Column歯のコラム

2023.06.09

歯磨きだけでは不十分!?歯医者で歯のクリーニングが大切な理由

歯のクリーニングとは、歯医者さんが専用の器具を使って、歯に付いた歯垢や歯石を取り除くことです。 歯垢や歯石は、普段の歯磨きでは取り切れない場合があり、放置すると虫歯や歯周病の原因になることがあります。 そこで、定期的に歯医者さんでのクリーニングを受けることで、健康な口内環境を維持することができます。 歯のクリーニング 歯医者のクリーニングの料金 歯医者さんで行うクリーニングには、保険適用のものと自由診療のものがあります。それぞれの料金について説明します。 保険適用の場合 保険適用のクリーニングは、歯垢や歯石を取り除く治療です。 1回あたりの費用は、約1,000円前後(3割負担)です。 ※別途初診料等がかかります。 自由診療の場合 自由診療のクリーニングには、保険が適用されません。 しかし、保険適用のクリーニングとは違い、より丁寧な治療が受けられます。 当院の自由診療のクリーニングは、着色落とし5,500円と定期検診(歯石や着色の除去+虫歯のチェックなどを含みます)8,800円の2種類です。 保険と自費の違い 保険適用のクリーニングと自由診療のクリーニングには、どのような違いがあるのでしょうか? それぞれ解説します。 保険適用のクリーニングは治療が目的 保険適用のクリーニングは、歯周病の治療とそこから改善した状態の維持になります。 その歯周病の治療にあたるのが、歯垢や歯石を取り除くことです。 虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を取り除くことで、口臭の原因も取り除くことができます。 自由診療のクリーニング「PMTC」とは? 自由診療のクリーニングになるのは、治療目的の保険適用クリーニングとは違い、歯周病ではない健康な歯肉の方がクリーニングをしたい場合になります。 その中でも、特に人気があるのが「PMTC」と呼ばれるクリーニング方法です。 PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略称で、専用の機器を使って歯垢や歯石を除去する方法です。 PMTCは、通常のクリーニングとは異なり、歯科衛生士さんが手作業で行うことが多く、通常のクリーニングよりも時間がかかることがあります。 また、歯科医院によっては、PMTCを行う際には別途料金が必要な場合もあります。 保険と自費のクリーニングについて 歯のクリーニングで得られるメリット クリーニングには、以下のようなメリットがあります。 歯石が取れる 歯石とは、歯垢が長期間歯に付着して固まり、歯ブラシなどで落とせなくなったものです。 歯石は溜まると、口臭や歯周病の原因となり、表面がざらざらしているのでそこに更に汚れがたまりやすい環境になります。 歯科医師が専用の器具を使って、歯石を取り除いてくれるので、スッキリとした口内環境を維持することができます。 歯の美しさを取り戻す 歯の表面についた着色汚れや、コーヒーや紅茶などの色素を含む飲み物や、タバコなどが原因で、歯が黄ばんでしまうことがあります。 クリーニングでは、これらの汚れを専用の器具を使って取り除くことができます。 歯がきれいになることで、自信を持って笑顔を見せることができます。 虫歯や歯周病予防 歯垢や歯石がたまると、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。 また、歯周病は放置すると、最悪の場合、歯を失うことにもつながります。クリーニングを定期的に受けることで、これらの病気を予防することができます。 口臭予防 口臭は、歯周病や歯垢、歯石が原因となることが多いです。 クリーニングを定期的に受けることで、口内環境を整え、口臭を予防することができます。 歯のクリーニングで歯石・バイオフィルム除去! まとめ 歯のクリーニングは、歯医者さんが専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除く治療です。 普段の歯磨きでは取り切れない歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因になることがあります。 定期的に歯医者さんでのクリーニングを受けることで、健康な口内環境を維持することができます。 保険適用のクリーニングは、1回あたりの費用が約1,000前後(3割負担)で、1年に2回までが適用されます。 一方、自由診療のクリーニングには保険が適用されず、約5,500円~11,000円程度の費用がかかります。 クリーニングには、歯石を取り除くことで口臭や歯周病の予防、着色汚れや歯の黄ばみを取り除き美しくする、虫歯や歯周病の予防などのメリットがあります。 長らく歯医者にっていないという方はこの機会にぜひ、クリーニングでの来院をご検討ください。

2023.05.12

インプラント治療は保険適用になるの?

歯科治療におけるインプラント治療は、歯の治療方法の中でも最も高度なものの一つであり、その治療費も高額となることが多くあります。 インプラント治療には保険が適用される場合とされない場合がありますが、多くの場合、保険は適用されず、治療費は自己負担となります。 ここでは、インプラント治療における保険適用外の費用の内訳、保険適用になる例外、治療費支払いの負担を抑えるための方法について詳しく説明します。 インプラント 保険適用外 インプラント治療は高額なため、保険が適用されるかどうかが気になるところですが、基本的には保険適用外となります。 保険適用外の理由は、審美治療であることが大きな要因とされています。 費用の内訳 保険適用外となるため、インプラント治療の費用は患者自身が全額負担することになります。 一般的な治療費の相場は40万円から50万円程度で、病院によっては、技術力や設備の充実度によって、価格が異なることがあります。 また、手術に必要な検査や手術後の処置、定期的なメンテナンスにも費用がかかることがあるため、事前に確認しておくことが大切です。 保険適用になる例外 一般的には保険適用外となるインプラント治療ですが、例外的に保険適用となる場合があります。以下にその例外事項をまとめました。 一定以上の顎の骨がない場合 病気や第三者行為の事故によって顎の骨を広く失った場合や、生まれつき3分の1以上顎の骨がない、または形成不全である場合、保険が適用されることがあります。 また、「先天性欠損歯」といい、生まれつき永久歯が生えてこない歯が6本以上、または先天性欠損歯が連続して4本ある場合にも、2020年4月より保険適用が可能になりました。 ただし、顎の骨の状態によって、保険が適用されるかどうかは異なりますので、担当医師に確認することが大切です。 骨の欠損で保険の適用になるかどうかについては細かく基準が定められているため、保険適用になるケースはあまり多くありません。 条件を満たしている病院 一般の歯科医院でインプラント治療の保険適用はできません。 症状が条件に当てはまったとしても、保険診療で治療ができる病院自体が限られています。 かかりつけの歯科医院で保険適用になるケースの診断があった場合には、大学病院・総合病院等の設備基準を満たした病院への紹介になるでしょう。 治療費支払いの負担を抑えるために 保険適用外であるインプラント治療の費用は、患者自身が全額負担することになります。 そこで、治療費の負担を抑えるためには、以下のような方法があります。 インプラントの治療費、支払いのタイミング 一度に全額を支払うのは困難である場合、治療費の支払いを分割することができる病院もあります。 治療費を分割する際には、金利や手数料などの負担が発生する場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。 当院では30万円以上の契約の場合、契約時に半金をいただきますが、残りの半金は最後の上部構造と呼ばれる最終的なかぶせ物が入るまでにお支払いをいただきます。インプラント治療は治療期間が長い治療になりますのでお支払いの2分割が可能で、当院の場合、手数料は頂いておりません。 医療ローン 治療費の負担を抑えるためには、医療ローンを活用する方法もあります。 医療ローンは、金利が低く、返済期間も長いため、治療費の負担を軽減することができます。 ただし、返済期間中には利息が発生するため、計画的な返済が必要です。 医療費控除を利用する 医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一緒にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超える時は、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受け取ることができる制度です。また、医療費控除の申請は確定申告で行います。 インプラント治療ももちろん対象になります。 医療費控除について まとめ インプラント治療は、保険適用外が一般的で、治療費が高額となるため、負担を抑える方法を考える必要があります。 治療費の内訳や支払い方法を理解し、自分に合った治療費負担方法を選ぶことが大切です。 また、保険適用になる場合があるため、自分の状況に応じて、医師に相談することも重要です。

2023.04.14

ブライダルホワイトニングを始めるベストなタイミングは?

結婚式前には、ドレスやヘアスタイルに加えて歯の美しさにも気を配る方が増えています。そこで、最近注目を浴びているのがブライダルホワイトニングです。 しかし、いざ始めようと思っても、いつから始めればよいのか、どのような方法があるのか、分からない方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事ではブライダルホワイトニングについて詳しく解説します。 ブライダルホワイトニングについて ブライダルホワイトニングとは、結婚式前に歯を美しく白くするための治療方法です。 歯の表面についた着色汚れや歯の黄ばみを取り除き、美しい白い歯を手に入れることができます。 結婚式は人生の中でも特別な日であり、多くの人がその日に向けて準備を行います。ドレスやヘアスタイル、メイクなど、自分自身を美しく演出するための準備をすることが多いですが、歯の美しさも大切な要素の一つです。ブライダルホワイトニングは、そのような特別な日に向けて、自分自身をより美しく演出するための方法として注目されています。 ホワイトニング 結婚式前に歯を白くするメリット ブライダルホワイトニングには、結婚式前に歯を白くするメリットがあります。 まず、白い歯は美しさだけでなく、清潔感や健康的な印象を与えることができます。また、写真映えすることも重要で、結婚式ではたくさんの写真が撮られるため、白く輝く歯は写真映えすることで、素晴らしい思い出となることでしょう。 さらに、結婚式当日は、たくさんの人と会話をすることが予想されるため、歯が白く輝いていると自信を持って笑顔を見せることができ、一層の印象アップにつながるでしょう。 始めるベストな時期 ブライダルホワイトニングを始めるベストな時期は、式の2~3ヶ月前とされています。 なぜなら、ブライダルホワイトニングは一度の治療で劇的な効果が得られるわけではなく、複数回の治療が必要な場合があるためです。また、歯の状態によっては、歯科医院での治療だけでなく、自宅でのホワイトニングも必要となる場合があります。 2~3ヵ月前 2~3ヶ月前からブライダルホワイトニングを始めることをおすすめします。 この時期から始めることで、歯の表面についた着色汚れを取り除き、歯の色を明るくすることができます。また、歯の健康状態によっては、歯周病や虫歯の治療を受ける必要があるため、余裕をもって治療を進めることができます。 直前になった場合 直前になってからブライダルホワイトニングを始める場合は、オフィスホワイトニングがおすすめです。 オフィスホワイトニングは、歯科医院で行われる即効性のあるホワイトニングです。個人差があり1回で効果を感じられることが多いですが、歯の色や状態によってはあまり効果を感じられず、複数回の治療が必要な場合もあります。 ホワイトニングの種類と治療の流れ ホワイトニングには、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングの3つの種類があります。 オフィスホワイトニング オフィスホワイトニングは、歯科医院で行われるホワイトニング方法です。 1回の施術で白く輝く歯を手に入れることができる即効性の高いホワイトニングの方法です。 しかし、即効性がある分、色戻りは早くなります。また、施術には通院が必要で一度の施術時間が比較的長く、費用も都度かかってくるため、予算や時間に余裕がある場合に選ばれます。 ホワイトニングについて ホームホワイトニング ホームホワイトニングは、歯科医院で型取りをして作成してもらったマウスピースにホワイトニング剤を入れ、自宅で行うホワイトニング方法です。 自宅で自分のペースで行うことができる方法になります。効果を実感するまでの期間が長くなることもありますが、時間をかけてホワイトニング剤を浸透させるため、オフィスホワイトニングに比べて色戻りがゆっくりという特徴があります。 また、マウスピースは歯並びが変わらない限り使い続ける事ができます。ホワイトニング剤の購入だけでいつでもホワイトニングを行うことができるという点で、オフィスホワイトニングに比べると費用が抑えられるというメリットもあります。 ホームホワイトニング デュアルホワイトニング デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたホワイトニング方法です。 まずはオフィスホワイトニングで歯を白くし、その後、ホームホワイトニングで定着させることで、より効果的なホワイトニングを実現します。オフィスホワイトニングと同様に効果的な反面、費用がその分かかってくることが特徴です。 デュアルホワイトニング まとめ ホワイトニングの治療の流れは、まずは歯科医師・歯科衛生士に相談し、適切な方法を選びます。 オフィスホワイトニングの場合は、1回の施術時間は約1時間半程度を要します。 ホームホワイトニングの場合は、歯科医院でマウスピースを作成し、自宅でホワイトニング剤を入れて行います。期間は約2週間程度で、徐々に効果が出てきます。途中で歯科医師のチェックを受けることも必要です。 デュアルホワイトニングの場合は、オフィスホワイトニングを行った後、その後のホームホワイトニング期間は約2週間程度を要します。 ホワイトニングの施術自体は比較的短時間で行えますが、施術後は一定の注意が必要です。例えば、歯が過敏になることがあるため、冷たいものや熱いものを飲食する際には注意が必要です。また、ホワイトニング効果を長期間保つためにも、定期的な歯磨きや歯科医院でのメンテナンスが重要となります。 ブライダルホワイトニングをきっかけに、式が終わったその後も歯に興味を持っていただけたら嬉しいです。

2022.05.11

歯科とビタミン

歯科と栄養が出会ったら? ~ビタミン編~ 普段何気なく摂っているビタミン類。そんなビタミン類も実はお口の中で、重要な働きをします。では、どのような働きをビタミンはしてくれるのでしょうか? そもそもビタミンとは? ビタミン自体は体をつくる成分やエネルギー源ではありません。 しかし、人が成長し、健康を維持する働きをしています。ミネラルと並んで、微量でもビタミンの役割はとても重要であり、ほかの栄養素が上手く働くため潤滑のような働きをしています。そんなビタミンが不足すると、病気になったり、成長に障害が出たりします。 ビタミンの必要な量はとても少ないのですが、体の中でつくることがほとんど出来ないので、主に食べ物からの摂取が必要となります。ビタミンは、人が生きていくために必要不可欠な栄養素のうち、三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)以外の有機化合物の総称となります。 水溶性ビタミン 水に溶ける。尿などから体の外へ排泄されやすいので少量を頻回摂ると良い。 脂溶性ビタミン 油脂に溶ける。体の中に蓄積されやすいため、油と一緒にとると吸収がよくなります。 *ただし、どちらのビタミンでも、摂り過ぎると弊害が出ることがあります。厚生労働省では、この量までなら摂取しても過剰による害のない耐容量として、耐容量上限を設定しています。(摂取を進めている量ではありません。詳しくは「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をご覧ください。) ビタミンの種類 水溶性ビタミン ・ビタミンA(レチノール活性当量) ・β-カロテン当量 ・ビタミンD ・ビタミンE  ・ビタミンK 脂溶性ビタミン ・ビタミンB1 ・ビタミンB2  ・ナイアシン  ・ビタミンB6  ・ビタミンB12 ・葉酸  ・パントテン酸 ・ビタミンC この中でも、口腔内に特に関りのあるビタミンおよび他の栄養素が、 ・ビタミンB群(B6、B12、葉酸) ・ビタミンB群(B6、B12、葉酸) ・ビタミンC ・アミノ酸 ・α-リポ酸、MSM、メチオニン、システイン となります。 ビタミンの効果 ・ビタミンB群(B6、B12、葉酸)血中ホモシステイン値を低下させて、良質なコラーゲンを保つことと、骨や歯ぐきの健康を維持する効果があります。 ・ビタミンⅮ、ビタミンK、カルシウム、マグネシウムビタミンⅮ、Kは骨密度、骨の生成に不可欠な成分でカルシウムの吸収を助け、骨にカルシウムが沈着するのをサポートします。 カルシウム、マグネシウムは歯や骨の主要な構成要素になります。カルシウム、マグネシウムに関しては、再石灰化の促進作用もあり、虫歯予防にも役立つ栄養素です。 ・ビタミンA(レチノール活性当量)βカロチンを摂取することで体内でビタミンAに変換されます。歯のエナメル質の生成に重要な栄養素です。 ・ビタミンC免疫力を向上させ、歯周病予防に役立ち、なおかつコラーゲン生成のために必須です。傷の治りを早くもするので、抜歯やオペ後のケアにも役立ちます。タバコを吸うとビタミンC約25mg(レモン約1個分)が破壊され、歯肉の組織が弱まり、傷の治りが悪くなります。ニコチンも歯肉の抵抗力を低下させるので、歯周病が進行しやすくなると言われています。 ・アミノ酸プロリン、リジン、グリシンは、コラーゲンの構成原料として重要な役割を持ちます。 ・α-リポ酸、MSM、メチオニン、システイン水銀などの体内の有害重金属排泄(デトックス)促進に、これらの硫黄化合物が役立ちます。 現代人は十分な栄養を摂取できる環境にいて、ビタミン不足とは一見無縁のようにも思えますが、実は一部のビタミンに関しては潜在的な欠乏症に陥っている場合も…。忙しい時に簡便な食品を使うのは悪いことではありませんが、栄養バランスという観点からは一緒に野菜を摂るなどの工夫があるといいのかもしれません。 新鮮な野菜や肉、魚など主食・副菜を基本として、様々な品目をバランスよく摂取するのが理想とされています。難しい時には、栄養機能食品などをうまく活用して、上手に栄養バランスを摂っていきましょう。

2022.05.11

歯科と栄養食物繊維

歯科と栄養が出会ったら? 食物繊維が歯に良いというイメージはお持ちですか? 実は健康的な歯をつくる役目が食物繊維にはあります。では実際にどのような役目があるのかご説明します。 そもそも食物繊維とは? 食物繊維とは「人の消化酵素では分解されない食物中の総体」と定義されています。日ごろ私たちが口にする食べ物のなかに含まれています。主な大別は、 水に溶けない「不溶性食物繊維」 水に溶ける「水溶性食物繊維」 不溶性食物繊維とは 不溶性食物繊維は保水性が高いことが大きな特徴であり、体内で水分を吸収し膨らんで便の体積を大きくします。それにより腸を刺激し排便を促します。ライ麦や蕎麦などの穀物類、切り干し大根やトウモロコシなどの野菜類、豆類、キノコ類などに多く含まれます。 水溶性食物繊維とは 腸内で水分を吸収し、粘性を示すことで栄養素の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。また、水溶性食物繊維の多い食品を摂取すると、糖質の消化、吸収を緩やかにしてくれます。 食物繊維の効果 食物繊維のイメージとして便秘対策をお持ちになっている方も多いのではないでしょうか?もちろん便秘対策として整腸作用があるのでとても有効ですが、食物繊維の働きはこれだけに限らず、心筋梗塞のリスク低下や血中コレステロール値の低下など生活習慣病の予防効果を、もたらしてくれます。また、摂り過ぎることにより肥満や脂質異常症、糖尿病や高血圧など、これらを引き起こす原因である脂質、糖、ナトリウムなどの吸収を緩やかにしたり、吸着して、身体の外に排出する働きもあります。そして、歯を強くする効果もあります。 食物繊維は整腸作用など身体のなかで有用な働きをすることから、5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも言われ、注目されてもいます。 スーパーやコンビになどでよく見かける特定保健用食品。この特定保健用食品で「おなかの調子を整える」として認められている成分の多くが食物繊維なのです。食物繊維は、にんじん、ゴボウ、レタス、セロリ、穀類、豆類等に繊維質が多く含まれていて、「直接清掃性食品」ともよばれています。 それら食物繊維を多く含む食材は、しっかり歯や顎を動かして噛むものが多いので、噛むことにより歯の表面をきれいにし、唾液の分泌も促してくれます。唾液の分泌が多いと、歯が溶けてしまう酸性の状態のお口の中を中和し、溶け出したミネラルの再石灰化を促す効果があります。噛むという行為は他にも良い点として、歯ぐきの血行が良くなり、マッサージ効果もあると言われています。 現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分であり、積極的に摂取することが勧められています。 食物繊維の摂取量 1950年頃には一人あたりの平均食物繊維摂取量は一日20gを超えていたとされますが、穀類、いも類、豆類の摂取量の減少に伴い、減少傾向にあります。最近では一日あたりの平均摂取量は14g前後と推定されています。 ちなみに欧米では一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症低下が観察されるとの研究報告があります。 食物繊維は植物性食品に多く含まれ、食物繊維を手軽に摂るには主食の穀類から摂るのがお手軽です。一日のうち1食の主食を玄米や麦ごはん、胚芽米、全粒小麦などに置き換えると効率的に摂取できます。豆類、野菜類、果実類、キノコ類、藻類等にも多く含まれているので、毎日の食事に取り入れることをおすすめします。 まずは一日あたりプラス3~4gを目標に、積極的に摂取する事が勧められます。基本的には、通常の食事から摂取する範囲であれば摂り過ぎの心配はなく、むしろ積極的に摂る必要はありますが、サプリメントなどで度を超えて摂取をしないようにはしましょう。 様々な食品に含まれている食物繊維。バランスよく美味しく摂取して、虫歯になりにくい歯になるようにしていきましょう。

2022.03.04

親知らずは抜く?抜かない?

親知らずについて 皆さんは親知らずが気になったことはありますか? 当院では患者さまが来院される理由の中で、虫歯・歯周病と同じくらい親知らずが理由で来院される患者さまが多いです。痛みが原因の場合もあれば、親知らずは抜いたほうがよいですか?とご相談をいただくこともあります。親知らずに関して、今回はご説明させていただきます。 そもそも親知らずとは? 親知らずとは、専門用語でいうと「第3大臼歯」もしくは「智歯」とも言い、歯の一番奥に生える永久歯です。中切歯(最前方の前歯)から数えて8番目にあります。 親知らずは一般的に上下左右1本ずつの計4本ありますが、個人差により、もともと親知らずが無かったり、4本揃っていない場合もあります。 あるいは萌出方向(生える方向)が通常と異なる為、埋伏(歯ぐきや骨に埋まった状態)していたり、傾いて途中までしか生えてこない場合もあります。 生える際に歯肉に炎症が起きて腫れる事もあり、また、生えた後も一番奥に生えているため歯ブラシが届きにくく磨きにくいため、プラーク(歯垢)などが溜まってしまい虫歯になりやすくなります。親知らずのまわりの歯ぐきに炎症(智歯周囲炎)を引き起こすこともあり炎症が強い場合は抗菌薬や消炎鎮痛薬(痛み止め)の投与を行って様子を見て、炎症を繰り返すようなら、抜歯を行うことが適していると判断し、抜歯を行うこともあります。 親知らずは正常に生えていれば、比較的普通の歯を抜くのと同様に比較的簡単に抜歯を行うことが出来ますが、骨の中に埋まっていたり、歯の根の形が複雑だと、歯ぐきを切開したり、歯を支えている骨を削ったり、歯自体を分割して抜歯を行うこともあります。なお、親知らずの状態や患者様の健康状態(持病など)によっては、全身麻酔や静脈鎮静法による管理の上で抜歯を行う必要が出てくる場合もあります。 親知らずは抜いたほうが良い?抜かない方が良い? 親知らずだから抜きましょう! いえ、「親知らずだから必ず抜かなければならない」ということはありません。残しておいた方が良いこともあります。 抜いたほうが良いケース 1. 親知らず自体が虫歯になった 親知らずは一番奥に生えている歯なので、歯ブラシなどのオーラルケアもしにくく汚れが溜まり虫歯になりやすい箇所の一つでもあります。 清掃器具も届きにくく、治療したとしても上記に述べたように虫歯になりやすく、再び虫歯になるケースが見受けられます。となると、あえて治療はせずに抜いてしまった方がよい場合があります。 また、汚れが溜まりやすいため、その手前の歯も実は見えない部分が虫歯になってしまっていて、虫歯治療が必要になるケースもあります。 2. 横向きに埋まっているため、前方の歯に影響を及ぼしている 親知らずが横向きに埋まっている場合、智歯周囲炎や手前の歯の虫歯や根の吸収(溶かされるように浸食される)を引き起こすことがあります。あまりに虫歯や吸収が進むと、親知らずではなくその手前の歯自体が残せなくなり抜歯になってしまう場合があります。 3. 物がつまる、腫れや痛みを繰り返す 親知らずが中途半端に生えて、歯の頭の一部が見えているだけの場合は食べ物が詰まり汚れが溜まった状態になります。その状態のままだと周囲の歯ぐきは炎症を起こしやすい状態になっており、腫れや痛みを繰り返すことになります。 4. 骨の中に埋まっているが、レントゲン写真で袋のような影が見られる レントゲンにうつった袋のような影は嚢胞と言われ、顎の中の神経を圧迫したり、膿の袋となって、痛みや腫れを生じさせることがあります。 抜かなくてよいケース 1. 親知らずが上下きちんと生えていて、噛み合っている 顎に直立に生えて、お互いに噛んでいる場合は抜かなくてもよいことが多いです。しっかりとブラッシングもできていれば問題も生じにくいと考えられます。 2. 骨の中に埋まっていて、問題がない 顎骨の中に完全に埋まっていて、周囲の歯や骨に悪い影響を与えることはないと判断され、痛みや減れがなければ、すぐに抜く必要はありません。 3. 入れ歯やブリッジ土台になる ある程度まっすぐ生えている親知らずは、前方にある歯を失った場合でも、削ってブリッジの土台として使用したり、入れ歯のバネをかけることが出来るので、残しておいた方が良い場合もあります。 4. 親知らずの移植を行う 親知らずの手前にある臼歯を、抜かなければならなくなった時に、抜いた部分に親知らずを移植することが出来る場合もあります。 移植が可能かどうかに関しては、親知らずの形や大きさ、移植を予定している部位の状態など様々なことを考慮し慎重に判断する必要があります。 5. 矯正治療を行う 矯正治療により親知らずを生える方向が悪くても、きちんと噛めるように治すことが可能な場合があります。矯正治療は歯を動かす治療ではありますが、どのような状態でも可能というわけではないので、矯正治療で治せるかは専門医に相談することをおすすめします。 まとめ 歯を抜く場合、処置後には腫れや痛み、内出血、喉の痛みや発熱といった症状が生じたりすることがあります。少なからずリスクを伴います。 親知らずだから抜こうというだけではなく、まずは診査診断をしっかりと行い、担当医と十分に相談されてから処置を行うことをおすすめいたします。不安な点や疑問は、気兼ねなくご相談下さい。 親知らず治療について親知らずの治療の流れ 親知らず抜歯でよくあるご質問

2022.03.04

歯は抜くしかない?

根管治療で治らない歯の治療方法について 歯がズキズキと痛む 虫歯などを引き起こす細菌が、歯の神経(歯髄)まで、あるいはその付近まで侵入すると炎症を起こしてしまい、場合によっては歯髄を除去する治療を行う必要があります。 根管治療という処置をしますが、通常の根管治療では治らない場合もあり、外科的な治療を行うことで抜歯をせずに自身の歯を残すことが出来る可能性もあります。 根管治療について根管治療のコラム 実際に行う外科治療の方法 ① 歯根端切除術 非外科的な根管治療を行っても、症状が改善しなかった場合に行う処置です。根尖部(根の先)にたまった悪い部分(膿の袋)を外科的に切除する方法です。歯の全体を抜歯するのではなく、歯ぐきを切開しそこから歯の一部だけを取り除き症状の改善を図ります。 一般的には根が1つの前歯、小臼歯に対して行われることが多い傾向にあります。また、大きな土台が入っていて、土台が長く除去する事が困難な場合に歯根端切除術が行われる場合もあります。 歯根端切除術のメリット 歯の根の先に病巣ができてしまい、従来ならば抜歯となるケースでも抜歯をせずに治療が可能。自身の歯が残せる可能性がある。 日帰り処置が可能。 明視野で病巣部を直接取り除ける。成功率が高くなる 補綴物を外さなくても治療が可能。(根管治療は歯の内側からの治療なので、補綴物を外さないといけない) 条件によるが、保険診療が可能。 歯根端切除術のデメリット 外科処置の為、痛みが出る場合がある。(術中は麻酔により痛みはなし。施術後に麻酔の効果がなくなると、痛みが出る場合があります。その際の痛みは、痛み止めの服用でしのげる範囲です。) 施術後、個人差はありますが違和感の出る期間があります。(長い方で約半年ほど) 主に前歯から小臼歯の歯が適応になることが多い。 ② 意図的再植 まず歯の「再植」とは、外傷や事故などで歯が抜けてしまった歯を元の場所に戻す方法です。 インプラントや義歯とは異なり自身の歯を使用します。生体に対して優しいため、条件が合えば歯の機能も活かすことが出来る、有効な方法と言えます。今回は再植の中でも「意図的再植」について説明いたします。 意図的再植とは、治療のために戦略的に再植するという方法です。非外科的な根管治療を行っても症状が治らなかった場合や、歯の根の先の部分に大きな歯根嚢胞が出来ていた場合に、一度わざと歯を抜き、細菌感染した部分の病巣を取り除き綺麗にて、元の場所に戻します。 また、虫歯が歯ぐきの深い部分に出来ていた場合には、一度歯を抜いたら90°または180°向きを変えて、虫歯に感染した歯質を歯ぐきより上に持ってきて再植する方法もあります。 歯の状態によっては、必ず成功するという保証はありませんが、歯根膜(歯根と骨との間にある膜状の構造。線維性の結合組織が主体)がきちんと保存されていれば、一度抜いた歯でも再度歯はくっついてくれます。 意図的再植のメリット 歯を残せる可能性が上がる。根管治療、歯根端切除術出来ない歯でも適応になることがある。 日帰り処置が可能。 歯根が短い歯でも手術が可能。 より確実に病巣の除去が可能。 条件によるが、保険診療が可能。 意図的再植のデメリット 外科治療となる。(一旦歯を抜いて、元の場所に戻すため) 元に戻した歯が治癒までの間に抜けてしまう可能性がある。 戻した歯が、骨と一体化してしまう(アンキローシス)可能性がある。 まとめ 歯根端切除術も意図的再植も、自身の歯と歯根膜を残すための手段として有効な治療方法であると言えます。 自身の歯は、永久に機能するというわけではないかもしれませんが、少しでも長く自身の歯を機能させるということは、抜歯に伴うお口の中のトラブル、変化を先延ばしに出来るということでもあります。 歯の周りを支えている歯槽骨も歯(歯根)が残っていれば厚みが維持されます。入れ歯を使用されている場合は入れ歯が安定もしやすくなります。 天然の歯は、何ものにも代えがたいものです。当院では、可能な限り抜くことをせず、機能の維持、保存を優先とした治療を行っております。治療に関して、ご質問・ご不安な点など御座いましたらお気軽にご相談ください。

2022.03.04

老化は口から!?
歯医者でアンチエイジング?

歯医者でアンチエイジングについて 今、ご自身は実年齢よりも若く見られていると思いますか?老けて見られていると思いますか? 実年齢よりも若く見られたいですか?老けて見られたいですか? いつまでも若々しい心と身体を維持したい、実際よりも若く見せたい・見られたい、長生きしたいと思われている方が多いかと思います。 そこで今回のテーマはアンチエイジングです! 一見、歯科とは関係ないように思えますが、実は歯科も関係があります。では実際にどのような関係があるのか、ご説明します。 そもそも「アンチエイジング」とは? 近年、アンチエイジングという言葉を雑誌やテレビ、インターネットなどから目にする機会が増えてきました。 アンチエイジングとはなにか? アンチエイジングとは「抗加齢」を意味する言葉です。実際の年齢に逆らうことは出来ないので、意味としては「抗老化」となります。見た目の老化と共に衰える身体の老化(エイジング曲線)を急激ではなくゆるやかにしていこうというものです。 アンチエイジング医学における歯科の領域としては、歯周炎や歯の消失、口腔乾燥症、口腔味覚障害などに対して取り組みを行っていきます。歯が心と身体の健康に及ぼす影響はとても大きく非常に重要です。健康的な生活を送るために必要不可欠な「食べる、飲む、笑う、話す」といった、根本的な要求を満たす事が必要とされます。 食事の際にしっかり噛めないと、おいしく味わうことが出来ず、食生活の質の低下につながります。また、口臭が気になったり、歯並びや歯の色が気になって、コミュニケーションに影響を及ぼすこともあります。 治療のポイント 笑った時にいかに美しく見えるか? 歯を削って型どりをして白いつめ物、かぶせ物を単純にいれるだけではなく、審美性にプラス機能性も考慮し総合的に見て、より美しい口元にしていきます。 ただ単に削って終わりではなく、歯の色や形はもちろん、噛み合わせや、患者様自身の歯ぐきの色や唇の色、フェイスラインなどトータルに診査診断して治療を行います。 1. 白くキレイな歯に 審美歯科治療:前歯のかぶせ物を白く美しく(クラウン治療)、メタルフリー治療 ホワイトニング:自身の元々の歯の色よりも、白く美しく 2. 歯並び・噛み合わせをキレイに 歯列矯正、歯列部分矯正 義歯(入れ歯) インプラント 歯ぎしり、くいしばり治療 3. その他(一般歯科) クリーニング 歯石除去 歯肉ケア 歯周病治療 当院の各治療のご案内 現在のご自身のお口の中の状態はご存じですか? お口のアンチエイジングと言っても、治療方法は様々です。 ご自身のお口を見て、何が気になりますか? 歯の色でしょうか? 歯並びでしょうか? つめ物、かぶせ物の色でしょうか? 歯ぐきの色でしょうか? 一つだけに限らず、複数の症状が気になられる方も多いかと思います。 老化を感じやすいのが、「目」と「口」からと言われています。見た目年齢はもちろん、様々な病気にならないように予防という観点からも歯科においてのアンチエイジングは重要となります。 今現在のご自身のお口の中の環境を理解すること、また、それに見合った治療内容でお口の中を整えることは、QOL(日常生活の質)を良くすることが可能となります。今後の快適な生活を送るのに役立つ歯科におけるアンチエイジング治療。 美しく若々しい歯や口元になることで、おいしく食事を摂ることもでき、自信をもって笑うこともできます。 心と身体をより健康に。 少しでも長く元気に生活できるように。 人生100年時代です。歯とお口の健康を、考えてみませんか?患者さまのお悩みに合わせて、治療プランのご提案をさせて頂きます。 ご相談、ご質問はお気軽にスタッフまでお申し付けください!

2022.01.19

根管治療について

歯がズキズキと痛む たとえば虫歯が原因で痛む場合、虫歯の進行状態によっては「根管治療」を行わないといけない場合があります。 同じ虫歯の治療でも、歯を部分的に削って詰め物を装着するインレー(詰め物)やコンポジットレジン充填(CR充填)、クラウン(かぶせ物)による治療は、皆さんが虫歯の時に行う治療の中でも比較的イメージされる内容ではないでしょうか? では、根管治療はどうでしょうか? 「歯の根っこの治療をします」と言われても実際治療のイメージが湧かないという患者さまもおられます。今回は、その「根管治療」についてです。 1. 根管治療が必要な症状とは? 虫歯が進行し、その感染が歯の神経(歯髄)まで及ぶと歯髄炎という状態になります。主な症状は、 冷たい物や温かいものがしみる 何もしなくても痛みを感じる この時点では正常な状態に戻ることもあれば、残念ながら歯髄への治療が必要になる歯髄炎があります。ちなみに神経(歯髄)が死んでしまうと、歯の変色や、噛むと痛みが出る、歯ぐきから膿が出るなどの症状がみられます。 2. 原因は何か? 主な原因は深い虫歯、歯の亀裂による細菌感染や、外傷の衝撃などです。炎症や感染を起こした歯髄をそのままにしておくと、歯やその周囲組織に痛みが出たり、根の周囲組織に炎症が広がってしまいます。場合によっては歯肉が腫れることもあります。 3. 具体的な治療方法は? 根管治療は根管の中の細菌を除去し、その状態を維持する為に封鎖する治療です。再度細菌が感染しにくい環境をつくる為に根管内の消毒を行います。 Step. 細菌感染により汚染された歯質除去を行います。 Step. 根管内を細い器具(ファイル)で拡大していきます。 Step. 根管の中を薬剤でキレイに洗い、消毒を行います。 Step. 症状の消失などが確認出来たら、根管内にゴムのようなもの(ガッタパーチャ)を詰め込みます。 Step. 詰め込んだガッタパーチャがきちんと根の先まで詰め込まれているか確認の為、レントゲン写真を撮影し、終了です。 ここまでの治療は、根管の形態や内部の状態・症状により治療回数は異なりますが、再度細菌感染が起こらないように最後まで通う必要があります。根管治療は治療が完了する前に痛みが消失することが多いため、通わなくなってしまう方がいるのも事実です。しかしそれでは、根管内に細菌が多く残存した状態になったり、再感染しやすい状態になってしまいます。再度、痛みや晴れを引き起こす可能性があるのです。 4. 抜歯が必要な場合も 根の先から炎症が周囲に波及し、周囲の骨が溶けていることがあります(根尖性歯周炎)。根の治療は行いますが、歯の根っこの先、あるいはその周囲の骨まで感染が進行し大きく骨が失われている場合は抜歯の対象となることもあります。 5. メリット・デメリットは?

2022.01.18

歯を抜いた後は…?

虫歯や歯周病などが原因で残念ながら歯を抜かなくてはいけなくなった場合、そのままにしておくと困ったことが起きてしまいます。 奥歯が1本抜けた状態の場合 隣の歯が倒れてくる(傾斜) 噛み合う歯が伸びてくる(挺出) 奥歯が数本抜けた状態の場合 噛み合う歯が伸びる(挺出) 前歯が広がる(突き上げ) 歯を抜いたまま放置しておくと、抜けた状態のままではなく周囲の歯が動き、上記のようなことが起こる可能性が高くなります。 歯は1本1本に役割があり、失ったまま長期間放置してしまうと、全体のバランスが崩れ、全身の健康にも影響を与えることがあります。 その為、抜歯した部分のスペースとその機能を補う治療をすることが大であり、その方法がいくつかありますのでご紹介いたします。 主な補填方法について インプラント ブリッジ 入れ歯(義歯) 移植 以上の4つになります。 治療方法その1「インプラント」 インプラントとは? 歯に人工の歯根を埋め、セラミックでできた被せものを被せる治療方法です。外科的な手術が必要ですが、健康な歯を削ることなく、天然の歯と同じように噛めるようになります。 <メリット> 両隣の歯を削る必要がない 骨に埋入されたインプラントが実際の歯根のような役割を行うので、自分の歯に近い感覚で噛むことが出来る 骨に埋入されたインプラント体が咬合を支えるので、他の歯への負担を増やさない 天然歯に近い審美性の回復が期待出来る <デメリット> 顎の骨が少ない場合は、インプラントを埋入する前に人工的に骨の造成が必要となる インプラント体を埋入後、インプラント体と骨が固定される期間が必要とある 治療のケースにより、長期間となる可能性あり 骨の成長途中にある若年者は行えない 外科的手術となる 保険適用外 治療方法その2「ブリッジ」 ブリッジとは? 失った歯の両隣の歯を削り、橋渡しをする方法です。違和感がなく噛むことが出来ますが、両隣の歯を大きく削り、支えとなる歯に負担がかかります。隣の歯の状態や失った歯の本数によっては適応とならない場合もあります。 <メリット> インプラントと比較して短期間で治療が終わる 保険適応のものがある <デメリット> 隣の歯を削らなくてはならない。たとえ虫歯になっていない健康な歯でも、削る必要がある 噛む力を少ない数の歯で支えるため、支えとなる歯への負担が大きくなる 噛む力は天然歯と比較すると、60~80%ほどとなる 治療方法その3「入れ歯(義歯)」 入れ歯とは? 取り外し式の補綴物です。取り外し式なので、お手入れがしやすいですが違和感が大きく、噛む力は天然の歯の20~30%ほどしかないと言われています。 <メリット> 取り外し可能なため、お手入れしやすい 入れ歯の多くは保険適応となる 1本~全顎まで製作が可能 インプラントに比べて治療期間が短い <デメリット> 噛む力は天然歯と比較すると20~30%ほどとなる 歯肉を切るなど外科処置が必要ない 持病を持った患者様でも装着できる 部分入れ歯は入れ歯の固定のために金属のバネを使用するので、見た目が目立つことがある(保険適応の場合) 治療方法その4「移植」 移植とは? 親知らずや骨の中に埋まっている歯などを抜歯し、対象部位へ移植する方法です。適応条件があり、成功率は約60%。5~10年もつと言われています。 <メリット> 自身の歯を使用することが出来る インプラントと違い歯根膜があるので、噛み応えや歯触りを感じやすい インプラント治療よりも手術の負担が少ない 保険適応になるケースがある <デメリット> 天然歯(自分自身の歯)のため、虫歯になるリスクがある 高齢者は不向き。40歳以上の場合は成功率が下がる場合がある 一定の条件を満たす必要がある <条件> 歯のサイズが移植する場所に合っている 歯の形が曲がっていたりと複雑ではないこと 出来るだけ虫歯がなく、歯周病等で歯根膜が少なくなっていない 可能であれば40歳以下(40歳以上の方が行えないというわけではない) 患者さまのお口の中の状態により、適した治療は異なりますが、抜歯後はそのままにするのではなく、適した治療を受け、長くおいしく食事が出来るようにしましょう! ご質問、ご相談はお気軽に担当医、スタッフにお声がけください。

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