歯の黒い着色は?

歯を磨いた後に口の中を確認したり、何気なくご自身の歯を見てみたり、など、人によって口の中への関心は異なります。普段あまり気になっていなかったのに、よくよく自分の歯を見てみると黒い点がある、黒ずんでいるなど、気になることがどんどん出てくるものです。歯の黒い着色は虫歯なのか、虫歯じゃないのか、歯医者に行った方がいいのか、治療が必要なのか、考えられる可能性を挙げていきます。
虫歯の分類
着色の原因が虫歯の場合、虫歯の進行度によって対処、治療が異なります。
CO
最も初期の虫歯であり、歯の表面に白斑や不透明感、色素沈着があるものの、虫歯によって歯に穴ができているわけではないので、治療によって健全な状態に回復することが期待されます。
C1
歯のエナメル質内に限局している虫歯です。痛みを感じることはありませんが、歯の表面が黒くなっている場合もあります。自然治癒はありません。
C2
歯の象牙質まで虫歯が進行している状態で、多くの場合痛みがあります。表面のエナメル質を越え象牙質で虫歯が広がっているため、虫歯の部位は黒く見えます。
C3
エナメル質と象牙質を越え、虫歯が神経に達している状態です。激しい痛みを感じることもあり、神経の処置が必要となります。
C4
虫歯が進行し、歯の頭の部分はなくなり、根の部分のみ残ったような状態です。感染はしているものの神経が死んでいるため、痛みを感じないこともあります。神経の治療を行い治療できる場合もありますが、虫歯の状態によって抜歯が必要になってくることもある段階です。
着色の原因が虫歯の場合

着色の原因が虫歯の場合、COは虫歯の前段階です。脱灰が生じているものの、虫歯によって歯が溶けているレベルではないので、フッ素塗布や日々の適切なブラッシングなどにより再石灰化が行われることで改善されます。COは唯一、自然に治癒が期待できる段階ですので、基本的には歯を削ることなく、再石灰化を図ります。
C1はエナメル質内に限局した虫歯です。治癒のためには虫歯を削り、その範囲を修復しなくてはなりません。
しかし、虫歯には「進行しているもの」と「進行が停止しているもの」があります。進行が停止しているものは、虫歯が初期の段階で進行停止し固くなっています。進行中の虫歯は歯が溶け、その部位を触ると柔らかくなっていることがあります。
進行中の虫歯も、進行が停止した虫歯も自然に治ることはないため、治癒のためには治療が必要ですが、進行が停止している虫歯の場合、定期的に状態を確認しながら経過を追っていくことも可能です。
CO〜C1が原因の着色

例えば、この写真は私自身の口の中です。奥歯にはCO〜C1レベルの初期虫歯が疑われる着色があります。しかし、少なくとも10年以上この状態のままであり進行している様子はありません。進行の停止している虫歯は処置せず様子を見ることも選択肢の一つです。治療が必要かどうかの一般的な基準としては
- ①虫歯による欠損部(穴)が認められる
- ②自覚症状がある
- ③見た目が気になる
- ④レントゲン検査などで虫歯が確認できる
- ⑤虫歯のリスクが高い(進行のリスクが高い)
などが挙げられ、上記の場合は虫歯を除去し修復治療を行います。
C2以上の虫歯の場合
虫歯の分類において、C2以上のものは治療が必要ですし、多くの場合は症状や何らかの不具合が生じているはずです。適切な検査を行った上で虫歯を除去し、修復治療を行う必要があります。
C2の場合は虫歯を除去した上で虫歯の大きさにより、CR修復、インレー修復、クラウン治療、場合によっては神経の治療が必要になります。
C3の場合は虫歯を除去した上で神経の治療を行い、インレー修復、クラウン治療を行います。
C4の場合の治療はC3の場合と似ていますが、虫歯が大きい場合が抜歯を検討せざるを得ないケースも多々あります。抜歯を行った場合、基本的には入れ歯、ブリッジ、インプラント治療のいずれかを選択し治療を行います。
着色の原因がステインの場合

歯の表面にはタバコやコーヒーなどの色素が沈着します。着色であれば基本的にはクリーニング、 PMTCで除去可能です。(着色除去目的のクリーニングは保険診療の範囲外となります。)ただし、歯の表面への着色ではなく、エナメル質内への色素の沈着はホワイトニングでなければ除去できません。ホワイトニングの効果は、歯の性質や着色の状況によって個人差が大きいため、気になる方は一度相談してみるのがいいかもしれません。
まとめ
歯の着色は必ずしも治療が必要とは限りません。しかしその着色が気になる場合、多くの場合は除去することができます。また、十分に検査してみたら治療が必要な虫歯だった、ということもあります。気になる方はぜひ一度歯科医院で相談してみることをお勧めいたします。
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