Column歯のコラム

2022.03.04

歯は抜くしかない?

根管治療で治らない歯の治療方法について 歯がズキズキと痛む 虫歯などを引き起こす細菌が、歯の神経(歯髄)まで、あるいはその付近まで侵入すると炎症を起こしてしまい、場合によっては歯髄を除去する治療を行う必要があります。 根管治療という処置をしますが、通常の根管治療では治らない場合もあり、外科的な治療を行うことで抜歯をせずに自身の歯を残すことが出来る可能性もあります。 根管治療について根管治療のコラム 実際に行う外科治療の方法 ① 歯根端切除術 非外科的な根管治療を行っても、症状が改善しなかった場合に行う処置です。根尖部(根の先)にたまった悪い部分(膿の袋)を外科的に切除する方法です。歯の全体を抜歯するのではなく、歯ぐきを切開しそこから歯の一部だけを取り除き症状の改善を図ります。 一般的には根が1つの前歯、小臼歯に対して行われることが多い傾向にあります。また、大きな土台が入っていて、土台が長く除去する事が困難な場合に歯根端切除術が行われる場合もあります。 歯根端切除術のメリット 歯の根の先に病巣ができてしまい、従来ならば抜歯となるケースでも抜歯をせずに治療が可能。自身の歯が残せる可能性がある。 日帰り処置が可能。 明視野で病巣部を直接取り除ける。成功率が高くなる 補綴物を外さなくても治療が可能。(根管治療は歯の内側からの治療なので、補綴物を外さないといけない) 条件によるが、保険診療が可能。 歯根端切除術のデメリット 外科処置の為、痛みが出る場合がある。(術中は麻酔により痛みはなし。施術後に麻酔の効果がなくなると、痛みが出る場合があります。その際の痛みは、痛み止めの服用でしのげる範囲です。) 施術後、個人差はありますが違和感の出る期間があります。(長い方で約半年ほど) 主に前歯から小臼歯の歯が適応になることが多い。 ② 意図的再植 まず歯の「再植」とは、外傷や事故などで歯が抜けてしまった歯を元の場所に戻す方法です。 インプラントや義歯とは異なり自身の歯を使用します。生体に対して優しいため、条件が合えば歯の機能も活かすことが出来る、有効な方法と言えます。今回は再植の中でも「意図的再植」について説明いたします。 意図的再植とは、治療のために戦略的に再植するという方法です。非外科的な根管治療を行っても症状が治らなかった場合や、歯の根の先の部分に大きな歯根嚢胞が出来ていた場合に、一度わざと歯を抜き、細菌感染した部分の病巣を取り除き綺麗にて、元の場所に戻します。 また、虫歯が歯ぐきの深い部分に出来ていた場合には、一度歯を抜いたら90°または180°向きを変えて、虫歯に感染した歯質を歯ぐきより上に持ってきて再植する方法もあります。 歯の状態によっては、必ず成功するという保証はありませんが、歯根膜(歯根と骨との間にある膜状の構造。線維性の結合組織が主体)がきちんと保存されていれば、一度抜いた歯でも再度歯はくっついてくれます。 意図的再植のメリット 歯を残せる可能性が上がる。根管治療、歯根端切除術出来ない歯でも適応になることがある。 日帰り処置が可能。 歯根が短い歯でも手術が可能。 より確実に病巣の除去が可能。 条件によるが、保険診療が可能。 意図的再植のデメリット 外科治療となる。(一旦歯を抜いて、元の場所に戻すため) 元に戻した歯が治癒までの間に抜けてしまう可能性がある。 戻した歯が、骨と一体化してしまう(アンキローシス)可能性がある。 まとめ 歯根端切除術も意図的再植も、自身の歯と歯根膜を残すための手段として有効な治療方法であると言えます。 自身の歯は、永久に機能するというわけではないかもしれませんが、少しでも長く自身の歯を機能させるということは、抜歯に伴うお口の中のトラブル、変化を先延ばしに出来るということでもあります。 歯の周りを支えている歯槽骨も歯(歯根)が残っていれば厚みが維持されます。入れ歯を使用されている場合は入れ歯が安定もしやすくなります。 天然の歯は、何ものにも代えがたいものです。当院では、可能な限り抜くことをせず、機能の維持、保存を優先とした治療を行っております。治療に関して、ご質問・ご不安な点など御座いましたらお気軽にご相談ください。

2022.03.04

老化は口から!?
歯医者でアンチエイジング?

歯医者でアンチエイジングについて 今、ご自身は実年齢よりも若く見られていると思いますか?老けて見られていると思いますか? 実年齢よりも若く見られたいですか?老けて見られたいですか? いつまでも若々しい心と身体を維持したい、実際よりも若く見せたい・見られたい、長生きしたいと思われている方が多いかと思います。 そこで今回のテーマはアンチエイジングです! 一見、歯科とは関係ないように思えますが、実は歯科も関係があります。では実際にどのような関係があるのか、ご説明します。 そもそも「アンチエイジング」とは? 近年、アンチエイジングという言葉を雑誌やテレビ、インターネットなどから目にする機会が増えてきました。 アンチエイジングとはなにか? アンチエイジングとは「抗加齢」を意味する言葉です。実際の年齢に逆らうことは出来ないので、意味としては「抗老化」となります。見た目の老化と共に衰える身体の老化(エイジング曲線)を急激ではなくゆるやかにしていこうというものです。 アンチエイジング医学における歯科の領域としては、歯周炎や歯の消失、口腔乾燥症、口腔味覚障害などに対して取り組みを行っていきます。歯が心と身体の健康に及ぼす影響はとても大きく非常に重要です。健康的な生活を送るために必要不可欠な「食べる、飲む、笑う、話す」といった、根本的な要求を満たす事が必要とされます。 食事の際にしっかり噛めないと、おいしく味わうことが出来ず、食生活の質の低下につながります。また、口臭が気になったり、歯並びや歯の色が気になって、コミュニケーションに影響を及ぼすこともあります。 治療のポイント 笑った時にいかに美しく見えるか? 歯を削って型どりをして白いつめ物、かぶせ物を単純にいれるだけではなく、審美性にプラス機能性も考慮し総合的に見て、より美しい口元にしていきます。 ただ単に削って終わりではなく、歯の色や形はもちろん、噛み合わせや、患者様自身の歯ぐきの色や唇の色、フェイスラインなどトータルに診査診断して治療を行います。 1. 白くキレイな歯に 審美歯科治療:前歯のかぶせ物を白く美しく(クラウン治療)、メタルフリー治療 ホワイトニング:自身の元々の歯の色よりも、白く美しく 2. 歯並び・噛み合わせをキレイに 歯列矯正、歯列部分矯正 義歯(入れ歯) インプラント 歯ぎしり、くいしばり治療 3. その他(一般歯科) クリーニング 歯石除去 歯肉ケア 歯周病治療 当院の各治療のご案内 現在のご自身のお口の中の状態はご存じですか? お口のアンチエイジングと言っても、治療方法は様々です。 ご自身のお口を見て、何が気になりますか? 歯の色でしょうか? 歯並びでしょうか? つめ物、かぶせ物の色でしょうか? 歯ぐきの色でしょうか? 一つだけに限らず、複数の症状が気になられる方も多いかと思います。 老化を感じやすいのが、「目」と「口」からと言われています。見た目年齢はもちろん、様々な病気にならないように予防という観点からも歯科においてのアンチエイジングは重要となります。 今現在のご自身のお口の中の環境を理解すること、また、それに見合った治療内容でお口の中を整えることは、QOL(日常生活の質)を良くすることが可能となります。今後の快適な生活を送るのに役立つ歯科におけるアンチエイジング治療。 美しく若々しい歯や口元になることで、おいしく食事を摂ることもでき、自信をもって笑うこともできます。 心と身体をより健康に。 少しでも長く元気に生活できるように。 人生100年時代です。歯とお口の健康を、考えてみませんか?患者さまのお悩みに合わせて、治療プランのご提案をさせて頂きます。 ご相談、ご質問はお気軽にスタッフまでお申し付けください!

2022.01.19

根管治療について

歯がズキズキと痛む たとえば虫歯が原因で痛む場合、虫歯の進行状態によっては「根管治療」を行わないといけない場合があります。 同じ虫歯の治療でも、歯を部分的に削って詰め物を装着するインレー(詰め物)やコンポジットレジン充填(CR充填)、クラウン(かぶせ物)による治療は、皆さんが虫歯の時に行う治療の中でも比較的イメージされる内容ではないでしょうか? では、根管治療はどうでしょうか? 「歯の根っこの治療をします」と言われても実際治療のイメージが湧かないという患者さまもおられます。今回は、その「根管治療」についてです。 1. 根管治療が必要な症状とは? 虫歯が進行し、その感染が歯の神経(歯髄)まで及ぶと歯髄炎という状態になります。主な症状は、 冷たい物や温かいものがしみる 何もしなくても痛みを感じる この時点では正常な状態に戻ることもあれば、残念ながら歯髄への治療が必要になる歯髄炎があります。ちなみに神経(歯髄)が死んでしまうと、歯の変色や、噛むと痛みが出る、歯ぐきから膿が出るなどの症状がみられます。 2. 原因は何か? 主な原因は深い虫歯、歯の亀裂による細菌感染や、外傷の衝撃などです。炎症や感染を起こした歯髄をそのままにしておくと、歯やその周囲組織に痛みが出たり、根の周囲組織に炎症が広がってしまいます。場合によっては歯肉が腫れることもあります。 3. 具体的な治療方法は? 根管治療は根管の中の細菌を除去し、その状態を維持する為に封鎖する治療です。再度細菌が感染しにくい環境をつくる為に根管内の消毒を行います。 Step. 細菌感染により汚染された歯質除去を行います。 Step. 根管内を細い器具(ファイル)で拡大していきます。 Step. 根管の中を薬剤でキレイに洗い、消毒を行います。 Step. 症状の消失などが確認出来たら、根管内にゴムのようなもの(ガッタパーチャ)を詰め込みます。 Step. 詰め込んだガッタパーチャがきちんと根の先まで詰め込まれているか確認の為、レントゲン写真を撮影し、終了です。 ここまでの治療は、根管の形態や内部の状態・症状により治療回数は異なりますが、再度細菌感染が起こらないように最後まで通う必要があります。根管治療は治療が完了する前に痛みが消失することが多いため、通わなくなってしまう方がいるのも事実です。しかしそれでは、根管内に細菌が多く残存した状態になったり、再感染しやすい状態になってしまいます。再度、痛みや晴れを引き起こす可能性があるのです。 4. 抜歯が必要な場合も 根の先から炎症が周囲に波及し、周囲の骨が溶けていることがあります(根尖性歯周炎)。根の治療は行いますが、歯の根っこの先、あるいはその周囲の骨まで感染が進行し大きく骨が失われている場合は抜歯の対象となることもあります。 5. メリット・デメリットは?

2022.01.18

歯を抜いた後は…?

虫歯や歯周病などが原因で残念ながら歯を抜かなくてはいけなくなった場合、そのままにしておくと困ったことが起きてしまいます。 奥歯が1本抜けた状態の場合 隣の歯が倒れてくる(傾斜) 噛み合う歯が伸びてくる(挺出) 奥歯が数本抜けた状態の場合 噛み合う歯が伸びる(挺出) 前歯が広がる(突き上げ) 歯を抜いたまま放置しておくと、抜けた状態のままではなく周囲の歯が動き、上記のようなことが起こる可能性が高くなります。 歯は1本1本に役割があり、失ったまま長期間放置してしまうと、全体のバランスが崩れ、全身の健康にも影響を与えることがあります。 その為、抜歯した部分のスペースとその機能を補う治療をすることが大であり、その方法がいくつかありますのでご紹介いたします。 主な補填方法について インプラント ブリッジ 入れ歯(義歯) 移植 以上の4つになります。 治療方法その1「インプラント」 インプラントとは? 歯に人工の歯根を埋め、セラミックでできた被せものを被せる治療方法です。外科的な手術が必要ですが、健康な歯を削ることなく、天然の歯と同じように噛めるようになります。 <メリット> 両隣の歯を削る必要がない 骨に埋入されたインプラントが実際の歯根のような役割を行うので、自分の歯に近い感覚で噛むことが出来る 骨に埋入されたインプラント体が咬合を支えるので、他の歯への負担を増やさない 天然歯に近い審美性の回復が期待出来る <デメリット> 顎の骨が少ない場合は、インプラントを埋入する前に人工的に骨の造成が必要となる インプラント体を埋入後、インプラント体と骨が固定される期間が必要とある 治療のケースにより、長期間となる可能性あり 骨の成長途中にある若年者は行えない 外科的手術となる 保険適用外 治療方法その2「ブリッジ」 ブリッジとは? 失った歯の両隣の歯を削り、橋渡しをする方法です。違和感がなく噛むことが出来ますが、両隣の歯を大きく削り、支えとなる歯に負担がかかります。隣の歯の状態や失った歯の本数によっては適応とならない場合もあります。 <メリット> インプラントと比較して短期間で治療が終わる 保険適応のものがある <デメリット> 隣の歯を削らなくてはならない。たとえ虫歯になっていない健康な歯でも、削る必要がある 噛む力を少ない数の歯で支えるため、支えとなる歯への負担が大きくなる 噛む力は天然歯と比較すると、60~80%ほどとなる 治療方法その3「入れ歯(義歯)」 入れ歯とは? 取り外し式の補綴物です。取り外し式なので、お手入れがしやすいですが違和感が大きく、噛む力は天然の歯の20~30%ほどしかないと言われています。 <メリット> 取り外し可能なため、お手入れしやすい 入れ歯の多くは保険適応となる 1本~全顎まで製作が可能 インプラントに比べて治療期間が短い <デメリット> 噛む力は天然歯と比較すると20~30%ほどとなる 歯肉を切るなど外科処置が必要ない 持病を持った患者様でも装着できる 部分入れ歯は入れ歯の固定のために金属のバネを使用するので、見た目が目立つことがある(保険適応の場合) 治療方法その4「移植」 移植とは? 親知らずや骨の中に埋まっている歯などを抜歯し、対象部位へ移植する方法です。適応条件があり、成功率は約60%。5~10年もつと言われています。 <メリット> 自身の歯を使用することが出来る インプラントと違い歯根膜があるので、噛み応えや歯触りを感じやすい インプラント治療よりも手術の負担が少ない 保険適応になるケースがある <デメリット> 天然歯(自分自身の歯)のため、虫歯になるリスクがある 高齢者は不向き。40歳以上の場合は成功率が下がる場合がある 一定の条件を満たす必要がある <条件> 歯のサイズが移植する場所に合っている 歯の形が曲がっていたりと複雑ではないこと 出来るだけ虫歯がなく、歯周病等で歯根膜が少なくなっていない 可能であれば40歳以下(40歳以上の方が行えないというわけではない) 患者さまのお口の中の状態により、適した治療は異なりますが、抜歯後はそのままにするのではなく、適した治療を受け、長くおいしく食事が出来るようにしましょう! ご質問、ご相談はお気軽に担当医、スタッフにお声がけください。

2022.01.06

歯ぎしり・食いしばりについて

虫歯じゃないけど歯が痛い…なぜ? 「歯が痛いから歯医者に行こう。」歯が痛いから歯医者に行く。まさにその通りです。歯が痛いと、「虫歯かな?」と思われる方がほとんどだと思います。歯が痛いから歯医者を受診してみたけれど、原因は虫歯ではなかった。そんな時「日常生活で食いしばっていませんか?歯ぎしりしていませんか?」こんなことを聞かれたことはありませんか? 今回は歯の痛みと食いしばり・歯ぎしりの関連についてのお話です。今回コラムを担当させている私自身、朝起きて奥歯が悶絶するくらいの痛みを感じたことがあります。この時「絶対虫歯だ…」と冒頭に書いたように感じました。実際診てもらうと「食いしばりが原因です」と。 では食いしばりと歯ぎしり、それぞれどのように違うのでしょうか? 食いしばりとは? 食いしばりとは文字通り歯を食いしばる癖のことで、通常上の歯と下の歯は接していない状態なのですが、多くは無意識のうちに歯が接触し、さらには強い力で噛み合わせている状態であり、歯や歯ぐきを傷める原因になります。 歯ぎしりとは? 歯ぎしりとは、無意識に上下の歯をこすり合わせている状態であり、強い歯ぎしりの場合はギリギリなどの音を伴います。睡眠時に歯ぎしりをしていることを家族などに指摘されて、初めて歯ぎしりをしていることに気づく方も少なくありません。 歯ぎしり・食いしばりの原因 まず一つにストレスがあります。ストレスに対する生体の反応とされています。精神的・肉体的ストレス下にある場合、歯ぎしり・食いしばりの強さは増強されます。歯ぎしり・食いしばりをすることにより、生体はストレスを発散させていると言われています。他には、かみ合わせなどにより顎の筋肉の緊張がバランスを崩していることも影響を与えます。 虫歯を放置したままにしていませんか? 抜歯後の状態のまま放置していませんか? 高さが合わないかぶせ物を入れていませんか? これらが原因で噛み合わせの狂いを起こし、歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなっている場合もあります。 歯ぎしり、食いしばりは顎関節症や歯周病、知覚過敏などの様々な症状を引き起こす原因にもなってしまいます。 歯ぎしり、食いしばりを行っていると出てくる症状 1. 朝起きて「顎の関節が痛い」「顎がだるい感じがする」 顎の関節や周囲の筋肉に大きな負担がかかる為、朝目が覚めたときに筋肉の違和感や顎関節の痛みなどを感じていれば、寝ている間に歯ぎしり・食いしばりを行っている可能性が高いです。 2. 歯がすり減っている、歯が欠けている 歯は長く使い続けると自然にすり減りますが、歯ぎしり・食いしばりが強い方だと通常より早いペースで進んでいる場合があります。また、歯ぎしりをすると、歯に対して横方向に力が加わるので、歯だけでなく歯を支える骨や歯肉などの周囲組織にも力が加わります。歯ぎしり、食いしばりによって骨や歯肉に負担がかかることで歯周病に似た状態になったり、冷たい物が凍みるといった症状が出る場合もあります。 3. 歯ぐきに硬い「コブ」のようなものがある 歯ぐきに硬いコブのようなものがある人は、日常的に歯ぎしり、食いしばりを行っている可能性が高く、「骨隆起」と呼ばれる骨のコブが生じる場合があります。骨隆起自体は特に悪いものではないので、特に治療を行う必要はありませんが、ご自身で骨隆起の存在が気になったり、歯ブラシが行いにくかったり、食べものなどで歯ぐきを傷めてしまう可能性もあります。また、入れ歯を装着する際に障害となってしまう場合もあり、必要に応じ除去も可能です。 4. エラが張ってきた 骨格以外に咬筋と呼ばれる筋肉が発達し生じるケースです。咬筋は歯を噛み合わせる際に動く筋肉ですが、歯ぎしりや食いしばりで過度な力が加わると、筋肉が発達し(盛り上がり)、エラが張ったようなフェイスラインになりやすいと言われます。 5. 原因不明の肩こりや頭痛に悩まされる 顔や顎の周りの筋肉が常に緊張した状態になり、その緊張が長時間続くことでやがて首や肩の筋肉に影響を及ぼし、肩こりの原因となってしまいます。さらに緊張が続くことで脳へ繋がる血管の血流が悪くなってしまうので、頭痛や頭が重いといった症状が出てしまうことがあります。特に原因がないのに、肩こり・頭痛でお悩みの場合は、歯ぎしり・食いしばりが原因となっている場合がありますので、歯科医院を受診してみましょう。 対策 歯ぎしりにおいては根本的な解決に至るような治療方法が残念ながら確立されていません。しかしながらそのまま放置しておくこともできません。歯科医院で出来る対策の一つとして「マウスピースの装着」があります。寝ているときに装着し、歯や顎、筋肉に対する負担を減らします。また、日中のマウスピースを装着される患者様もいらっしゃいます。 あとはストレスをため込まない事です。リラックスできる時間は作れていますか?寝ている時に脳は何らかが原因で興奮した状態になり、無意識のうちに歯ぎしりを行い顎に負担をかけます。その原因の一つにストレスが関連しているとされています。過度にストレスをため込まないように、ストレス解消方法を見つけましょう。 歯ぎしり・食いしばりが気になる方は、ぜひ一度歯科医院での相談をしてみましょう。

2022.01.06

肩こり・頭痛の原因について

肩こりや頭痛を日常生活の中で感じていませんか? 改善する為にストレッチを行ってみたり、マッサージや服薬など、整形外科や神経内科、接骨院などを受診されることが多いのではないでしょうか? もしかしたら、その肩こりや頭痛は「歯」からきているかもしれません。 頭痛の分類 まず頭痛に関しては、いくつかに分類されます。 1. 一次性頭痛 緊張型頭痛…頭全体が締め付けられるような痛み。ストレスや、長時間同じ姿勢による身体的ストレスが原因で首や頭の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで怒ると考えられています。 片頭痛…ズキズキと脈打つような痛みが特徴。脳に血液を送る血管が拡張すると頭痛が起きやすくなります。ストレスや疲労、不規則な睡眠、天候の変化、女性ホルモンの変化なども原因となることがあります。 群発頭痛…左右どちらかの目の周囲からこめかみのあたりにかけての激しい痛みで、頭の片側に起こります。一度症状が出ると1~2カ月ほぼ毎日、同じ時間帯に頭痛が起きるようになります。 2. 二次性頭痛 何らかの病気が原因で起こる頭痛。二日酔いやアルコールが原因の場合もあれば、命の危険につながる病気(くも膜下出血、脳腫瘍、脳髄炎など)が原因の場合もあります。 歯並びが悪い場合や噛み合わせが悪い場合、咀嚼する際に顎に大きな負担となり、顎周囲の筋肉が緊張した状態になるため、血行が悪くなる可能性があります。その結果、肩や首の筋肉が緊張した状態になり、痛みが生じることがあります。 症状がひどくなると頭痛を引き起こす原因となるのです。ちなみに、歯並びが悪いまま放置していると、顎の関節にも影響して、顎関節症を発症するケースもあります。症状によっては、顎関節症そのものが頭痛の原因となる場合もあります。 肩こりの分類 次に肩こりについてですが、肩こりもまたいくつかに分類されます。肩こり痛の原因は日常生活の習慣にある場合が多いです。しかし、中には深刻な病気の症状として現れるケースもあります。 1. 日常生活が原因 姿勢の悪さ、運動不足、ストレス、眼精疲労などの生活習慣から生まれるものです。 2. 病気が原因 肩や関節の以上が原因の場合 肩や関節に何らかの異常があって痛みが生じる場合があり、例えば「五十肩」など。肩関節の周囲の組織に炎症が生じたことが原因です。 首や肩の骨が原因 「頚椎症」「椎間板ヘルニア」等の首や背中の病気の症状として、肩に痛みが出ている場合があります。 内臓疾患が原因 内科系の病気が原因の場合もあります。「脳動脈瘤」であれば肩以外にも頭痛や吐き気、めまいなど、「狭心症」や「心筋梗塞」の場合には、左胸や左肩、左腕、胸背部などに痛みを伴い、「糖尿病」「高血圧」「胆石症」などは肩こりの痛みの症状を伴います。 歯科における頭痛・肩こりの原因 では歯科における頭痛・肩こりの原因は何でしょう? 虫歯を放置していませんか? 虫歯や歯周病が原因で、歯を失ったままにしていませんか? 合わない入れ歯を使っていませんか? 放置したままにすると、噛み合わせに影響が出てしまい、肩こりや頭痛など広範囲に影響を及ぼしてしまう可能性があります。 また、「食いしばり」も頭痛・肩こりの原因ともされています。歯を食いしばると頭の横にある側頭筋が収縮しますが、その側頭筋が緊張状態になることで頭痛を引き起こすことがあります。それが日常的に続くと側頭筋や咬筋などを始めとした顎の周囲の筋肉が緊張状態になり、首や肩のこりの原因になることもあります。実は私たちの口は常に歯と歯が接しているわけではありません。むしろその逆で本来ならば歯と歯は離れています。 口は閉じていても、口の中は歯と歯が離れている状態になっているはずです。もし噛んでいるようならば、無意識のうちに上下の歯で食いしばっていたり、カチカチと歯と歯を接触させる癖がついているかもしれません。 頭痛・肩こりの原因は様々ですが、「歯の噛み合わせが原因かも?」と疑い、歯科に相談してみるのも一つの方法です。

2021.11.29

口臭について

春夏秋冬、朝晩、一年中マスクを使用する生活が続いています。 そんな中で皆さんは口臭が気になったことはありませんか? マスク自体の臭いの原因は、 ・雑菌による臭い(内側の湿度温度が高くなっているので雑菌が繁殖しやすい) ・唾液による臭い(着用時の会話や、くしゃみ、咳などによりついた唾液) により、臭っているおそれがあります。 では、自分自身の口腔内はどうでしょうか? 口臭の種類は? 口臭には大きく分けて以下のような種類があります。 1.生理的口臭 誰にでもあるにおいで、主に起床直後、空腹時、緊張時に特に口臭が強まります。 原因は、唾液の分泌の減少です。唾液の分泌が減少したことにより、細菌が増殖して口臭の原因物質(揮発性硫黄化合物=VSC)がたくさん作られてしまいます。 歯磨きで細菌数を減らしたり、食事や水分補給で唾液量が増加すれば口臭は弱まるので、治療の必要はありません。生活習慣の見直し・改善が必要となります。 また、女性の生理や妊娠時などのホルモンバランスの変化や、乳幼児期・学童期・思春期・成人期・老齢期、年代固有の臭気(加齢臭)なども該当します。 病的口臭と異なり、本人も気づかないことがほとんどです。 2.飲食物・嗜好品口臭 …ニンニク、ネギ、酒、たばこ等による比較的においの強い飲食物・嗜好品の摂取による口臭。時間の経過とともに改善されるので、特に治療の必要はありません。 3.病的口臭 鼻やのどの病気、呼吸器系・消化器系・糖尿病・肝臓疾患などが原因で起こる場合がありますが、病的口臭の90%以上は口腔内にあります。 虫歯、歯垢(歯の周りにつく細菌の塊)、歯石、舌苔(歯の表面につくコケ上の細菌の塊)、唾液の減少、義歯の清掃不良などです。病院、歯科医院にて口臭の原因を治療することが必要です。 4.心理的口臭 口臭は無いにもかかわらず、自分自身でにおいがあると思い込んでいる場合です。 口臭を予防するには? 自分に適した口臭対策はご存じですか?口臭対策といっても、口臭の原因は人それぞれで、原因に合わせた対策が必要となります。 1.正しい歯磨き 日頃の歯磨きはとても有効な手段です。特に時間をかけたいのは就寝前の歯磨きになります。 寝ている間は口腔内の唾液の分泌量が低下し、細菌が繁殖しやすいため、歯磨きをしないまま寝てしまうと、翌日、口臭を強くする原因となります。 2.舌苔除去 舌の上につく白い苔状の物の事を舌苔といいますが、この舌苔も口臭の原因となります。舌苔の付き方には個人差がありますが、舌の清掃による舌苔の除去が有効な予防法となります。 なお、舌の清掃には専用の舌ブラシを使用するのがおすすめです。目安は1日1回、多く行うと舌の粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。 3.虫歯や歯周病を治療 病的口臭の代表的なものとして歯周病があげられます。歯周病の原因の多くが、揮発性硫黄化合物(VSC)をつくる嫌気性菌であるからです。歯周病の他に、大きな虫歯や親知らず、粘膜の潰瘍等が原因で口臭が発生することもあります。 歯周病は虫歯と違ってほとんど痛みもなく進行します。何も自覚がないのに家族等から口臭を指摘されるようになったら歯周病が原因の可能性がありますので、歯科医院を受診し、検査を行いましょう。 4.食生活の改善 先ほども出てきた舌苔ですが、口臭を引き起こす舌苔の原因になりがちなのが食生活。食生活は乱れていませんか?暴飲暴食や刺激物の摂り過ぎは消化不良を引き起こして、胃腸が荒れてしまいます。胃腸が荒れると舌苔が厚くなる場合があるのです。 バランスの取れた食事を毎日規則正しく摂ることが大切です。また、噛むことによって分泌される唾液が減ってしまうと、口臭が強くなる原因にもなります。噛み応えのある食材を取り入れ、よく噛み唾液の分泌を促しましょう。 5.鼻呼吸 口腔内の乾燥を防ぐため、鼻で呼吸することも重要です。口呼吸をしているとすぐに口が乾燥してしまいます。無意識のうちに口呼吸になっていることもあります。 口呼吸をしていて口の中が乾燥しやすい人は、鼻呼吸を意識してみましょう。また鼻の疾患が原因で鼻呼吸ができないことも多いため、耳鼻科などを受診してみることもおすすめします。 6.禁煙 煙草を吸っていると唾液の分泌量の減少および、歯肉の血流減少がみられます。唾液が減ることで、口臭が悪化してしまいます。 7.唾液腺マッサージ 唾液腺のマッサージをすることで唾液量が増え、唾液による食べかすや歯垢などの汚れを洗い流す効果があります。 唾液は口腔内を清潔に保ち、口臭を予防するための重要な役割を担っています。 主なマッサージ箇所 ・耳下腺 耳の前(上の奥歯あたり)付近にある唾液腺です。個々に数本指をあてて後ろから前へ向かって、円を描くように指全体でやさしくマッサージを行います。 ・顎下腺 顎の骨の内側のやわらかい部分にある唾液腺です。ここに親指をあて、耳の下から顎の下まで、5箇所ほどに分けて順に押します。各ポイントゆっくり5回くらいを目安に押します、 ・舌下線 舌下線は顎のとがった部分の内側のくぼみにある唾液線です。両手の親指をそろえ、顎の真下から舌を突き上げるように10回ほど上方向にゆっくり押し上げます。 日常生活の中で、「自分は口臭がきついのではないか?」「嫌われるかも?」など心配になりすぎてストレスが溜まってしまうと、ストレスにより口臭が強くなったり、自臭症になってしまうリスクもあります。 人は誰でもある程度の口臭はあります。体調によって口臭の強さが変わることもあります。まずは毎日のオーラルケアをしっかりと行う。並行して歯科医院での治療であったり、ご自身が続けられそうな口臭ケアを取り入れて、行っていくことが重要となります。

2021.11.25

レントゲン写真の必要性は?

歯科医院を受診した際に「レントゲンの撮影をします」とほとんどの方が言われ、レントゲン撮影(X線検査)を経験しているかと思います。中には「歯科検診で痛くないのに、なぜレントゲン撮影するのだろう?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。レントゲンを撮影することは、歯科治療の診査・診断を行う上でとても大切な判断材料となります。 実際に歯科におけるレントゲンについてご説明させていただきます。 まず、主に初診時などに行うレントゲン撮影に用いられるのはパノラマ撮影です。お口の中の状態によりデンタル撮影、CT撮影を行います。視診や触診だけではわからない歯や歯ぐきの内部を確認するために、レントゲン撮影を行う必要があります。直接見られない部分を確認できることで、適切な処置やアドバイスにもつながります。 パノラマレントゲン写真 上下の歯全体が撮影されます。主に顎骨内部の病気の有無や虫歯や歯周病を全体的に見たり、親知らずや歯の生え変わり、顎関節などもチェックします。 デンタルレントゲン写真 隣り合った3~4歯の撮影を行います。パノラマ撮影よりもより微細な情報が得られ、お口の中を見ただけでは虫歯なのか確認することが難しい隠れた虫歯の発見や、歯を支えている骨(歯槽骨)の状態、治療過程の確認を行うのに適しています。 CT 口腔周囲の状況を三次元の立体画像で確認できます。レントゲンでは見えなかった顎の骨の状態や神経の位置なども確認できます。インプラントや親知らずの抜歯など精密な検査が必要な際に撮影します。 レントゲン画像は、硬い歯や骨は白く、歯ぐきや血管、神経などの軟らかい組織、虫歯は黒く見えます。また自覚症状のない歯周病の症状も確認できます。歯周病は進行すると歯槽骨が破壊されて溶けて吸収されてしまうので、骨の減り具合などの様子や進行の具合も把握することが可能です。 Q・ レントゲンの安全性は? 一般的にレントゲンと言われているものは放射線の一つであるX線を使った写真撮影です。歯科で行っているレントゲン撮影は結論から言うと安心して受けて頂けます。 放射線による被爆を心配される方も実際にいらっしゃいます。レントゲン撮影による被爆に関してご質問をいただいたこともあります。 そもそも放射線によるガンなどの悪性腫瘍の過剰発症は、年間100ミリシーベルト(mSv)を超えなければみられないと言われています。 歯科パノラマ撮影(1回)…0.03ミリシーベルト 歯科デンタル撮影(1枚)…0.01ミリシーベルト 歯科用CT(1回)…0.1ミリシーベルト この数値に対して、 東京~ニューヨーク(往復)…0.19ミリシーベルト 1人当たりの自然放射線(日本:年間平均)…1.5ミリシーベルト 1人当たりの自然放射線(世界:年間平均)…2.4ミリシーベルト このことから、歯科医院で使用するレントゲンの放射線量はかなり微量な放射線だということが分かります。 レントゲン撮影の際の注意事項 レントゲン撮影を行うにあたり、以下の2点が重要です。 1. 装飾品(貴金属類)は外す 装飾品を付けたままだ撮影するとレントゲンに映りこんでしまい、正しい診査診断が出来なくなってしまいます。 具体的には ピアス、イヤリング ネックレス ヘアピン 飾りのついたゴム、ピン 入れ歯 などが該当します。 2. 妊娠中は避ける 放射線から身体を守るための防護用の鉛入りエプロンを撮影時には着用していただきます。防護用エプロンを着用することで放射線量はほぼ防ぐことができます。しかしながら、100%胎児には影響が出ないとは言えないので、妊婦さんはレントゲン撮影を特に妊娠初期は控えることが望ましいかと思います。 妊娠している間の歯の治療に関しては、レントゲン撮影はもちろん、麻酔の使用に関して等も含め、担当医師へご相談ください。 レントゲン写真を撮っておくと、再度治療を始める際に以前の自身のお口の中の状態と比較することが出来、目視だけでは気づかなかった虫歯や歯周病の進行、お口の中の小さな変化や新たな治療箇所を発見することもあります。結果としては、早期発見、早期治療につながるので、治療期間や回数、治療を行う際に感じるストレスも軽減するかと思います。 レントゲンに対する不安等あればお気軽にご質問ください。安心して歯科治療を行って頂けたら幸いです。

2021.11.18

口腔がんについて

口内炎と舌癌はどう違うのか?口内炎のように見えていても、実際は舌癌の可能性も。 そもそも癌とは? 誰もなる可能性がある病気 現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんにかかると言われているほど身近な病気です。 がんは、禁煙や食生活の見直し、運動不足の解消などにより「なりにくくする、予防する」ことが可能とされています。しかしながら、心がけていても「ならないようにする」ことは出来ないのです。 がん(悪性腫瘍)と良性腫瘍 がんのことを「悪性腫瘍」ということもあります。腫瘍=体の中にできた細胞のかたまりです。 正常な細胞は状況に応じて増減をしますが、何らかの原因でできた異常な細胞が、身体の中に細胞の塊をつくることがあります。これが腫瘍です。 悪性腫瘍は、このような腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲に染み出るように広がったり(浸潤)、身体のあちこちに飛び火のように移り新しい塊をつくります(転移)。 浸潤や転移をせず、周囲の組織を押しのけるようにして、ゆっくりと増える。これが良性腫瘍と呼ばれるものです。 舌癌は、鏡を使って患部を直接見ることができる癌です。まずはセルフチェックを行ってみましょう。 セルフチェック 舌、特に下の横の面に異常がある ほほの内側に異常がある 歯肉に異常がある 舌と下の歯ぐきの間(口腔底)に異常がある 白色もしくは赤色の病変がある しこりがある 歯周病とは関連していない歯の動揺や出血がある 口内炎や潰瘍が3週間以上治らない 歯を抜いたあとの治りが悪い 嚥下痛、嚥下困難、嗄声が3週間以上続いている 口腔がんの自覚症状で最も多いのが口腔の痛みです。その他に、しこり、腫れ、ただれ、出血、歯のぐらつき、口臭などです。 初期の段階では痛みが少なく、痛みが出てきたときには進行しているケースが多く、舌や歯ぐきの盛り上がり、しこり、治らない口内炎等の症状には注意が必要です。気になる項目があったら、一度受診をしてみましょう。 Q. 口腔がんとは? 癌とはだれもがなる可能性のある病気であり、悪性と良性があることがご理解いただけたかとおもいますが、ではさらに口にフォーカスしてみましょう。 まず、口は 咀嚼(噛む) 嚥下(飲み込む) 声をだす など、生きていくうえで重要な働きをする器官です。その重要な働きをする器官を口腔がんから守るためにはどのようにしたら良いのでしょうか? そして、口腔がんとは、口腔(口の中全体)にできるがんの総称です。 「口腔がん」は出来る場所によって 舌がん 歯肉がん 口腔底がん 頬粘膜がん 口蓋がん 口唇がん の6つに分類されます。部位別では舌がんが最も多く、次いで歯肉がんとなります。 発生頻度はがん全体の1~3%程度となり、他のがんとは違い、自身で患部を直接見ることが出来るので早期発見しやすいがんと言えます。ただ、発生頻度が低い分一般的にあまり知られていないことが多く、進行するまで気づかなかったり、放置してしまうケースもみられなくなる方が急増しているのも事実です。 口腔がんは5年生存率は60~80%と言われています。初期症状のうちにいかに早く発見し治療するかが重要であり、早期発見であれば治療も比較的簡単に治すことができ後遺症もほとんどなく、5年生存率は90%以上とも言われています。 しかしながら、進行した口腔がんでは、手術により舌や顎の骨の切除が必要となり顔が変形することもあります。そのため食事や会話が困難になってしまい、日常の生活に大きな支障を残すことになりかねません。だからこそ、早期発見、早期治療が重要になります。 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録) 口腔がんは、日本全国で1年間に約11,400人が診断され、男女別でみると1年間に男性…約6,800人、女性…約4,700人と男性に多い傾向があります。年齢別でもっとも多いのは、60歳代です。また、口腔がんの約6割は舌がんとなります。 Q. 主な原因は? ① 喫煙 最大のリスク要因が喫煙です。これは口腔がんに関わらず、他のがんと同様です。喫煙者の口腔がん発生率は、非喫煙者の約7倍高く、死亡率は4倍高いという報告もがあります。 ② 飲酒 喫煙に次いでリスク要因となるのが飲酒です。特に50歳以上、毎日喫煙を吸い、なおかつお酒も飲まれる場合が最も危険とされています。飲酒時の喫煙は煙草に含まれている発がん性物質がアルコールにより溶けて、口腔粘膜に作用します。そのためよりリスクが高くなると考えられています。 ③ その他 お口の清掃不良、虫歯の放置、栄養不良、合わない入れ歯やかぶせ物などによる慢性的な刺激などもリスク要因として考えられます。 日頃からの注意事項 日頃から気をつけなければならないこととして、 タバコ、お酒は控える バランスのよい食生活 口の中を清潔に保つ 合わない入れ歯やかぶせ物などは治療をする 虫歯の適切な治療、入れ歯の調整、虫歯や歯周病を予防する為に定期的なクリーニングを行い、お口の中の清潔を保つことで口腔がんのリスクを下げることが可能です。同時にがんにならないためにも、生活習慣(煙草を吸わない、お酒を飲みすぎない、ストレス溜めない、食生活改善、適度な運動など)を心がけましょう。

2021.11.16

ガムピーリングの治療法について

ご自身の歯ぐきの黒ずみが気になったことはありませんか?歯を白くするホワイトニングがあるように、歯ぐきの色を改善するガムピーリングという方法があります。 ガムピーリングは歯ぐきの黒ずみや変色を除去する治療方法で、特殊な薬剤を塗ることで、歯ぐきの上皮の黒ずみの元となるメラニン除去を行い、その方の本来の健康的なピンク色の歯ぐきにする方法です。 *歯ぐきが黒くなる原因 喫煙 着色(コーヒー、紅茶、赤ワインなどの飲食物) 紫外線 遺伝的な原因 尚、かぶせ物の金属で沈着した黒ずみは、薬剤による除去は出来ません。遺伝的な場合は程度にもよりますが、改善がみられることもあります。 *このような方におすすめ 喫煙により歯ぐきが黒ずんでしまった 着色しやすい飲食部の摂取で黒ずんでしまった もともと、歯ぐきが黒っぽい ホワイトニングや被せものの治療後、さらに口元の美しさを求めたい 結婚式や成人式、就職活動などの行事や面接が控えている 治療を受けると歯ぐきがピンク色になっていくのに1週間ほどかかります。大切なイベントを控えていらっしゃる場合は14日以上前に施術を行うことをおすすめします。 *治療が受けられない方 使用する薬剤(フェノール剤やアルコール)にアレルギーのある方 妊娠中の方 歯肉炎や歯周病などにより、歯ぐきに炎症のある方 *注意事項 施術後、刺激の強い食べ物はお控えください(辛いもの、塩辛いもの、酸っぱいものなど) 個人差もありますが、生活習慣(コーヒーやお茶など)によって、後戻りする可能性がございます 金属のかぶせ物による着色には対応しておりません 個人差や生活状況により、黒ずみが再発することがあります *実際の施術 では,実際の施術の流れをご案内します。 ①カウンセリング お口の中をチェックし、注意事項の説明などを行います。 ②洗浄 まず、お口をクリーニングします。 ちなみに、クリーニングはガムピーリングに関係なく、定期的に行いましょう。 ガムピーリングの治療をご希望される方の中で特に多いのが喫煙されている方です。喫煙は歯ぐきの血液循環が悪くなり、着色の原因にもなります。 クリーニングをすることで、お口の中はスッキリしますし、歯がツルツルとなり、歯ぐきが健康になります。(もちろん煙草を吸われない方もクリーニングはオススメです)クリーニングを行い、お口の中をキレイにしてから歯ぐきに薬剤を塗布していきます。 クリーニングをすることで、お口の中はスッキリしますし、歯がツルツルとなり、歯ぐきが健康になります。(もちろん煙草を吸われない方もクリーニングはオススメです)クリーニングを行い、お口の中をキレイにしてから歯ぐきに薬剤を塗布していきます。 ③お薬の塗布 フェノール液というお薬を塗布し、白濁した部位の中和を行います(お薬をアルコール剤にてふき取ります。)その後洗浄、乾燥を行います。 この工程を数回繰り返します。お薬の塗布の際には、個人差がありますがヒリヒリとした痛みを伴うこともございます。必要に応じて表面麻酔も可能です。 ④経過観察 薬剤を塗布した後は歯ぐきが白濁します。 その後、白濁した部分は自然にはがれてきます。この時に、無理にはがしたりしないようにしましょう。自然にはがれるのを待ちます。歯ぐきの表面が一層はがれて綺麗な歯ぐきになるという仕組みです。 薬剤塗布当日 薬剤塗布3日後 ⑤終了 白濁した歯ぐきの部分がはがれた後、数日は赤みが残りますが徐々に落ち着いてきます。 個人差はありますが施術後1~2週間が目安です。 薬剤塗布1週間後 よく、「人は見た目が9割」と聞きますが、顔の表情が55%を占めます。 その中で歯並びがキレイ、歯の色が白くてキレイも重要ではありますが、歯ぐきの色に対してはどのように思われますか? どんなに白く美しい歯でも、歯ぐきの色が黒いと不健康に見えてしまい、悪い印象を与えがちです。 健康的・イキイキとした印象であったり、明るい印象や清潔感を与えるのに、歯ぐきも歯並びや歯の色と同様に重要です。 症例詳細はこちら

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