歯周病治療について

歯周病は症状がほとんど出ることなく、静かに進行します。そして、ある程度のレベルに達すると歯ぐきが腫れたり、血が出たりといった症状が出てきます。
歯周病は長い時間をかけて徐々に進行するため、治療にもある程度の時間がかかってしまいます。何回通えばいいの?いくらかかるの?と不安になりますよね。歯周病治療の流れに沿って、保険診療での治療費用について詳しく説明するので参考にしてください。
※2022年4月現在の保険点数です。
※歯科医院の保険医療機関としての施設基準により加算点数が異なることがあります。
歯周病治療の流れ
- 初診検査
- OHI
- スケーリング
- 再検査①
- SRP
- 再評価②
- 歯周外科
- 再評価③
- 歯周病安定期治療
①レントゲン(歯を支えている骨の状態や歯石の付着状況を確認します)。
②口腔内写真撮影(治療による歯ぐきの変化を比較確認するために撮影します)。
③歯周精密検査(歯周ポケットの深さ、炎症状態、歯の揺れ、汚れの付着具合の検査です)。
歯磨き指導だけでなく、歯周病に関係する生活習慣についてもお話をさせていただきます。
歯石取り(見える範囲の歯石を取り去ります。)
歯周精密検査(スケーリングによる治療効果を確認します)。
再検査①にて4mm以上の歯周ポケットが認められた歯に付着した歯石を取り去ります。
①歯周精密検査(SRPによる治療効果を検査します)。
②レントゲン(必要に応じて撮影することがあります)。
再検査②において5mm以上の歯周ポケットが認められた歯に対して、歯ぐきの手術を行います。
①歯周精密検査(歯周外科による効果を検査します)。
②レントゲン(必要に応じて撮影することがあります)。
歯周病が再発しないよう、継続的にメンテナンスを行います。
初診検査の費用

まず歯ぐきの状態を診断するために検査を行う必要があります。
歯周病治療を保険診療で行う場合:
- 歯式→残っている歯の状態を記録します。
- 歯周精密検査は1本の歯に対して4点以上の歯周ポケット深さ・歯ぐきからの出血・歯の揺れ・磨き残しの付着状況を検査します。なお、歯周精密検査は残っている歯の本数によって保険点数が異なります。
- 口腔内写真→正面・右・左・上顎・下顎の5枚の写真を撮影します。
- レントゲン→全体把握するためにパノラマレントゲン写真を撮影します。
※1枚のレントゲンで全体を撮影することが可能です。お口の中の全体像を把握することに長けているため、初診時に撮影することが多いです。しかし、細部が不鮮明になることがありますので、必要に応じて別の方法でのレントゲン写真を撮ることがあります(デンタルレントゲン)。
※横にスクロールできます。
項目 | 1~9歯 | 10~19歯 | 20歯以上 |
---|---|---|---|
初診料+外来環 | 264+23点 | 264+23点 | 264+23点 |
歯科疾患管理料 | 80+10点 | 80+10点 | 80+10点 |
レントゲン | 402点 | 402点 | 402点 |
歯周精密検査 | 100点 | 220点 | 400点 |
口腔内写真 | 50点 | 50点 | 50点 |
保険点数合計 | 929点 | 1,049点 | 1,229点 |
負担金(3割) | 2,790円 | 3,150円 | 3,690円 |
スケーリングの費用
初診検査後のスケーリングでは歯ぐきより上に付着している歯石を除去します。
付着している歯石の量によっては一度に終わらせることが困難なことがあります。
保険診療では上顎と下顎をそれぞれ1顎と数え、さらにそれを奥歯・前歯・奥歯と1/3顎ずつに分けて算定することになっています。
最初の1/3顎は72点で、1/3顎を増すごとに38点ずつ加算することとなっています。
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項目 | 上顎もしくは 下顎のみを行った場合 |
一度に全てを 行った場合 |
---|---|---|
再診+明細+外来環 | 56+1+3点 | 56+1+3点 |
スケーリング | 72+38×2 | 72+38×5 |
保険合計点数 | 208点 | 322点 |
負担金(3割) | 630円 | 970円 |
SRPの費用

スケーリング後の再検査で歯周ポケットが4mm以上ある場合、歯ぐきの中(歯周ポケット内)に入り込んだ歯石を除去します。歯ぐきの中に器具を挿入して行うため、痛みや出血を伴う場合があります。必要に応じて、麻酔をしながら処置をします。
歯ぐきの中を直接見ることができません。そのため、深い歯周ポケットや複雑な形をした歯ではSRPで歯石を全て取りきれないことがあります。
保険診療では前歯・小臼歯・大臼歯で保険点数が異なります。なお、保険診療のルールで1回で8本の歯しかSRPを行うことができません。28本全ての歯でSRPが必要な場合、少なくても4回の通院が必要になります。
※当日の費用負担は再診料(56+1点)+指導料・管理料+SRPを行った歯の本数の合計になります。
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項目 | SRP前歯 | SRP小臼歯 | SRP大臼歯 |
---|---|---|---|
保険点数 | 60 | 64 | 72 |
負担金(3割) | 180円 | 200円 | 220円 |
再検査の費用

保険診療では色々なことがルール化されていますが、再検査もそのルールの一つです。スケーリングやSRPを行ってから最低でも2週間空けてから再検査を行います。歯周精密検査は初診時のものと同じです。必要に応じて口腔内写真を撮ることがあります。
レントゲン写真をパーツごとに撮ることがあります。
デンタルレントゲン(14枚法)歯や歯を支える骨の状態を詳しく見るのに適したレントゲン写真です。フィルムを口の中に入れて撮影するため、パノラマレントゲンと比較すると大変です。
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項目 | 1~9歯 | 10~19歯 | 20歯以上 |
---|---|---|---|
再診+明細+外来環 | 56+1+3点 | 56+1+3点 | 56+1+3点 |
歯周精密検査 | 100点 | 220点 | 400点 |
口腔内写真 | 50点 | 50点 | 50点 |
保険点数合計 | 210点 | 330点 | 510点 |
負担金(3割) | 630円 | 990円 | 1,530円 |
デンタルレントゲン | 10枚法 | 14枚法 |
---|---|---|
保険点数 | 512点 | 552点 |
負担金(3割) | 1,540円 | 1,660円 |
歯周外科の費用
SRPを行った後、再検査を行い、歯周ポケットが5mm以上残っている場合に行います。
SRPは見えない歯周ポケット内を手探り状態で歯石を除去しています。そのため、歯石の取り残しにより歯周ポケットが改善されないことがあります。歯周外科では局所麻酔をした状態で歯ぐきを開き、直接見える状態で歯石を除去します。手術後は糸で縫いますので、10〜14日後くらいに抜糸を行います。
隣り合う歯が悪い場合は1回の手術で複数本の歯を同時に手術することがあります。
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項目 | 1本の手術場合 | 3本まとめて手術する場合 |
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再診+明細+外来環 | 56+1+3点 | 56+1+3点 |
歯肉剥離掻爬術 | 630点 | 630×3点 |
歯の一時的な固定 | 500+30点 | 500+30点 |
処方料(院外処方) | 68+5点 | 68+5点 |
保険点数合計 | 1,293点 | 2,553点 |
負担金(3割) | 3,880円 | 7,660円 |
歯の一時的な固定は手術部位が治ったら外します。その際は除去料30点(90円)と再診料等がかかります。
歯周病安定期治療の費用
歯周病の治療で重要なことは定期的にクリーニングや検査を行い、再発させず、安定した状態を維持することになります。治療直後では月1回ご来院いただき、病状が安定が認められたら、ご来院いただく間隔を長くしていきます。
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項目 | 1~9歯 | 19~19歯 | 20歯以上 |
---|---|---|---|
再診+明細+外来環 | 6+1+3点 | 56+1+3点 | 56+1+3点 |
歯科疾患管理料+長期加算 | 100+100点 | 100+100点 | 100+100点 |
歯周病安定期治療 | 200点 | 250点 | 350点 |
歯周精密検査 | 100点 | 220点 | 400点 |
口腔内写真 | 50点 | 50点 | <50点 |
保険点数合計 | 610点 | 780点 | 1,060点 |
負担金(3割) | 1,830円 | 2,340円 | 3,180円 |
まとめ
ここで紹介したのは、あくまでも保険診療で行う歯周病治療についてです。
保険診療では様々なルールがあるため、治療が制限され、通院回数が増えてしまうことがあります。
歯周病により瀕死状態の歯を救うためには保険診療を超えた治療が必要になることもありますので、治療方針を担当医とご相談ください。
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