Column酸蝕症について

酸蝕症

酸蝕症とは

酸蝕症という言葉を聞いたことはありますか?
そもそも酸蝕症とは?
酸蝕症とは、酸によって歯が溶ける症状のことをいいます。
虫歯は、虫歯菌がエサとなる糖を分解するときに作る酸で歯が溶けます。
同じ歯が溶けるという表現をしましたが、大きく違うのは酸蝕症は細菌が関与しないということです。
歯磨きでは予防出来ない病気で男女関係なく、子供から高齢者まで罹患する可能性があります。
近年は虫歯、歯周病に次ぐ生活習慣病として注目されています。
2014年に発表されたデータによると、酸蝕症の罹患率は26.1%であり、日本国民のおよそ4人に1人という計算になります。

酸蝕症チェックリスト

まずは酸蝕症かセルフチェックをしてみましょう。

以上の項目でいくつ当てはまりましたか?

酸蝕症チェックリスト結果

では実際の症状や原因、対策はどのようなものがあるのか、ご説明します。

まず原因についてです。

酸蝕症の原因

体内から口の中に酸が出てくるによる内因性のもの、酸性度の高い飲食物を口にするなど外因性のものの2つに分けられます。

内因性
・胃酸(逆流性食道炎、摂食障害、アルコール依存症など)
外因性
・酸性の薬剤(ビタミン剤、サプリメント、アスピリン等)
・酸の強い食品の摂取(清涼飲料水、スポーツドリンク、フルーツ、クエン酸など)

下記の図はエナメル質の臨界pHを示したものになります。
(エナメル質の臨界pH=エナメル質の溶けだす境界)
象牙質でpH6.0~6.2、エナメル質でpH5.5以下が目安となります。
日常生活の中で、好んで摂取しているものはありますか?
この図を見ると、酸がいかに歯を溶かすリスクが高いかがわかります。

酸蝕症
酸蝕症

次に実際どのような症状があるのかご説明します。
歯の表面を覆っているエナメル質は、リン酸カルシウムで出来ている人体でもっとも硬い組織です。
ただし、強い酸に触れると分解し溶けてしまう性質があります。
エナメル質が溶けてしまうと、その下にある象牙質がむき出し状態になってしまい噛んだりしたりするときの摩擦ですり減ってしまいます。このような状態を放っておくと以下のような症状がみられます。

症状

酸性の食品を摂取してはいけないというわけではありません。酸性の飲食物は健康に良いとされている物も多いので、摂取しないというわけにもいきません。
対応策がいくつかありますので、ご説明します。

対応策

  1. ダラダラ食べ、チビチビ飲みをしない
    酸の影響を少なくするには、摂取する回数を少なくすることです。口に含んでいる時間も長くならないよう溜め込まないようにしましょう。
  2. 就寝前に食べる・飲むは控える
    唾液には歯の*再石灰化をする働きがあります。
    (*再石灰化とは、唾液に豊富に含まれるリン酸イオンやカルシウムイオンがエナメル質の表層下に浸透して、失われた部分に再び補充されることをいいます)
    唾液は就寝中は量が少なくなり、再石灰化が行われません。そのため唾液の量が少なくなる就寝前は、酸性の飲食物は控えるようにしましょう。
  3. 口の中に酸性の物が触れた直後には歯磨きをしない。
    酸性の物に触れた直後の歯は柔らかくなっているため、30分程度時間を置くか、お水で洗口してから歯磨きをするようにしましょう。
  4. 唾液の緩衝能(唾液を正常なpHに保とうとする働き)を増強する。
    乳製品など、脱灰を阻害するカルシウムやリンを含む食品を酸性食品と同時もしくは食後に摂取することがオススメです。また、無糖(無糖がポイント)の飴やガムなどを食べて唾液を出し、再石灰化を促すのも効果的です。
  5. フッ化物を活用
    虫歯だけでなく、酸蝕症にもフッ素は有効です。歯磨剤や洗口剤はフッ素入りをしようしましょう。また、牛乳のタンパク質から作られた天然由来成分であるリカルデント(CCP-ACP)も酸蝕症に有効です。

健康的な食生活を変える必要はありません。定期的に歯の健康状態のチェックおよび対策を取り入れて、日々の食事を楽しみましょう。

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