Column歯のコラム

2021.09.06

酸蝕症について

酸蝕症とは 酸蝕症という言葉を聞いたことはありますか? そもそも酸蝕症とは? 酸蝕症とは、酸によって歯が溶ける症状のことをいいます。 虫歯は、虫歯菌がエサとなる糖を分解するときに作る酸で歯が溶けます。 同じ歯が溶けるという表現をしましたが、大きく違うのは酸蝕症は細菌が関与しないということです。 歯磨きでは予防出来ない病気で男女関係なく、子供から高齢者まで罹患する可能性があります。 近年は虫歯、歯周病に次ぐ生活習慣病として注目されています。 2014年に発表されたデータによると、酸蝕症の罹患率は26.1%であり、日本国民のおよそ4人に1人という計算になります。 酸蝕症チェックリスト まずは酸蝕症かセルフチェックをしてみましょう。 □ 寝酒の習慣がある □ 冷たいものや熱いもので、しみる歯がある □ 口の渇きを感じることがある □ 胸やけがすることがある □ 炭酸飲料をよく飲む □ 歯ブラシの硬さは「硬め」を使う □ 歯を力強く磨く □ 研磨剤が入った歯磨き粉を使用する □ 柑橘類をよく食べる □ 逆流性食道炎になったことがある 以上の項目でいくつ当てはまりましたか? 酸蝕症チェックリスト結果 ☑ が1~3個 酸蝕症の可能性は低いでしょう ☑ が4~7個 酸蝕症の可能性がある ☑ が7~10個 酸蝕症の可能性が非常に高い では実際の症状や原因、対策はどのようなものがあるのか、ご説明します。 まず原因についてです。 酸蝕症の原因 体内から口の中に酸が出てくるによる内因性のもの、酸性度の高い飲食物を口にするなど外因性のものの2つに分けられます。 内因性 ・胃酸(逆流性食道炎、摂食障害、アルコール依存症など) 外因性 ・酸性の薬剤(ビタミン剤、サプリメント、アスピリン等) ・酸の強い食品の摂取(清涼飲料水、スポーツドリンク、フルーツ、クエン酸など) 下記の図はエナメル質の臨界pHを示したものになります。(エナメル質の臨界pH=エナメル質の溶けだす境界) 象牙質でpH6.0~6.2、エナメル質でpH5.5以下が目安となります。 日常生活の中で、好んで摂取しているものはありますか? この図を見ると、酸がいかに歯を溶かすリスクが高いかがわかります。 次に実際どのような症状があるのかご説明します。歯の表面を覆っているエナメル質は、リン酸カルシウムで出来ている人体でもっとも硬い組織です。ただし、強い酸に触れると分解し溶けてしまう性質があります。エナメル質が溶けてしまうと、その下にある象牙質がむき出し状態になってしまい噛んだりしたりするときの摩擦ですり減ってしまいます。このような状態を放っておくと以下のような症状がみられます。 症状 知覚過敏を起こして、冷たいものが凍みやすい 歯が削れて(溶けて)丸みを帯びる エナメル質が濁って見えたり、内部の象牙質が透けて見えたりする 前歯の先端部分が透けており、ヒビが入ったり、欠けたり、ざらついたりする 酸により歯が溶けることで、奥歯のすり減りが加速し、深い溝やへこみが見られる 詰めたもの、被せたものが取れやすくなる。 酸性の食品を摂取してはいけないというわけではありません。酸性の飲食物は健康に良いとされている物も多いので、摂取しないというわけにもいきません。 対応策がいくつかありますので、ご説明します。 対応策 ダラダラ食べ、チビチビ飲みをしない 酸の影響を少なくするには、摂取する回数を少なくすることです。口に含んでいる時間も長くならないよう溜め込まないようにしましょう。 就寝前に食べる・飲むは控える 唾液には歯の*再石灰化をする働きがあります。 (*再石灰化とは、唾液に豊富に含まれるリン酸イオンやカルシウムイオンがエナメル質の表層下に浸透して、失われた部分に再び補充されることをいいます) 唾液は就寝中は量が少なくなり、再石灰化が行われません。そのため唾液の量が少なくなる就寝前は、酸性の飲食物は控えるようにしましょう。 口の中に酸性の物が触れた直後には歯磨きをしない。 酸性の物に触れた直後の歯は柔らかくなっているため、30分程度時間を置くか、お水で洗口してから歯磨きをするようにしましょう。 唾液の緩衝能(唾液を正常なpHに保とうとする働き)を増強する。 乳製品など、脱灰を阻害するカルシウムやリンを含む食品を酸性食品と同時もしくは食後に摂取することがオススメです。また、無糖(無糖がポイント)の飴やガムなどを食べて唾液を出し、再石灰化を促すのも効果的です。 フッ化物を活用 虫歯だけでなく、酸蝕症にもフッ素は有効です。歯磨剤や洗口剤はフッ素入りをしようしましょう。また、牛乳のタンパク質から作られた天然由来成分であるリカルデント(CCP-ACP)も酸蝕症に有効です。 健康的な食生活を変える必要はありません。定期的に歯の健康状態のチェックおよび対策を取り入れて、日々の食事を楽しみましょう。

2021.08.26

マタニティーのママと子供の歯について

子供の歯を育てるのは、おなかの中から始まっています 妊娠期は、赤ちゃんのためにも普段以上に口腔ケアが重要になる時期です。 お母さんの健康はもちろんですが、家族の理解と協力も不可欠です。 赤ちゃんがお腹にいるうちから家族みんなで子供の歯の健康について考えてみませんか? 意識を高めることが大切です。 妊娠期はホルモンの変化などで口腔トラブルが起きやすい 妊娠中は胎児の成長に伴い、母体に様々な変化が起こります。 歯や歯茎も例外ではありません。妊娠により、虫歯や歯周病のリスクが上昇します。 原因は女性ホルモンの増加にあります。女性ホルモンが増えると、それを好む歯周病の原因菌が増殖、唾液の粘性も増加します。そうなると、唾液の持っている自浄作用が弱まり、口の中の衛生状態が悪化しがちです。 これに、つわりの時期には歯磨きが辛かったり、胃が圧迫されて妊娠後期は食事を少量ずつ分割して食べるようになるなど妊婦特有の事情も加わり、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。 また、妊婦の歯周病は早産や低体重児出産の原因になることがあります。歯周病のある妊婦はそうでない妊婦に比べて、低体重児早産リスクは2.83倍、早産は2.27倍、低体重出産は4.03倍高くなることが解っています。 早産などの原因になるのは、主に歯周病ですが、そうならないためにも、妊娠中は普段以上に口腔ケアに気を配ることが大切です。 妊娠中(特につわりの時期)は、ちょっとした刺激でも吐き気を感じやすくなっています。歯ブラシは奥まで入れても違和感の少ない頭の部分が細くて小さいものがおすすめです。(あえて子供用を使うのも一つの方法です。)磨くときはやや下向きの姿勢で磨くと、喉の奥に唾液がたまることがなく、比較的楽に歯磨きを行うことができます。 妊娠期に出来る事 乳歯が生え始めるのは生後6~8カ月ころからですが、妊娠期からできることもあります。 一つは歯の形成を助ける栄養素を十分摂取すること。 乳歯のもとになる歯の芽(歯胚)がつくられ始めるのは妊娠7週目ころからになります。 妊娠4~5カ月に入ると、カルシウムやリンが付着して硬い組織になり乳歯が出来上がっていきます。同時に永久歯の歯胚形成も始まります。 丈夫な歯を育てる栄養素 丈夫な歯を育てる栄養素としてはカルシウムとリン他に ビタミンD、ビタミンE…カルシウム、リンの体内吸収を促進する。一緒に摂取することで、より高い効果が期待できる たんぱく質…歯胚の形成にかかせない またお口の中の写真を撮影し、その変化を分かりやすく記録します。 ビタミンA、ビタミンC…エナメル質と象牙質の基礎つくりサプリメントに頼らず、つわりが治ったら栄養バランスのよい食事を意識することが大切です。 妊娠時は歯の健康を考えるチャンス つわりが終わるころを目安に献身を受けることをお勧めします。 もう一つは、お母さん自身が妊娠期間中から歯の健康を保つことです。 この時期に受けておけば、仮に治療が必要になった場合でも安定期(妊娠5~7カ月)のうちに終わり、安心して出産を迎えることができます。また、虫歯治療が必要でない場合でも、お口の健康を保つためにクリーニングなどケアをするのもお勧めです。 ちなみにお母さんだけでなく、家族全員がミュータンス菌の感染源になることもあります。ミュータンス菌の定着時期は乳歯の奥歯が生えてくる1歳半~2歳ころが多いと言われています。そのため家族も、虫歯の治療はもちろん、口につけたものを与えない(自身の使用したスプーンや箸で食べ物を与えるなど)など、家族全員の協力が必要となります。 家族全員で赤ちゃんの歯を守りましょう! 小児診療について

2021.08.25

「噛む」ということ

噛む回数が激減している現代人 「よく噛んで食べる」ということを普段意識していますか? 忙しい現代では、食事の時間がおろそかになってしまうことも多く、噛む回数が少なくて済むような食品が主流になり、やわらかい料理やお菓子などが好まれるようになりました。様々な時代の食事を再現し、その食事の1回あたりの咀嚼回数の平均を調べると以下のようになります。 弥生時代 鎌倉時代 20世紀初頭 現代 1食の噛む回数 3990回 2654回 1420回 620回 所要時間 51分 29分 22分 11分 現代の咀嚼回数は100年前に比べて半分になり、弥生時代と比べるとわずか1/6回になってしまいました。こうした咀嚼回数の減少は、私たちの健康にたくさんの悪影響を及ぼしてしまいます。 早食いは百害あって一利なし 特に、日常的に「早食い」をしている方は要注意! 早食いは「満腹感を得られず食べ過ぎて肥満になる」「消化不良を起こし、内臓に負担がかかる」「唾液が分泌されず口臭の原因となる」「リラックスできず、自律神経が乱れる」など様々な不調に繋がります。 早食いの癖のある方は、よく噛んでゆっくり食事をするように意識してみましょう。 よく噛んで得られるメリット 肥満防止とストレス解消…よく噛んで食べると、満腹感が得られ食べ過ぎを防ぎます。また、ゆったりと楽しい食事が出来ることで、緊張をほぐし、精神を安定させてストレス解消につながります。 虫歯・歯周病の予防 噛むほどに唾液の分泌が良くなり、唾液に含まれる免疫物質が細菌を減少させるため、口の中が清潔に保たれるので、虫歯や歯周病の予防に繋がります。(ただし、しっかりとお口の中の汚れは取らないといけないので、歯ブラシは必ず行いましょう) 歯周病について 食べ物の消化・吸収によい 食べ物を口の中でよく噛んでいると、唾液の分泌が促されます。唾液には消化酵素の素の「アミラーゼ」を含んでいます。このアミラーゼの効果により、食べ物が胃腸に入った後も、スムーズな消化吸収を手助けしてくれます。 がんや老化の予防 唾液に含まれる「ペルオキシダーゼ」というたんぱく質には、発がん性物質の働きを抑える効果があります。活性酸素を抑える働きもあるので、老化予防にもなります。 脳を刺激して認知症予防 味覚を感じる事や、よく噛むということは、頭の骨や筋肉が動き、血液の流れが良くなることで脳神経に刺激も与えます。脳が活発になることにより、認知症予防になります。 顔の筋肉を引き締める 噛む力を鍛えると、顔のたるみを改善することができます。噛み方に偏りがないように左右バランスよく噛むことが大切です。表情筋を鍛えることで、顔が明るい印象になります。 よく噛むための工夫や注意点 食事の工夫 スプーンよりお箸を使う 具が入っているスープや汁物はスプーンは使わずに箸で具材を食べると流し込みを防ぐことが出来、しっかりと噛んで食べられるようになります。 スプーンを使う場合は具材が小さめの物を選び、一口の量を少なくして食べるようにしましょう。 また、ずっと箸を持ったままにしていませんか?ずっと箸を持ったままにするとついつい早食いになってしまいます。口に食べ物を入れたら、いったん箸を置く。それだけでも早食いを抑えられます。 飲み物を飲むタイミングにご注意! 食事中の飲み物は、食べ物をよく噛まないままでの流し込みにつながります。また、胃酸が薄まって消化に時間がかかり胃への負担になるので、飲み物は出来るだけ食事前や食事の後に摂るようにするのがオススメです。 「ながら食べ」を控える スマホを操作しながら、テレビを見ながらなど、何かをしながら食べると噛む回数が減る傾向にあります。食事の時間はできるだけ食べることに集中しましょう。 調理の工夫 噛み応えのある食材を選ぶ 歯ごたえがある食材を選ぶと自然と噛む回数も増えます。また、噛み応えのない料理には歯ごたえのある食材をプラスするのも良い方法です。 具材の切り方を工夫する 具材は小さいとそのまま飲み込んでしまえるので、具材は大きく厚く切るのが望ましいです。また、野菜の繊維は断ち切るのではなく、繊維に沿うようにして切ると、しっかりと噛まなくてはならなくなるため、噛む回数も自然と増えます。 歯ごたえを残す調理法 「野菜は火を通すより生」「肉や魚は煮るよ焼く」など、歯ごたえが残る調理法を取り入れましょう。 今ある歯を大切に!「8020(ハチマルニイマル)運動」 よく噛んでおいしく食べるためには、何よりも今ある歯を大切にしなければなりません。厚生省と日本歯科医師会が推進している8020運動。これは「80歳までに20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、楽しく健康的な食生活をほぼ問題なく送ることが出来ると言われています。 よく噛むことを意識し、日々のお手入れをしっかりと続けて、80歳までに20本以上歯を残すことを目指しましょう!

2021.08.19

治療体験記(インレー治療の流れ)

今回ご案内する治療の流れはインレー(つめ物)の治療の流れになります。 患者さまの治療の目的として、歯が痛い、欠けた、白くしたいなど理由は様々ですが、今回のケースは右上の奥歯の銀のインレーをセラミックインレーにする治療となります。 実際、虫歯になっている、痛いなどの症状がないと皆さんは治療を行うことは少ないかと思いますが、痛みはないけれども銀の詰め物なので色が気になって…というご相談もあり、白い詰め物に変える患者様も実は多いです。 治療の流れ ① 局所麻酔から 当院は電動の麻酔注射器を導入しており、昔の歯科医院で行っていた手動で行う麻酔よりも痛みが軽減しており、また35G(ゲージ)というとても細い注射針を使用していることも痛み軽減のポイントです。 痛みに弱い方には表面に塗る麻酔もあります。表面麻酔を塗ってから麻酔を行うとより痛みが軽減できます。 麻酔は唇側と口蓋側とそれぞれ行います。徐々に麻酔が効いてきて感覚が部分的になくなります。麻酔の中に心拍数が上がる成分が入っているので少し心拍数は早くなります。(麻酔の作用なので心配する必要はありません)ちなみに、麻酔はなめるとわかりますが苦いです。 ② 銀のインレー除去、歯の形を整える 麻酔が効いてきたら、銀のインレーを除去していきます。 今回除去する銀の詰め物は5年以上経過していて劣化してきているので、症状はなくても実際に取り除いてみたら中で虫歯が広がっていた!ということもあります。今回のケースは虫歯には、ほぼなっていませんでした。 念には念を入れて虫歯がないか、虫歯があれば取り除いて取り残しがないがチェックします。 麻酔が効いているか確認して、歯を削る治療のスタートです。銀歯を削られるときに響くような感じがあります。同時に歯医院独特の機械音。 あのキュイ――――ンという機械の高い音が苦手な方も多いのではないでしょうか? 患者さまの中には耳栓をしたり、音楽を聴きながら治療をされる方もいらっしゃいますので、音が苦手!という場合は遠慮なくご相談ください。 ③ 型取り 歯の形を整え終わったら、いよいよ型取りです。この工程が苦手な方もいらっしゃるのではないでしょうか?型取りの際に嘔吐反射といって、型取りの際にえずくような反応を起こす場合があります。その際は患者様の負担が少なくなるように素材の固さや治療する際の頭の位置など配慮して行いますのでご安心ください。 お口の中の唾液や水分を風で乾燥させてから、ほんのり温かい医療用の寒天とケーキのデコレーションに使う生クリームよりも少し固い印象材を使い型取りを行います。お口の中に入れて噛むこと約2分。固まったのを確認して取り外します。そして噛み合わせの確認も必要となるので板ガムくらいの固さのワックスをギュッと噛みます。 ④ 色の確認 今回はセラミックインレーということで、実際に作る詰め物の色を決めるべく口腔内の写真を撮ります。(シェード写真) 先ほど型取りをしたものと、このシェード写真を基に技工士が詰め物の作成を行います。 詰め物の完成を待つ間は治療した歯が凍みたり、食事の際にものが詰まったりしないように仮蓋をします。直接口腔内で仮蓋をつくりますが、すこしアルコールのような匂いと辛みはありますが、すぐになくなります。ガムやキャラメルなどの粘着性のものを摂取すると仮蓋が取れてしまうことがありますので、控えることをオススメします。 蓋といってもあくまで仮です。自身の歯よりも素材はやわらかいので強く噛むと押し込むような形になり、痛みを感じてしまうことがあります。 ⑤ セット 技工士に出した詰め物はおおよそ1週間ほどで完成します。(本数や素材などにより作成期間は異なります) 歯を大きめに削っているので、凍みてしまう可能性があるので少しだけ麻酔を行います。麻酔後、詰め物が取れないように、つける前に噛み合わせの確認をします。噛み合わせの調整を行い、詰め物の素材に合わせた接着剤にてつけます。接着剤でつけた後、再度噛み合わせの確認をします。この時にはまだ少し麻酔が効いているので、噛み合わせがわかりずらいことも稀にありますが、麻酔が切れた後に噛み合わせに違和感を感じても調整は出来ますのでご安心下さい。 ⑥ 終了 詰め物のセットが終了したら、最後に確認して終了です。治療回数は最短で2回。期間は1週間~2週間の間くらいです。 今回はセラミックにてインレーを製作しましたが、インレーの種類はいくつかありますので、カウンセリングの際にそれぞれのインレーに関して説明をおこなわせて頂き、その上でご検討いただいて、進めていきたいと思います。 ご不明な点等はお気軽にスタッフにご相談ください!

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