歯科医院に来院される理由として「歯が痛い」「歯ぐきが痛い」「定期健診」などがあります。それ以外に比較的多いのが「口内炎」です。
今回この記事を担当している私自身も口内炎がよくできます。小さかったものが合体して大きくなったりということも。中には口内炎はめったに出来ないという方もいらっしゃったりします。
では、実際口内炎が出来る原因や対策はどのようなものがあるのでしょうか?
Q. 口内炎が出来る原因は?
- ストレスや栄養不足などによる免疫力低下
- 口の中を噛むなどの物理的刺激
- ウイルス感染
- 入れ歯の不具合
- 他の病気の一症状
など、原因が不明な場合もあります。
Q. 口内炎の種類は?
アフタ性口内炎
一般的に最も多くみられる口内炎。潰瘍性口内炎ともいいます。
原因はハッキリとわかっていませんが、ストレスや疲れによる免疫力低下、睡眠不足、栄養不足(ビタミンB1の欠乏)などが考えられています。
赤く縁どられた丸くて白い潰瘍が、頬や舌、唇の内側、歯ぐきなどに発生。複数個出来ることもあります。通常は10日~2週間ほどで治ります。
何度も再発する、範囲が広い、なかなか治らないときは他の病気の一症状であったり、薬が原因の場合などもあるので、病院への受診を行いましょう。
カタル性口内炎
入れ歯や矯正器具の接触により出来たり、頬の内側を噛んでしまったとき、熱湯や薬品の刺激が原因で起こる物理的刺激が原因の口内炎です。
アフタ性口内炎は赤く縁どられて見た目がわかりやすいですが、カタル性口内炎は境界が不明瞭で、口の粘膜が赤く腫れたり水泡が出来たりし
ます。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で出来る口内炎もあります。単純ヘルペスウイルスへの感染による「ヘルペス性口内炎(口唇ヘルペス)」や、梅毒・淋病・クラミジアなど、性感染症によるものもあります。また。カビの一種であるカンジダ菌は、元々は口の中に存在する常在菌の一つですが、免疫力が落ちると増殖し「カンジダ性口内炎」を発症することがあります。
その他の口内炎
「アレルギー性口内炎」:
特定の食べ物や薬物、金属が刺激となってアレルギー反応を起こす口内炎
「ニコチン性口内炎」:
喫煙習慣により口の中が長期間熱にさらされることにより起こる口内炎
ニコチン性口内炎は、口の中の粘膜や舌に白斑ができ、癌に変化するおそれもあります。
Q. 口内炎が悪化する仕組みは?
まず、口内炎は口の中の様々な部分に起こります。
歯ぐきにできたもの…歯肉炎
舌に出来たもの…舌炎
唇の裏などに出来たもの…口唇炎
口角にできたもの…口角炎
幹部は潰瘍になったり、水疱になったりします。
悪化する仕組み
- 粘膜を正常に保つためのビタミン不足
- 疲労
- ストレス
- ウイルス感染
- 外的刺激
これらによりタンパク質分解酵素の一種プラスミンが発生
増え続けたプラスミンによって、炎症や痛みのもとがでて、血管を拡張します。炎症を起こした血管からは、炎症や痛みのもととなる物質が漏れやすくなるので、痛みが発生する原因となります。
炎症が続くと、粘膜の表面がびらんのような状態になります。そしてさらにえぐられることによって口内炎が出来てしまいます。
Q. 口内炎が出来た場合の
対応は?
まず、お口の中を清潔に保つことが大前提です。栄養を摂っても、お薬を塗っても、お口の中が汚いと同じ事の繰り返しになってしまいます。
普段から口腔ケアをしっかり行い、清潔を保つようにしましょう。とはいっても、口内炎が出来てしまった場合はどのように対処すればよいのでしょうか?
対応
- 歯磨きをする際にゴシゴシ磨いていませんか?力を加えて磨くとぐきを傷めてしまい細菌が入る原因となります。
- 矯正中の方や入れ歯を使用されている場合など、器具が粘膜に当たることにより口内炎が出来る場合があります。必要に応じて治療を受ける必要があります。
- ビタミンB群を多く摂取する。口内炎はビタミンBが不足するとできやすくなります。またビタミンB群(特にビタミンB12、B6)を積極的に摂ると治りやすいとも言われています。
- 炎症や殺菌、消毒成分が含まれた塗薬する。口内炎の種類によっては飲み薬が処方されます。
- 口内炎パッチ(貼るタイプの口内炎治療薬)を使用します。
- しっかりと睡眠を取り、バランスの取れた食事をとり、免疫力を付ける。基本的なことですが効果があるといえ
ます。
Q. 要注意の症状は?
- 口内炎のような症状が2週間以上治ら
ない - 舌にしびれやしこりを感じる
- 腫れものから出血することがある
- 腫れものと周囲の粘膜の境目が曖昧になっている
当てはまる症状があれば、病院にかかりましょう。口内炎ではない可能性があります。季節の変わり目は体調管理が難しく、体調を崩しやすいので特に注意が必要です。