根管治療で
治らない歯の治療方法について
歯がズキズキと痛む
虫歯などを引き起こす細菌が、歯の神経(歯髄)まで、あるいはその付近まで侵入すると炎症を起こしてしまい、場合によっては歯髄を除去する治療を行う必要があります。
根管治療という処置をしますが、通常の根管治療では治らない場合もあり、外科的な治療を行うことで抜歯をせずに自身の歯を残すことが出来る可能性もあります。
実際に行う外科治療の方法
① 歯根端切除術
非外科的な根管治療を行っても、症状が改善しなかった場合に行う処置です。根尖部(根の先)にたまった悪い部分(膿の袋)を外科的に切除する方法です。歯の全体を抜歯するのではなく、歯ぐきを切開しそこから歯の一部だけを取り除き症状の改善を図ります。
一般的には根が1つの前歯、小臼歯に対して行われることが多い傾向にあります。また、大きな土台が入っていて、土台が長く除去する事が困難な場合に歯根端切除術が行われる場合もあります。

歯根端切除術のメリット
- 歯の根の先に病巣ができてしまい、従来ならば抜歯となるケースでも抜歯をせずに治療が可能。自身の歯が残せる可能性がある。
- 日帰り処置が可能。
- 明視野で病巣部を直接取り除ける。成功率が高くなる
- 補綴物を外さなくても治療が可能。(根管治療は歯の内側からの治療なので、補綴物を外さないといけない)
- 条件によるが、保険診療が可能。
歯根端切除術のデメリット
- 外科処置の為、痛みが出る場合がある。(術中は麻酔により痛みはなし。施術後に麻酔の効果がなくなると、痛みが出る場合があります。その際の痛みは、痛み止めの服用でしのげる範囲です。)
- 施術後、個人差はありますが違和感の出る期間があります。(長い方で約半年ほど)
- 主に前歯から小臼歯の歯が適応になることが多い。
② 意図的再植
まず歯の「再植」とは、外傷や事故などで歯が抜けてしまった歯を元の場所に戻す方法です。
インプラントや義歯とは異なり自身の歯を使用します。生体に対して優しいため、条件が合えば歯の機能も活かすことが出来る、有効な方法と言えます。今回は再植の中でも「意図的再植」について説明いたします。
- 外科処置の為、痛みが出る場合がある。(術中は麻酔により痛みはなし。施術後に麻酔の効果がなくなると、痛みが出る場合があります。その際の痛みは、痛み止めの服用でしのげる範囲です。)
- 施術後、個人差はありますが違和感の出る期間があります。(長い方で約半年ほど)
- 主に前歯から小臼歯の歯が適応になることが多い。
② 意図的再植
まず歯の「再植」とは、外傷や事故などで歯が抜けてしまった歯を元の場所に戻す方法です。
インプラントや義歯とは異なり自身の歯を使用します。生体に対して優しいため、条件が合えば歯の機能も活かすことが出来る、有効な方法と言えます。今回は再植の中でも「意図的再植」について説明いたします。

意図的再植とは、治療のために戦略的に再植するという方法です。非外科的な根管治療を行っても症状が治らなかった場合や、歯の根の先の部分に大きな歯根嚢胞が出来ていた場合に、一度わざと歯を抜き、細菌感染した部分の病巣を取り除き綺麗にて、元の場所に戻します。
また、虫歯が歯ぐきの深い部分に出来ていた場合には、一度歯を抜いたら90°または180°向きを変えて、虫歯に感染した歯質を歯ぐきより上に持ってきて再植する方法もあります。
歯の状態によっては、必ず成功するという保証はありませんが、歯根膜(歯根と骨との間にある膜状の構造。線維性の結合組織が主体)がきちんと保存されていれば、一度抜いた歯でも再度歯はくっついてくれます。
意図的再植のメリット
- 歯を残せる可能性が上がる。根管治療、歯根端切除術出来ない歯でも適応になることがある。
- 日帰り処置が可能。
- 歯根が短い歯でも手術が可能。
- より確実に病巣の除去が可能。
- 条件によるが、保険診療が可能。
意図的再植のデメリット
- 外科治療となる。(一旦歯を抜いて、元の場所に戻すため)
- 元に戻した歯が治癒までの間に抜けてしまう可能性がある。
- 戻した歯が、骨と一体化してしまう(アンキローシス)可能性がある。
まとめ
歯根端切除術も意図的再植も、自身の歯と歯根膜を残すための手段として有効な治療方法であると言えます。
自身の歯は、永久に機能するというわけではないかもしれませんが、少しでも長く自身の歯を機能させるということは、抜歯に伴うお口の中のトラブル、変化を先延ばしに出来るということでもあり
ます。
歯の周りを支えている歯槽骨も歯(歯根)が残っていれば厚みが維持されます。入れ歯を使用されている場合は入れ歯が安定もしやすくなります。
天然の歯は、何ものにも代えがたいものです。当院では、可能な限り抜くことをせず、機能の維持、保存を優先とした治療を行っております。治療に関して、ご質問・ご不安な点など御座いましたらお気軽にご相談ください。