「歯をたくさん削る歯医者」の真相

「あの歯医者で歯をたくさん削られた」などという話やネット上での口コミを目にしたことがある方は少なくないのではないでしょうか。
実際のところ、健全な歯は可及的にそのまま削らず残し、虫歯を除去した部位を他の材料で補う、というのが歯科のセオリーです。 しかし残念ながら、全てが全てそれで終えられるわけではありません。健全な歯を削らなければならないこともあります。

虫歯を削る基準

う蝕検知液で虫歯かどうか判別

削る必要がある虫歯は茶色く、軟化しており、拡大下で見ると一目瞭然です。
しかし健全な歯との境界を最小限の切削で抑えるためには基準も必要です。色や硬さで判別ができない場合なども含め、う蝕検知液で虫歯の部分を染め出し、除去していくこともあります。 う蝕検知液は細菌感染している歯までは染まり、健全な部分は染まらない、というものです。

感覚のみで歯を削る場合、確かに歯を削りすぎたり、或いは虫歯を取り残したりする可能性があります。
う蝕検知液の色も常に明確とは限りませんが、虫歯を除去する基準としてう蝕検知液は有用です。

歯をたくさん削られる?

自分の思っているよりも虫歯が深い場合も…

歯医者は基本的に虫歯を削っているはずなのに、なぜ「歯をたくさん削られた」というようなことが起こるのでしょうか。
例えば写真のような虫歯があった場合、自分だったらどう思うでしょう。多くの患者さんが「小さな穴が空いている」という程度の認識で来院されるのではないでしょうか。

歯には外側のエナメル質と、その内側の象牙質という構造があります。エナメル質は人体で最も硬い組織であり、虫歯によって侵食されやすいのもエナメル質より象牙質です。つまり虫歯は、外見や自身が抱いている感覚的な印象よりも、内側に大きく広がっている傾向にあります。

歯が黒いと虫歯?

レントゲン写真で確認してみると…

先程の写真の虫歯も、レントゲン写真で見てみると印象がだいぶ違うのではないでしょうか。実際は歯の半分ほどが虫歯になっており、この歯の神経は死んでいたため根管治療が必要となりました。

患者さん自身が想定している(自覚している)虫歯の大きさと、実際に除去する必要のある虫歯の大きさのギャップが、「歯をたくさん削られた」という思いにつながってしまうのかもしれません。

虫歯の進行は比較的ゆっくりです。定期的に歯科医院で検査やクリーニングを行い、虫歯の早期発見、早期治療を行う必要があります。

根管治療

虫歯の分類

虫歯を進行度別に分類すると以下のようになります。

虫歯の進行度別の治療方法について

CO:歯の表面が白く濁っている初期の虫歯

最も初期の虫歯であり、歯の表面に白斑や不透明感、色素沈着があるものの、虫歯によって歯に穴ができているわけではないので、治療によって健全な状態に回復することが期待されます。

C1:歯の表面が溶け始めた虫歯

歯のエナメル質内に限局している虫歯です。痛みを感じることはありませんが、歯の表面が黒くなっている場合もあります。自然治癒はありません。

C2:歯の内側まで虫歯が達したもの

歯の象牙質まで虫歯が進行している状態で、多くの場合痛みがあります。表面のエナメル質を越え象牙質で虫歯が広がっているため、虫歯の部位は黒く見えます。

C3:歯の神経まで虫歯が達したもの

エナメル質と象牙質を越え、虫歯が神経に達している状態です。激しい痛みを感じることもあり、神経の処置が必要となります。

C4:根の部分だけが残っている虫歯

虫歯が進行し、歯の頭の部分はなくなり、根の部分のみ残ったような状態です。感染はしているものの神経が死んでいるため、痛みを感じないこともあります。
神経の治療を行い治療できる場合もありますが、虫歯の状態によって抜歯が必要になってくることもある段階です。

根管治療

虫歯の治療

虫歯の分類においては、COレベルは元の状態に戻ることも期待できますが、C1以上の虫歯に関しては自然治癒することはありません。基本的には虫歯を除去し、除去した部位を修復する必要があります。

虫歯の大きさや部位によって、CR修復、インレー、クラウンなどの治療を選択していきます。

虫歯を大きくしないために

歯科医院への定期的な通院

大きな虫歯を作らないために、できることを無理のない範囲で行うことが重要です。

定期的に歯科医院で検査、クリーニングを行うことは重要です。
お口の中のクリーニングの基本は日々のブラッシングなどセルフケアですが、歯科医院では、その方法が正しいのか、磨けていない部位はどこなのか、改善のために何が必要なのか、などのフィードバックも行われます。セルフケアをより効率的かつ有効なものにしていくためにも定期的な通院は大切です。もちろん、虫歯がある場合は早期に発見する機会にもなるため、早期に治療することができます。

予防歯科

ナイトガードの使用

虫歯の原因は、その部位ごとに異なります。 写真では赤くマークした部位が少し黒くなっているのがわかるかと思います。このように、歯と歯が接している部位にできる虫歯は、歯の表面のエナメル質に微細なヒビ割れが生じ、そのヒビに沿って細菌が感染するため虫歯ができる、ということがわかっています。

この写真の虫歯でも、拡大下で見るとヒビ割れがはっきりと確認できました。
そのヒビ割れの原因は歯ぎしり、食いしばりです。多くの場合、歯ぎしり、食いしばりのほとんどが夜間睡眠中に起こっています。そのためナイトガードの使用が必要なのです。

フロスの使用も重要ですが、ヒビ割れができてしまっては清掃に限界があります。ナイトガードで歯を守りながら、フロスなどで清掃を行うことが必要です。

「大きな虫歯があった」というケースにおいて、その多くは「大きな虫歯があることに気づいていなかった」可能性があります。
「虫歯があったのに気づきにくい部位」というのは、普段から磨きにくい部位という可能性もあります。

親知らずの生え方や、全体的な歯並びなど人それぞれ磨きにくい部位、磨くことができない部位があります。
抜歯や矯正も考慮しながら、フロスなど清掃補助器具や洗口剤の併用、歯科医院での定期検診など、原因を解消しながら早期に対処していくことが大切です。

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