Column歯のコラム

2021.08.25

「噛む」ということ

噛む回数が激減している現代人 「よく噛んで食べる」ということを普段意識していますか? 忙しい現代では、食事の時間がおろそかになってしまうことも多く、噛む回数が少なくて済むような食品が主流になり、やわらかい料理やお菓子などが好まれるようになりました。様々な時代の食事を再現し、その食事の1回あたりの咀嚼回数の平均を調べると以下のようになります。 弥生時代 鎌倉時代 20世紀初頭 現代 1食の噛む回数 3990回 2654回 1420回 620回 所要時間 51分 29分 22分 11分 現代の咀嚼回数は100年前に比べて半分になり、弥生時代と比べるとわずか1/6回になってしまいました。こうした咀嚼回数の減少は、私たちの健康にたくさんの悪影響を及ぼしてしまいます。 早食いは百害あって一利なし 特に、日常的に「早食い」をしている方は要注意! 早食いは「満腹感を得られず食べ過ぎて肥満になる」「消化不良を起こし、内臓に負担がかかる」「唾液が分泌されず口臭の原因となる」「リラックスできず、自律神経が乱れる」など様々な不調に繋がります。 早食いの癖のある方は、よく噛んでゆっくり食事をするように意識してみましょう。 よく噛んで得られるメリット 肥満防止とストレス解消…よく噛んで食べると、満腹感が得られ食べ過ぎを防ぎます。また、ゆったりと楽しい食事が出来ることで、緊張をほぐし、精神を安定させてストレス解消につながります。 虫歯・歯周病の予防 噛むほどに唾液の分泌が良くなり、唾液に含まれる免疫物質が細菌を減少させるため、口の中が清潔に保たれるので、虫歯や歯周病の予防に繋がります。(ただし、しっかりとお口の中の汚れは取らないといけないので、歯ブラシは必ず行いましょう) 歯周病について 食べ物の消化・吸収によい 食べ物を口の中でよく噛んでいると、唾液の分泌が促されます。唾液には消化酵素の素の「アミラーゼ」を含んでいます。このアミラーゼの効果により、食べ物が胃腸に入った後も、スムーズな消化吸収を手助けしてくれます。 がんや老化の予防 唾液に含まれる「ペルオキシダーゼ」というたんぱく質には、発がん性物質の働きを抑える効果があります。活性酸素を抑える働きもあるので、老化予防にもなります。 脳を刺激して認知症予防 味覚を感じる事や、よく噛むということは、頭の骨や筋肉が動き、血液の流れが良くなることで脳神経に刺激も与えます。脳が活発になることにより、認知症予防になります。 顔の筋肉を引き締める 噛む力を鍛えると、顔のたるみを改善することができます。噛み方に偏りがないように左右バランスよく噛むことが大切です。表情筋を鍛えることで、顔が明るい印象になります。 よく噛むための工夫や注意点 食事の工夫 スプーンよりお箸を使う 具が入っているスープや汁物はスプーンは使わずに箸で具材を食べると流し込みを防ぐことが出来、しっかりと噛んで食べられるようになります。 スプーンを使う場合は具材が小さめの物を選び、一口の量を少なくして食べるようにしましょう。 また、ずっと箸を持ったままにしていませんか?ずっと箸を持ったままにするとついつい早食いになってしまいます。口に食べ物を入れたら、いったん箸を置く。それだけでも早食いを抑えられます。 飲み物を飲むタイミングにご注意! 食事中の飲み物は、食べ物をよく噛まないままでの流し込みにつながります。また、胃酸が薄まって消化に時間がかかり胃への負担になるので、飲み物は出来るだけ食事前や食事の後に摂るようにするのがオススメです。 「ながら食べ」を控える スマホを操作しながら、テレビを見ながらなど、何かをしながら食べると噛む回数が減る傾向にあります。食事の時間はできるだけ食べることに集中しましょう。 調理の工夫 噛み応えのある食材を選ぶ 歯ごたえがある食材を選ぶと自然と噛む回数も増えます。また、噛み応えのない料理には歯ごたえのある食材をプラスするのも良い方法です。 具材の切り方を工夫する 具材は小さいとそのまま飲み込んでしまえるので、具材は大きく厚く切るのが望ましいです。また、野菜の繊維は断ち切るのではなく、繊維に沿うようにして切ると、しっかりと噛まなくてはならなくなるため、噛む回数も自然と増えます。 歯ごたえを残す調理法 「野菜は火を通すより生」「肉や魚は煮るよ焼く」など、歯ごたえが残る調理法を取り入れましょう。 今ある歯を大切に!「8020(ハチマルニイマル)運動」 よく噛んでおいしく食べるためには、何よりも今ある歯を大切にしなければなりません。厚生省と日本歯科医師会が推進している8020運動。これは「80歳までに20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、楽しく健康的な食生活をほぼ問題なく送ることが出来ると言われています。 よく噛むことを意識し、日々のお手入れをしっかりと続けて、80歳までに20本以上歯を残すことを目指しましょう!

2021.08.19

治療体験記(インレー治療の流れ)

今回ご案内する治療の流れはインレー(つめ物)の治療の流れになります。 患者さまの治療の目的として、歯が痛い、欠けた、白くしたいなど理由は様々ですが、今回のケースは右上の奥歯の銀のインレーをセラミックインレーにする治療となります。 実際、虫歯になっている、痛いなどの症状がないと皆さんは治療を行うことは少ないかと思いますが、痛みはないけれども銀の詰め物なので色が気になって…というご相談もあり、白い詰め物に変える患者様も実は多いです。 治療の流れ ① 局所麻酔から 当院は電動の麻酔注射器を導入しており、昔の歯科医院で行っていた手動で行う麻酔よりも痛みが軽減しており、また35G(ゲージ)というとても細い注射針を使用していることも痛み軽減のポイントです。 痛みに弱い方には表面に塗る麻酔もあります。表面麻酔を塗ってから麻酔を行うとより痛みが軽減できます。 麻酔は唇側と口蓋側とそれぞれ行います。徐々に麻酔が効いてきて感覚が部分的になくなります。麻酔の中に心拍数が上がる成分が入っているので少し心拍数は早くなります。(麻酔の作用なので心配する必要はありません)ちなみに、麻酔はなめるとわかりますが苦いです。 ② 銀のインレー除去、歯の形を整える 麻酔が効いてきたら、銀のインレーを除去していきます。 今回除去する銀の詰め物は5年以上経過していて劣化してきているので、症状はなくても実際に取り除いてみたら中で虫歯が広がっていた!ということもあります。今回のケースは虫歯には、ほぼなっていませんでした。 念には念を入れて虫歯がないか、虫歯があれば取り除いて取り残しがないがチェックします。 麻酔が効いているか確認して、歯を削る治療のスタートです。銀歯を削られるときに響くような感じがあります。同時に歯医院独特の機械音。 あのキュイ――――ンという機械の高い音が苦手な方も多いのではないでしょうか? 患者さまの中には耳栓をしたり、音楽を聴きながら治療をされる方もいらっしゃいますので、音が苦手!という場合は遠慮なくご相談ください。 ③ 型取り 歯の形を整え終わったら、いよいよ型取りです。この工程が苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか?型取りの際に嘔吐反射といって、型取りの際にえずくような反応を起こす場合があります。その際は患者様の負担が少なくなるように素材の固さや治療する際の頭の位置など配慮して行いますのでご安心ください。 お口の中の唾液や水分を風で乾燥させてから、ほんのり温かい医療用の寒天とケーキのデコレーションに使う生クリームよりも少し固い印象材を使い型取りを行います。お口の中に入れて噛むこと約2分。固まったのを確認して取り外します。そして噛み合わせの確認も必要となるので板ガムくらいの固さのワックスをギュッと噛みます。 ④ 色の確認 今回はセラミックインレーということで、実際に作る詰め物の色を決めるべく口腔内の写真を撮ります。(シェード写真) 先ほど型取りをしたものと、このシェード写真を基に技工士が詰め物の作成を行います。 詰め物の完成を待つ間は治療した歯が凍みたり、食事の際にものが詰まったりしないように仮蓋をします。直接口腔内で仮蓋をつくりますが、すこしアルコールのような匂いと辛みはありますが、すぐになくなります。ガムやキャラメルなどの粘着性のものを摂取すると仮蓋が取れてしまうことがありますので、控えることをオススメします。 蓋といってもあくまで仮です。自身の歯よりも素材はやわらかいので強く噛むと押し込むような形になり、痛みを感じてしまうことがあります。 ⑤ セット 技工士に出した詰め物はおおよそ1週間ほどで完成します。(本数や素材などにより作成期間は異なります) 歯を大きめに削っているので、凍みてしまう可能性があるので少しだけ麻酔を行います。麻酔後、詰め物が取れないように、つける前に噛み合わせの確認をします。噛み合わせの調整を行い、詰め物の素材に合わせた接着剤にてつけます。接着剤でつけた後、再度噛み合わせの確認をします。この時にはまだ少し麻酔が効いているので、噛み合わせがわかりずらいことも稀にありますが、麻酔が切れた後に噛み合わせに違和感を感じても調整は出来ますのでご安心下さい。 ⑥ 終了 詰め物のセットが終了したら、最後に確認して終了です。治療回数は最短で2回。期間は1週間~2週間の間くらいです。 今回はセラミックにてインレーを製作しましたが、インレーの種類はいくつかありますので、カウンセリングの際にそれぞれのインレーに関して説明をおこなわせて頂き、その上でご検討いただいて、進めていきたいと思います。 ご不明な点等はお気軽にスタッフにご相談ください!

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