春夏秋冬、朝晩、一年中マスクを使用する生活が続いています。
そんな中で皆さんは口臭が気になったことはありませんか?
マスク自体の臭いの原因は、
・雑菌による臭い(内側の湿度温度が高くなっているので雑菌が繁殖しやすい)
・唾液による臭い(着用時の会話や、くしゃみ、咳などによりついた唾液)
により、臭っているおそれがあります。
では、自分自身の口腔内はどうでしょうか?
口臭の種類は?
口臭には大きく分けて以下のような種類があります。
1.生理的口臭
誰にでもあるにおいで、主に起床直後、空腹時、緊張時に特に口臭が強まります。
原因は、唾液の分泌の減少です。唾液の分泌が減少したことにより、細菌が増殖して口臭の原因物質(揮発性硫黄化合物=VSC)がたくさん作られてしまいます。
歯磨きで細菌数を減らしたり、食事や水分補給で唾液量が増加すれば口臭は弱まるので、治療の必要はありません。生活習慣の見直し・改善が必要となります。
また、女性の生理や妊娠時などのホルモンバランスの変化や、乳幼児期・学童期・思春期・成人期・老齢期、年代固有の臭気(加齢臭)なども該当します。
病的口臭と異なり、本人も気づかないことがほとんどです。
2.飲食物・嗜好品口臭
…ニンニク、ネギ、酒、たばこ等による比較的においの強い飲食物・嗜好品の摂取による口臭。時間の経過とともに改善されるので、特に治療の必要はありません。
3.病的口臭
鼻やのどの病気、呼吸器系・消化器系・糖尿病・肝臓疾患などが原因で起こる場合がありますが、病的口臭の90%以上は口腔内にあります。
虫歯、歯垢(歯の周りにつく細菌の塊)、歯石、舌苔(歯の表面につくコケ上の細菌の塊)、唾液の減少、義歯の清掃不良などです。
病院、歯科医院にて口臭の原因を治療することが必要です。
4.心理的口臭
口臭は無いにもかかわらず、自分自身でにおいがあると思い込んでいる場合です。
口臭を予防するには?
自分に適した口臭対策はご存じですか?
口臭対策といっても、口臭の原因は人それぞれで、原因に合わせた対策が必要となります。
1.正しい歯磨き
日頃の歯磨きはとても有効な手段です。
特に時間をかけたいのは就寝前の歯磨きになります。
寝ている間は口腔内の唾液の分泌量が低下し、細菌が繁殖しやすいため、歯磨きをしないまま寝てしまうと、翌日、口臭を強くする原因となります。

2.舌苔除去
舌の上につく白い苔状の物の事を舌苔といいますが、この舌苔も口臭の原因となります。
舌苔の付き方には個人差がありますが、舌の清掃による舌苔の除去が有効な予防法となります。
なお、舌の清掃には専用の舌ブラシを使用するのがおすすめです。
目安は1日1回、多く行うと舌の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

3.虫歯や歯周病を治療
病的口臭の代表的なものとして歯周病があげられます。
歯周病の原因の多くが、揮発性硫黄化合物(VSC)をつくる嫌気性菌であるからです。
歯周病の他に、大きな虫歯や親知らず、粘膜の潰瘍等が原因で口臭が発生することもあります。
歯周病は虫歯と違ってほとんど痛みもなく進行します。
何も自覚がないのに家族等から口臭を指摘されるようになったら歯周病が原因の可能性がありますので、歯科医院を受診し、検査を行いましょう。

4.食生活の改善
先ほども出てきた舌苔ですが、口臭を引き起こす舌苔の原因になりがちなのが食生活。
食生活は乱れていませんか?暴飲暴食や刺激物の摂り過ぎは消化不良を引き起こして、胃腸が荒れてしまいます。
胃腸が荒れると舌苔が厚くなる場合があるのです。
バランスの取れた食事を毎日規則正しく摂ることが大切です。
また、噛むことによって分泌される唾液が減ってしまうと、口臭が強くなる原因にもなります。
噛み応えのある食材を取り入れ、よく噛み唾液の分泌を促しましょう。

5.鼻呼吸
口腔内の乾燥を防ぐため、鼻で呼吸することも重要です。
口呼吸をしているとすぐに口が乾燥してしまいます。無意識のうちに口呼吸になっていることもあります。
口呼吸をしていて口の中が乾燥しやすい人は、鼻呼吸を意識してみましょう。
また鼻の疾患が原因で鼻呼吸ができないことも多いため、耳鼻科などを受診してみることもおすすめします。

6.禁煙
煙草を吸っていると唾液の分泌量の減少および、歯肉の血流減少がみられます。
唾液が減ることで、口臭が悪化してしまいます。

7.唾液腺マッサージ
唾液腺のマッサージをすることで唾液量が増え、唾液による食べかすや歯垢などの汚れを洗い流す効果があります。
唾液は口腔内を清潔に保ち、口臭を予防するための重要な役割を担っています。
主なマッサージ箇所
・耳下腺
耳の前(上の奥歯あたり)付近にある唾液腺です。
個々に数本指をあてて後ろから前へ向かって、円を描くように指全体でやさしくマッサージを行います。
・顎下腺
顎の骨の内側のやわらかい部分にある唾液腺です。
ここに親指をあて、耳の下から顎の下まで、5箇所ほどに分けて順に押します。各ポイントゆっくり5回くらいを目安に押します、
・舌下線
舌下線は顎のとがった部分の内側のくぼみにある唾液線です。
両手の親指をそろえ、顎の真下から舌を突き上げるように10回ほど上方向にゆっくり押し上げます。
日常生活の中で、「自分は口臭がきついのではないか?」「嫌われるかも?」など心配になりすぎてストレスが溜まってしまうと、ストレスにより口臭が強くなったり、自臭症になってしまうリスクもあります。
人は誰でもある程度の口臭はあります。
体調によって口臭の強さが変わることもあります。
まずは毎日のオーラルケアをしっかりと行う。
並行して歯科医院での治療であったり、ご自身が続けられそうな口臭ケアを取り入れて、行っていくことが重要となります。