Column歯のコラム

2024.02.09

乳歯の生え変わりについて

乳歯は、全部で20本あり2歳ごろには全て生え揃います。乳歯の生え変わりは、6歳ごろから始まります。 今回は、乳歯の生え変わり時期や生え変わりの際に起きやすいトラブルやその解決方法について説明します。 小児歯科 乳歯と永久歯の違い まずは、乳歯と永久歯の違いについて説明します。 色と大きさ 乳歯は白く、永久歯はやや黄色味を帯びています。大きさは歯の種類にもよりますが、一般的に永久歯の方が大きい傾向にあります。 本数 乳歯の本数は全部で20本あります。一方で、永久歯は親知らずを含めて32本あります。 呼び方の違い 乳歯はアルファベットで、永久歯は番号で呼びます。乳歯は、前から乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯の5種類あり、それぞれをA.B.C.D.Eと呼びます。 一方で永久歯は、前から中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯(親知らず)の8種類あり、それぞれを1番、2番、3番…と番号で呼びます。 歯質の厚さ 歯は、外側からエナメル質、象牙質、歯の神経である歯髄(しずい)から構成されます。乳歯は、永久歯に比べてエナメル質、象牙質が薄いという特徴があります。 一方で、歯髄は乳歯の方が大きいという特徴があります。 虫歯のなりやすさ 乳歯は永久歯と比べ、エナメル質や象牙質が薄いので虫歯になりやすい傾向にあります。 また、子供の場合、間食や磨き残しも多いためこれらのことも虫歯になりやすい原因になります。 乳歯について 乳歯が生えてから抜けるまで 次に乳歯が生えてから抜けるまでの過程について説明します。 乳歯ができるまで 妊娠から出産 乳歯の元となる歯胚(しはい)の形成は、赤ちゃんがお腹の中にいる頃に始まります。 胎生7〜10週にかけて形成された歯胚は、カルシウムなどの栄養成分を吸収しながら、石灰化し乳歯の形が作られます。 歯胚が形成される段階でうまく作られなかったり、歯胚同士が結合したりすると、乳歯の本数が足りなくなることがあります。 この現象を乳歯の先天欠如といいます。この先天欠如は、約100人に1人という割合で起こるといわれています。 乳歯が生え終わる2歳半以降になっても、乳歯が生えてこない場合は、一度歯科医院を受診し、検査を受けましょう。 乳歯が生え揃うまで 出産後6〜9ヶ月 乳歯は下の前歯である乳中切歯が生えてきます。乳歯が生えてくる時期には、個人差があるため前後することがあります。 出生後10ヶ月〜1歳ごろ この頃には、上の乳中切歯と上下の乳側切歯が生えてきます。乳歯が生えてくる順番が異なることがありますが、個人差があるので問題はありません。 1歳半ごろ 最初の奥歯である第一乳臼歯が生えてきます。この時点で、生えている乳歯の本数は全部で12本になります。 2歳〜2歳半ごろ 乳側切歯と第一乳臼歯の間の前歯である乳犬歯が生えてきます。その後、最後の乳歯である第二乳臼歯が生え、すべての乳歯が生え揃います。 乳歯が生え変わるまで 次に乳歯の生え変わりの時期について説明します。一般的に乳歯は、6歳以降から段々と生え変わります。 6歳ごろ まず、下の乳中切歯が抜け下の前歯である中切歯が生えてきます。また、第二乳臼歯の後方から第一大臼歯が生えてきます。第一大臼歯は6歳に生えるので別名“6歳臼歯”とも呼ばれます。 7歳ごろ 上の乳中切歯と下の乳側切歯が抜け、中切歯と側切歯が生えてきます。生え変わりの途中で上の前歯がすきっ歯に見えることがありますが、生え終わる頃には自然と治ります。 8歳〜9歳ごろ 8歳ごろになると上の乳側切歯が抜け、側切歯が生えてきます。9歳ごろには、上下の乳犬歯が抜け、犬歯が生えてきます。犬歯は、糸切り歯とも呼ばれます。 10歳〜11歳ごろ 第一乳臼歯、第二乳臼歯が抜け、第一小臼歯と第二小臼歯が生えてきます。 12歳ごろ 第一大臼歯の後方から第二大臼歯が生えてきます。第二大臼歯は、12歳に生えてくることが多いので別名“12歳臼歯”とも呼ばれます。また、親知らず(第三大臼歯)は、18歳以降に生えてきます。 乳歯の生え変わり時期について説明しました。生え変わる順番や年齢は個人差があり、順番や年齢が前後することがあります。 乳歯が生え変わらない原因と対応 乳歯の生え変わる年齢になると乳歯がグラグラし始めて、最終的には乳歯が抜けます。 しかし、場合によっては、乳歯が自然に抜けないこともあります。 この項目では、乳歯が抜けない原因とその対応について説明します。 後続の永久歯が欠如している 乳歯の生え変わりの時期になると後続の永久歯が乳歯の下から生えてきます。この時、乳歯の根っこが圧迫され歯根が短くなります。この現象のことを歯根吸収(しこんきゅうしゅう)と呼びます。 歯根吸収により乳歯がグラグラし始めて抜けます。後続の永久歯がないと永久歯による根っこの圧迫がなく歯根吸収が起きないため、乳歯が自然と抜けません。 永久歯の欠損が疑われる場合は、永久歯の状態を確認するためにレントゲン撮影を行います。永久歯の元となる歯胚(しはい)が確認されない場合は、永久歯の欠損と診断します。 欠損している永久歯を補う方法としては、ブリッジ治療や成人以降であればインプラント治療を行います。 永久歯の生え方が悪い 通常であれば永久歯は、乳歯の下から生えてきます。しかし、永久歯が生えるスペースが少なかったり、乳歯の根の先に膿が溜まっていたりすると永久歯が乳歯の横から生えてくることがあります。この場合、乳歯の歯根が正しく吸収されずに乳歯が残ることがあります。 この状態では乳歯が自然と抜けることはほとんどありません。そのため、歯科医院で乳歯の抜歯を行います。 過剰歯がある 永久歯は合計で32本ありますが、まれに余分な歯が生えることがあります。この余分な歯のことを過剰歯(かじょうし)と呼びます。過剰歯があると永久歯が歯ぐきの中に埋まったままになり、乳歯が抜けない原因になります。 過剰歯の存在が疑われる場合は、レントゲン撮影を行い過剰歯の有無や位置を確認します。その後、過剰歯が三次元的にどの部位にあるのかを確認するためにCT撮影を行います。その後、過剰歯の抜歯を行います。過剰歯の生え方や位置により、抜歯の方法が少し異なります。 過剰歯が生えている場合,/h3> 過剰歯が生えている場合は、通常の抜歯を行います。 過剰歯が歯ぐきの中に埋まっている場合 この場合は、歯ぐきを切開し必要であれば骨を少し削り抜歯を行います。過剰歯が生えている場合と比べて、治療時間が長くなります。 そのため、不安感が強く長時間の治療が難しい子供に関しては、全身麻酔下で抜歯を行うこともあります。過剰歯が難しい位置に生えている場合も全身麻酔下で抜歯を行います。 乳歯がグラグラしてきた時に歯科医院を受診した方が良いケース 乳歯の生え変わりの年齢になると乳歯がグラグラしてきます。通常であれば、グラグラし始めた乳歯は自然と抜けます。 しかし、場合によっては、歯科医院で乳歯の状態を確認した方が良い場合もあります。次に詳しく説明します。 大きな虫歯がある 虫歯が大きいと歯の根っこの先に膿が溜まります。これにより歯を支える骨が溶け、乳歯がグラグラすることがあります。 この場合は、生え変わりに伴うものではなく、虫歯による乳歯のグラグラです。歯の根っこの膿を放置すると、永久歯の形や色が変化したり、正しい位置に生えなかったりすることがあります。 これらのトラブルを防止するために、虫歯と歯の根っこを治療します。虫歯が大きく乳歯を残すことが難しいと判断した場合は、乳歯の抜歯を行います。 子供の虫歯特徴 顔面の外傷 転倒などにより顔を強打すると、乳歯が折れ、グラグラする原因になります。 この場合の対応は、ますはレントゲン撮影を行い、折れた部分の確認を行います。乳歯のグラグラが軽度の場合は、経過観察を行います。乳歯が大きく動いている場合は、両隣の乳歯と固定し様子を診ます。 永久歯が正しい位置に生えていない 何らかの原因で永久歯が乳歯の下からでなく横から生えてくることがあります。この状態を放置すると、歯並びが悪くなる原因になります。 この場合は、乳歯がグラグラしていなくても乳歯の抜歯を行い、正しい位置に永久歯が生えてくるようにスペースを設けます。 小児矯正でお子さまに笑顔と健康を! 永久歯が下から生えているのに乳歯がグラグラしていない場合 永久歯が乳歯の下から生えているのにも関わらず、乳歯がグラグラし始めないことがあります。 これは、乳歯の歯根吸収がうまくいっていない可能性があります。この状態では、自然に乳歯が抜ける可能性は低いので、乳歯の抜歯を行います。 痛みがある場合 グラグラしている乳歯に痛みが出ることがあります。この痛みが原因で食事に支障がある場合は、歯科医院を受診し、必要であれば抜歯をしてもらいましょう。 まとめ 今回は、乳歯の生え変わりについて解説しました。 乳歯は、全部で20本存在し、6ヶ月ごろから生え始め、2歳半くらいで生え揃います。乳歯の生え変わりは、6歳ごろから始まり、12歳ごろまでには永久歯への生え変わりが終わります。 乳歯が生え変わる時期には、個人差がありますが、過剰歯や永久歯の生え方が悪いと乳歯がグラグラしてこないことがあります。この場合は、歯科医院で検査を受けましょう。 また、逆に乳歯が生え変わる時期ではないのに乳歯がグラグラしてくる場合もあります。この原因としては、虫歯や外傷などが挙げられます。 乳歯は永久歯と比べてエナメル質や象牙質が薄く虫歯になるリスクが高くなります。乳歯の虫歯は、後続の永久歯の生え方などに影響を及ぼすことがあります。 日頃からのブラッシングや仕上げ磨きを行い、虫歯を予防しましょう。また、定期的に歯科医院に通院し、乳歯の生え変わり時期に起こるトラブルを防止しましょう。

2023.12.08

徹底解剖!今流行りのマウスピース矯正治療

近年、患者さまの審美的な要求が高まっています。例えば、白い詰め物やジルコニアに代表される被せ物やホワイトニングが一例です。 その中でも特に矯正治療は特に若い女性を中心に人気の治療です。自分の歯並びが気になり、治療を考えている人や今治療中の人も多いのではないでしょうか。 矯正治療はワイヤーで歯を動かすというイメージを持っている方も多いと思います。 近年、材料の発達により、インビザライン®️に代表されるマウスピース矯正が話題になっています。 そこで、今回は、近年流行のマウスピース矯正について解説します。是非とも、治療の参考にしてみてください。 矯正歯科 矯正治療の種類 矯正治療には大きく2つの治療装置が用いられます。一つはワイヤー矯正、もう一つはアライナー矯正です。 まずは、それぞれどのような矯正治療方法かについて、説明します。 矯正治療といえばワイヤー矯正をイメージすると思います。ワイヤー矯正は歯にワイヤーを付けて、ワイヤーの弾性(押したり弾いたりする力)や元の形に戻ろうとする力を利用して歯を動かす矯正治療です。 広く用いられる治療法で、現在でも多くの患者さま、歯科医院でワイヤー矯正が行われています。 多くの場合でワイヤーを曲げて矯正力を働かせるため、適応症が広く、多くの症例に対して有効な治療ができます。 奥歯にワイヤーを固定するためのバンドであったり、前歯にワイヤーを固定するためのブラケットをつけたりする必要があります。ブラケットはワイヤーを固定し、矯正力を歯に伝えるために重要な装置です。 基本的には歯の表側につけることが多いため、ブラケットを装着している間は笑った時やご飯を食べるときなどはブラケットが露出してしまい、審美性が低下してしまうという難点があります。 近年、このブラケットを裏側につけることで、目立たなくすることもできますが、難易度が高く歯科医師側に技量が必要です。 もう一つが近年、注目を集めているアライナー矯正です。一般的に「マウスピース矯正」といわれた方が耳にする機会が多いかもしれません。アライナー矯正の代表的なものがインビザライン®️です。詳しくは、次の項目でしっかりと解説します。 まずは、矯正治療には、治療に用いる装置によって、ワイヤー矯正とアライナー矯正(マウスピース矯正)の2つがあることをご理解いただけたでしょうか。 マウスピース矯正ってなに? アライナー矯正はマウスピースを使って歯を動かしていく矯正治療です。そのため、マウスピース矯正とも呼ばれます。 マウスピース矯正はデジタルスキャニングを行い、マウスピースを作製しますが、スキャニングしたデータを分析するシステムには様々あり、最も有名なシステムが「インビザライン®️」です。一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。 あまりにも有名なので「マウスピース矯正=インビザライン®️」といったイメージを持っている人も多いと思います。インビザラインとはあくまでシステムの名称で、その他にも色々な種類のシステムがあります。 さて、マウスピース矯正は歯にピッタリと覆うことのできるマウスピースを装着し、しっかりと歯をグリップしている状態で、マウスピースの弾力の力を利用して歯を動かす矯正治療です。 スキャニングしたデータをもとに理想の位置に来るようにシュミレーションして、オーダーメイドで作製されたマウスピースを装着します。 このマウスピースは、少しずつ形を変えながら理想の歯並びへと変化させるため、30個程度のマウスピースを段階的に交換して装着することで歯を移動させ、シュミレーションした理想的な歯並びへと歯を誘導していきます。 マウスピース矯正は歯の上から被せて少しずつ歯に力を加えていくため、得意な動きと苦手な動きがあります。 マウスピース矯正が得意な動きは、歯列の横幅を広くする動きや奥歯をより奥に動かすことです。 一方で苦手な動きは、歯を回転させる動きと歯を引っ張る動きです。これらの苦手な動きを補うために、ボタンやゴムをつけて引っ張ったり、回転させたりする動きを補う装置が必要です。 このようにマウスピース矯正だけでも治療可能な症例もある一方で、万能ではありません。マウスピース矯正がどのようなものか分かっていただけたと思います。 マウスピース矯正のメリット 次に、マウスピース治療の様々なメリットを一つずつみていきましょう。 ⑴装置が透明で目立ちにくい マウスピース矯正の一番のメリットです。これまでのワイヤー矯正と異なり、歯に装置をつけることはありません。 透明なマウスピースを付けているので、目立ちにくい構造をしています。もちろん、金属が見えることもありません。 装着時の審美性に優れているので他人が気付きにくく、目立ちにくいというメリットがあります。 ⑵取り外しができる マウスピース矯正は、歯に装置ががっちり固定されているわけではないため、患者さまが自分で取り外すことができます。 取り外せるメリットは、歯磨きがしやすいということです。バンドやブラケットがないので、装置周囲の汚れも少なく、フロスや歯間ブラシなどの補助道具も通しやすいというメリットがあります。もちろん歯ブラシもしやすいです。 ⑶比較的痛みが少ない ワイヤーを使って、歯に持続的な力を加えて歯を動かすわけではないため、また一度に大きな力が歯に加わらないため、矯正治療中の痛みが軽減されます。しかし、完全に痛みがないわけではないので注意が必要です。歯に力が加わる以上は多少なりとも痛みを感じることがあります。 ⑷通院回数が少ない マウスピース矯正では矯正装置の調整は不要です。順番通りにマウスピースを付け替えるだけなので、装置の調整を行うために歯科医院を受診する必要はありません。 2〜3ヶ月に1回、歯の動きの状況の確認や虫歯ができていないかなどの確認で十分です。 また、装置が壊れたり、外れてしまったりする心配も少ないので、総合的に見ると通院回数がワイヤー矯正よりも少なく済み、仕事等で忙しい方にも適した治療方法です。 ⑸奥歯を動かすことができるため、抜歯のケースを少なくすることができる ガタガタの歯並び(いわゆる叢生)が生じる原因は、歯の大きさと顎の大きさの不調和にあります。歯の大きさの方が顎の大きさよりも大きければ、歯が完全に並ぶスペースが足りず、重なりが生じ、ガタガタな歯並びになってしまいます。従来はこのスペース不足に対し、抜歯して歯の本数を減らしてスペースを確保していました。 これに対してマウスピース矯正は、奥歯をさらに奥に動かすことができます。奥歯をより奥側に動かすことで歯が並ぶことのできるスペースを確保することができます。 したがって、抜歯することなく、歯をきれいに並べられるようになります。 もちろん、奥歯を動かす量にも限界があり、あまりにも不調和が大きすぎる場合はやむをえず抜歯が必要になることもあります。詳しくは、歯科医師にご相談ください。 ⑹金属アレルギーをおこさない マウスピース矯正では金属をほとんど使いません。歯科用金属の中には、経年的に劣化し、金属が溶け出ることで、お口の中や全身にアレルギー症状を引き起こすことがあります。 金属を使わないマウスピース矯正ならこのような心配は一切ないので、金属アレルギーが理由で矯正治療に抵抗がある人も問題なく装着・治療を行うことができます。 このように、マウスピース矯正には多くのメリットがあります。苦手なことも、組み合わせることで解決することもできます。 マウスピース矯正のデメリット 今度はマウスピース矯正のデメリットについても説明します。 全ての治療にはメリットとデメリットの二面性があります。残念ながら、デメリットのない治療はありません。 だからこそ、メリットとデメリットを知ったうえで、治療を選択することが重要です。 ⑴装着しないと治療が終わらない マウスピース矯正では装置であるマウスピースを患者さま自身が自分でつけなければなりません。つまり、装置の装着をしなければ当然治療が終わることもありません。 ⑵マウスピースを3日ほど忘れただけで入らなくなる 歯の特徴として、「後戻り」があります。マウスピース矯正も例外ではありません。 ワイヤー矯正の場合、装置がずっと装着されているので装着を忘れることも、治療中に前の段階に歯並びが戻ってしまうこともありません。 マウスピース矯正は3日程つけ忘れただけでマウスピースが入らなくなってしまいます。そのくらい歯は動くスピードが早いので、装着が面倒な人や忘れがちな人にはおすすめしません。 ⑶治療効果が装着時間に左右される マウスピース矯正は20時間以上装着することが必要です。したがって、基本的に食事中や歯磨き時以外は常に装着しないといけません。装着時間が短かったり、忘れたりすると十分な治療効果を得ることができないからです。この点、ワイヤー矯正は常にくっついているので、このような心配は一切必要ありません。 ⑷抜歯が必要な症例には不向き メリットでもお話ししましたが、マウスピース矯正は奥歯を動かすことができます。 しかし、それには限界があり、歯の大きさと並べるスペース(顎の大きさ)の不調和が大きすぎる場合は、マウスピース矯正では対応が難しく、抜歯してワイヤー矯正の方が望ましい場合もあります。 このようにマウスピース矯正にもデメリットがあります。 マウスピース矯正が向いている人、向かない人がいるので歯科医師に相談して、慎重に決定することが大切です。 まとめ マウスピース矯正について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。 近年注目を集めているマウスピース矯正はとても画期的かつ魅力的な治療法です。しかし、全ての人が治療適応となるわけではありません。治療の適応、メリット・デメリットをしっかりと理解して、治療を選択するときの一助となれば幸いです。 矯正治療、マウスピース矯正を考えている人や興味がある方は、お気軽に歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしています。

2023.11.10

矯正治療っていいのかな?

みなさんは自分の歯並びは気になりませんか? 近年、コロナによるマスク需要や歯並びに対する関心の高まりから、矯正治療の需要は高まりつつあります。 みなさんの歯並びに対する関心が高まってきているのは、歯科医療者側からするととても嬉しいことです。なぜなら、矯正治療にはメリットが多数あるからです。 今回は、矯正治療に着目して、どんな症状に対して有効なのか、どんなメリットがあるのか、また、デメリットは?といった疑問に答え、「結局、矯正治療ってどうなの」といった問いに対するサポートを提供できればと思います。 矯正治療って何? 歯科医師の矯正治療の教科書には以下のように記載されています。 「矯正治療学とは、歯・顎顔面頭蓋における成長発育やその後の増齢に伴った正常な形態と機能をはじめ、そこに生じた顎の異常な関係や不正咬合の病態を把握した上で、均衡と調和を欠いたそれら諸構造の状態を修復し、もしくは予防することによって、顎口腔機能の向上と顔貌の改善を図り、ひいては患者さんの生活の質向上関与する研究・技術を追求する学問」 このように定義されています。とてもわかりづらいですね。 簡単にいうと、①歯並びや顎の成長の不調を的確に把握し、②それらを治療または予防することで、③顔貌の改善だけでなく、口腔機能の改善や生活の質向上を目指すということが書かれているわけです。 みなさんの矯正治療のイメージは「歯並びを綺麗にする」というイメージをお持ちの方が多いと思います。 もちろんそれも間違っているわけではありませんが、本来の目的の半分程度しか解決できていません。矯正治療も意外と奥が深いということをご理解いただけたでしょうか。 矯正歯科 不正咬合ってどんな症状? 矯正治療の対象となる不正咬合にはどのような症状があるのでしょう。いくつか具体的に見ていきましょう。 ①歯の位置異常 1)転位 歯が歯列弓の正しい位置から逸脱することを指します。歯列よりも内側に逸脱すると舌側転位、外側に逸脱すると頬側転位といいます。このほかにも2種類あります。 2)傾斜 歯の軸が頬側や舌側に傾いていることです。傾く方向には転位と同じように頬側、舌側などの種類があります。 3)移転 歯の萌出位置が隣の歯やもっと離れた別の歯と入れ替わっていることをいいます。 4)捻転 歯が回転して生えている状態です。 ②数歯にわたる位置異常 1)叢生 いわゆる歯並びがガタガタな状態です。複数の歯にわたって、傾斜や転位が生じている状態を指します。 2)正中離開 一般的に上顎の前歯の左右に隙間がある状態です。一般的には「すきっ歯」といわれる状態です。 ③骨格性の異常 顎の骨の成長状態によって生じる異常です。例えば、アントニオ猪木さんのような受け口や明石家さんまさんのような出っ歯などがイメージしやすいです。 これらは歯の位置異常の問題もありますが、顎の骨の成長が足りなかったり、成長しすぎたりすることで生じる顔貌や噛み合わせの不調を指します。 ④咬合関係の異常 1)開咬 カチッと噛んだ時に、数本の歯にわたって上下の歯が接触していない状態です。特に前歯部で見られます。 2)過蓋咬合 カチッと噛んだ時に、前歯部が正常な状態よりも深く咬合している状態を指します。噛んだ特に上の前歯で下の前歯が隠れてしまうような状態です。 不正咬合についていくつか解説しました。これでもほんの一部しかありません。みなさんの歯並びが人それぞれ異なるように、不正咬合もたくさんあります。 不正咬合が生じる原因は様々です。例えば、指しゃぶりやベロ遊びのような悪い習慣や、乳歯の早期の喪失、歯の萌出を妨げる膿の袋などの障害物の存在などあります。 そのほかにも、先天性疾患の1つの症状として口腔内に症状が現れるなどの場合もあります。多種多様な原因が複雑に絡みあって、不正咬合が生じます。 それぞれの原因をしっかりと診断・特定したのちに治療を開始することが重要といえるでしょう。 どのような治療があるの? それではどのような治療法があるのでしょうか。 矯正治療はワイヤーやマウスピースなどの装置を用いて治療することが一般です。材料の力を使って歯並びを整えていく治療装置がメインではありますが、そのほかにも口腔内の筋肉の力を借りて治療する矯正装置もあります。 1)器械的矯正装置 みなさんのイメージするようなワイヤーやマウスピースを用いた材料の力を借りて歯を動かす装置です。具体的にはワイヤー矯正とアライナー矯正があります。 ワイヤー矯正は最も一般的な矯正治療です。歯一本ごとにワイヤーをつけ、ワイヤーを理想の歯並びになるように曲げて装着します。少しずつ理想の歯並びに近づけていく治療です。 基本的にほとんどの症例に対して適応がありますが、何より、見た目が悪くなってしまうという欠点があります。また、装置を調節するときに、自分で取り外すことができません。 アライナー矯正に代表的なものは、インビザライン®️に代表されるマウスピース矯正です。いくつものマウスピースを約1週間間隔ではめていくことで、マウスピースの形になるように歯を動かしていきます。 近年、注目を集めている矯正治療です。取り外しができ、金属ワイヤーを使わないので見た目が気にならないという特徴を持っています。 どちらがいいのかというのはどちらも一長一短です。 それぞれのメリット・デメリットについて今回は述べませんが、気になる方は一度相談することをお勧めします。個々の歯並びに応じてよりベストな治療を提供します。 2)機能的矯正装置 こちらの装置はあまり馴染みがない装置だと思います。多くの場合、小児矯正で用いられます。この装置は、口腔内の悪習癖などによって歯に異常な力が加わり生じる不正咬合に対して、それらを除去することで、口の中の様々な筋肉と調和がとれた歯並びを目指す装置です。 ほとんどの場合取り外しができるという特徴があります。ワイヤーなどの力で歯を無理やり動かすことはしないので歯に比較的優しい矯正治療といえます。 このように矯正治療は大きく分けて小児期に行う場合と、成人以降に行う矯正治療によって用いる矯正装置が異なります。 しかし、歯並びを整え、患者さんの口腔内機能を高めることを最大の目的としていることは変わりません。 何歳から始めればいいの? 矯正治療は何歳から始めればいいのでしょう。そんな疑問を持っている人も少なくないと思います。 「中学生くらいから始めるのが一般的じゃない?」と思われている方もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。 不正咬合や歯並びは小さい時から生じますし、小さい時の口呼吸やベロ遊びなどの悪習癖によって将来の不正咬合の原因となるからです。 つまり、結論としては、矯正治療は「歯が生えていれば年齢は関係ない」というのが最適解になります。 乳歯が生えそろった2〜3歳ぐらいから、予防矯正として悪習癖を除去することも大切ですし、高齢になってから生じる様々な不調に対して、矯正治療が有効であることもあります。 具体的には、抜けてしまった部分をそのまま放置してしまって歯が倒れてしまった場合、矯正治療により元に立て直すことで治療オプションが増えたり、清掃性が向上したりする効果が得られるからです。 このように矯正治療はどの年齢の人に対しても対象となり得ます。遅いことも早いこともありません。矯正治療に興味がある方は是非ともご相談ください。 小児の歯科矯正時期は2つ!永久歯がはえ揃う前と後 小児矯正でお子さまに笑顔と健康を! 矯正治療のメリット・デメリット 矯正治療を行うにあたって、当然ですが、メリットとデメリットが存在します。 まずは、矯正治療のメリットについて簡単にまとめてみましょう。 ①きれいな歯並びを手に入れることができる 皆さんが最もイメージしやすいですね。きれいな歯並びを手に入れることで審美性の向上が図れます。 ②正しい歯列によって口腔内の機能咬合が図れる かみ合わせがしっかりと緊密になるため、噛む能力の向上が図れたり、正しい歯並びになるため、発音がしやすくなったりします。 ③清掃性が向上する ガタガタの歯並びと違い、歯に適切な接触があるため、ホームケアがしやすい状態となる。また、歯間ブラシや糸ようじが通しやすくなります。 ④歯に負担がかかることを防げる 緊密なかみ合わせが得られることで、特定の歯にだけ負担が強くかかる状態を取ることができます。 ⑤治療の幅が広がる 矯正治療を取り入れることで、特に欠損部分にインプラントの埋入が可能になったり、適切な形態のブリッジ作成することができるようになったりと治療のオプションが広がる可能性が期待できます。   次に矯正治療のデメリットについて考えてみましょう。 ①ほとんどが自費診療なため、高額である ほとんどの場合、矯正治療は自費診療になります。したがって、すべての医療費が患者さま負担となり、高額です。 ②治療期間に長い年月を要する 歯を長期間かけて動かすため、年単位の長期経過が必要です。また、その間も装置の調整や口腔内の状態の確認など、たびたび歯科医院を受診する必要があります。 歯の移動が完了した後も、後戻りを防止するために1〜2年間ほどの保定が必要になります。つまり、完全に治療が終了するためには3〜4年ほどの長期経過が必要です。 ③抜歯が必要になることがある 歯を綺麗に並べようとしたときに、歯の大きさと顎の大きさに不調和が生じ、スぺース不足が生じる場合があります。このような場合、健康な歯を抜歯して、歯の本数を減らすことで、スペースを作る必要があります。 ④装置を付けている間は食事がしにくい 装置をつけている間は歯が日に日に動いていきます。このため、一時的に噛み合わせが合わずに、食べ物が食べにくくなることがあります。 また、硬いものを食べると装置が外れてしまうことがあり、装置が外れると歯科医院を受診しなければなりません。装置を装着後すぐは痛みが出ることもあり、うまく食事ができない可能性もあります。 ④口内炎ができやすくなる 金属のワイヤーの端の部分やマウスピースの端の部分が尖っていたり、粘膜に当たっている状態が続いたりすると口内炎が頻発します。 ⑥装置の周りの清掃性が悪くなりやすい 矯正装置の周りは当然ですが汚れがつきやすく、なおかつ複雑な構造をしているため、清掃が難しいです。 このため虫歯のリスクが高まったり歯周病が進行しやすくなったりと、日々のホームケアだけでなく定期的な歯科受診により専門的な口腔清掃を行うことが重要です。 このように矯正治療にもデメリットが存在します。しかし、ほとんどのデメリットは対応可能で、予防することができます。矯正治療にもメリット・デメリットあることを理解して治療を相談、選択できるように全力でサポートします。 矯正治療と予防歯科の関係 矯正治療がどのような治療かについて理解を深めることができたでしょうか? 最後に最も重要な予防歯科との密接な関わりについてお話します。 一見すると予防歯科と矯正治療には関わりが低いように感じるかもしれませんが、そうではありません。むしろ密接に関わっていると言っても過言ではありません。 まず、矯正治療中は装置を装着するため、口の中が不衛生になりやすいというデメリットがありました。このため、虫歯や歯周疾患が発症・進行しやすくなります。 これに対して、矯正治療を行う前からブラッシング指導を受け、徹底することで、矯正装置装着後のブラッシングも適切になります。 また、定期的に歯科医院での専門的な口腔清掃を行うことで、自分では磨けない矯正装置の周囲の隠れた部分の清掃ができます。これにより虫歯や歯周疾患が発症・進行することを予防することができます。 折角、綺麗な歯並びを手に入れたのに虫歯だらけであったり、歯がグラグラで使い物にならなかったりしていては本末転倒です。 そうならないために、矯正治療前、治療中、治療後も予防歯科は極めて重要になります。 また、矯正治療で綺麗な歯並びを手に入れることで、審美性を手に入れることができます。 それだけでなく、ホームケアしやすい歯並びを手に入れることもできます。歯ブラシが届きやすくなり、歯間ブラシやフロスが通しやすくなるため、汚れがつきにくくなることで歯周疾患や虫歯の発症を自分で予防することができます。  このように矯正治療と予防歯科は深く関りがあるため、矯正治療に合わせて予防歯科にも取り組んでいきましょう。 歯のクリーニング 予防歯科 まとめ 矯正治療に興味がある方は、お気軽にご相談ください。 また、今後矯正治療を行いたいと思っている方も今から予防歯科を取り組むことで、矯正治療中や治療後のトラブルのリスク軽減に繋がります。 ご来院をお待ちしております。

2023.10.13

白い詰め物が保険でできる!!〜CAD/CAM〜

みなさんは、虫歯が大きかったり、根っこの治療をしたりした後に歯の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の治療をしたことがあるでしょうか。 当然ですが、虫歯を削った後や根っこの治療をした後は、歯の形になるように詰め物や被せ物の治療が必要になります。なぜなら、噛むといった機能が低下することはもちろんですが、虫歯に対する抵抗力が低い部分が露出している状態では、虫歯がさらに進行することがあるからです。このように詰め物や被せ物は、虫歯・根っこの治療の最終的な治療として位置付けられています。 詰め物・被せ物といえば銀歯のイメージが定着していると思いますが、近年、材料進化や技術の進歩により、白いプラスチックの材料やセラミックといった、より歯に近い色を再現できるものが登場しています。今回は、その中でも特に近年保険適応になった白いプラスチックの材料(CAD/CAM)に注目して説明します。 セラミックは保険でできる?値段は? 詰め物(インレー)と被せ物(クラウン) 虫歯の最終的な治療は詰め物(インレー)と被せ物(クラウン)の2つに大きく分類されます。まずはインレーとクラウンについて理解を深めていきましょう。 インレーは、虫歯を削った後にする詰め物の1つです。最近はコンポジットレジンと呼ばれる材料の改良により、虫歯を削った後、その日にプラスチックを詰めて帰宅できるということも多くなってきています。しかしながら、すべてのケースでコンポジットレジンの即日治療ができるわけではありません。そのため、それぞれの歯の状態、患者さまの咬合の状態を観察し、即日治療ではない方がよい場合にインレーによる治療は選択されます。 歯科医師の教育に用いられる教科書にはインレーとは「虫歯などが原因によって失われた歯冠の部分的な欠損に対して、適切な形態を付与してその部分に適合するように作られたもの」と記載されています。 基本的にインレーの治療には①適合する歯質が残存していること、②歯の部分的な欠損が大きく、コンポジットレジンでの修復が難しいこと、③歯と歯の間の虫歯などが歯ぐきの中にまで入っている場合などに用いられています。 ①はインレーを接着させる歯が必要ということです。インレーは歯の一部分を修復する詰め物です。接着剤で付ける為には残っている歯が必要です。 ②、③はコンポジットレジンの弱点が原因です。コンポジットレジンの弱点は強度が弱いということと、防湿が不十分な時に歯との接着が悪くなるという点です。虫歯が大きい場合、詰めた材料にも大きな負荷がかかります。コンポジットレジンではこの負荷に耐えきれず、欠けてしまうことがあります。また、材料が濡れている状態だと歯と接着不良が起きたり、固まらなくなったりします。虫歯が歯ぐきの中にまで及んでいる時、歯周ポケットにある歯肉溝滲出液により、このような不都合が生じます。 このように、コンポジットレジンでの即日治療の難しい症例に用いられるのがインレーによる治療です。 次にクラウンの治療についてお話しします。クラウンはいわゆる「被せ物」のことです。 歯全体を材料で完全に覆う形の治療になります。クラウンでの治療は①歯の欠損が大きく、残存する歯質が少ない場合、②プラークコントロールの観点から、クラウンの治療が望ましい場合に用いられる治療です。 ①は根っこの治療が必要になるような大きな虫歯を治療した後や詰め物をしていた歯が欠けてしまい、健全な歯が少なくなってしまっている場合、クラウンを被せることで今残っている歯を保存する目的で行われます。 また、②は例えば障害も持っていて、自身でのホームケアが難しい場合に被せ物で蓋をすることで、今後の虫歯の発症リスクを抑えることを目的として行われることがあります。 このように虫歯の最終的な治療には、コンポジットレジンによる即日治療以外にインレーとクラウンの治療があり、それぞれどのような場合に適応になるのか、お分かりいただけたのではないでしょうか。 インレーとクラウン 根管治療 CAD/CAMって何? CAD/CAMは「Computer Aided Design/Computer Aided Manufacture」の略です。つまり、コンピューター上で設計し、その設計データをもとに半自動で製造物を作製するシステムのことです。 CAD/CAMでインレーやクラウンを作るにはいくつかのステップを踏む必要があります。 まずはインレーやクラウンに適した形に歯を整えます。次にスキャナーを用いて、形を整えた歯をスキャニングします。あるいは、歯の型をとり模型を作製した上で、模型をスキャニングします。 どちらも良い点、悪い点がありますが、患者さまに負担が少ないのは、型取りをしない、直接スキャニングをする方法です。スキャニングしたデータを用いてインレーや被せ物の形をパソコン上で設計していきます。設計されたデータをもとに、材料のインゴット(塊)から、削り出していきます。最終的に削り出された作製物を患者さまの口腔内に装着して治療終了になります。 このように本来、人が行う工程をコンピューターが行うことで材料の無駄遣いや作業効率の改善が望めるのがメリットです。しかし、コンピューターが作製するものであるため、繊細な作業が苦手であることがデメリットです。 近年歯科医療では、このCAD/CAMシステムを用いて、インレーやクラウンを作製し、それを患者さまの口腔内に装着する機会が増えてきました。A Iが呟かれる現代社会にとって、医療でもコンピューターの介入は当然の時代の流れと言えるでしょう。 CAD/CAMインレー・クラウンのメリット  それでは、CAD/CAMでの補綴治療のメリットは何でしょうか。基本的に同じ保険診療で取り扱われる、いわゆる銀歯との違いを見ながら説明します。 ①条件はあるものの、ほとんどすべての歯に対して保険適応であること 保険診療には様々なルールが存在します。CAD/CAMも例外ではありません。詳細については後述しますが、この条件をクリアすれば、どんな人にも、ほぼすべての歯で白い材料でのインレーやクラウンの作製が可能になります。 ②保健適応の場合、3割負担と経済的負担が小さい 保険診療の場合、治療費の支払いが3割負担になるため、比較的安価で治療可能です。 ③生体親和性が比較的高い材料であるため金属と比較してアレルギーの原因となる可能性が低い 金属を用いた場合、口腔内の歯科用金属が原因でアレルギーを惹起することがあります。症状としては、口腔内の違和感や、びらん、皮疹など様々です。しかし、CAD/CAMインレーやクラウンでは、この心配がありません。 ④歯に近い色を再現できるため、審美性が優れる 金属と違い、歯と似た色のインレー、クラウンの作製が可能です。一見すると、全く気付かないという場合もあります。金属の場合は、すぐに気づきます。特に比較的前歯に近い小臼歯部などは、審美性の観点から良い選択肢になり得ます。 ⑤歯の硬さと近い性質を持っているため、咬合力が加わった時の歯のひずみが小さく、自分の歯にも優しい 金属と歯では、硬さに大きな違いがあります。一般に歯と近い硬さの材料の方が、咬合力が加わった時に生じる詰め物と歯の間のひずみが小さく、クラック(ヒビ割れ)の生じるリスクが低いです。CAD/CAMではこの性質が歯に近く、自身の歯を守る観点でも非常に有用です。 ⑥口腔内スキャナーで印象採得ができる 歯科医院での型取りが苦手な人も多いことでしょう。嘔吐反射が強い方も多く、苦痛に感じる人がほとんどだと思います。しかしCAD/CAMでの作製の場合、口腔内のスキャナーを用いることができるため、患者さまの負担を少なく、印象採得をすることができます。 このようにCAD/CAMでの作製では、メリットが多く存在します。 なぜセラミックが良いのか CAD/CAMインレー・クラウンのデメリット 先ほどメリットについてお話しましたが、すべての治療が良い点ばかりではありません。もちろんCAD/CAMによる治療にもデメリットがあります。ここでは、治療をより深く知っていただくために、デメリットについてもご紹介します。 ①保険適応上のルールの存在 先述のとおり、保険診療を行うにはルールがあります。すべての人に例外なくCAD/CAMが用いられるわけではありません。 ②耐久性が金属に劣る 材料の性質上、耐久性が金属に比べて劣ります。睡眠時の食いしばりや、歯軋りでは、体重の3倍ほどの力がかかると言われています。CAD/CAMの場合、この力に耐えられず、インレー、クラウンが欠けてしまうことがあります。 ③歯の切削量が金属よりも多くなる ②と被るところがあります。CAD/CAMは耐久性で金属に劣るため、作製物そのものに厚みが必要になります。作製物に厚みが必要ということは、その分大きく歯を削る必要があります。このため、神経が生きている歯の場合、凍みる症状が出やすくなったり、最悪、神経の処置が必要になったりすることがあります。 ④摩耗に弱く、経年的にすり減る これも金属と比較して、強度が劣るため生じます。ブラッシング圧などが強すぎるとインレーやクラウンが摩耗し、再作製が必要になることもあります。 ⑤変色する可能性 CAD/CAMは吸水性のある材料です。虫歯治療でプラスチックの詰め物が5年後、10年後になって、色調が合わなくなってしまった経験がある人もいると思います。それと全く同じ現象が、CAD/CAMでも生じます。 このように、CAD/CAMでの治療には、メリット、デメリット共に存在します。どれが良いかというのは、患者さま自身に決めてもらわなければなりません。自分の体に行う治療であるため、どれが良い治療なのか気になることがあれば、担当者に気軽にお尋ねください。 虫歯治療の流れ CAD/CAMの適応 CAD/CAMを保険で治療選択するためは様々なルールが存在すると言いました。具体的にどのようなルールがあるかをみていきましょう。 ①金属アレルギーを有している方 歯科金属には多くの種類の金属があります。これらの金属に対して、アレルギー反応が生じる方もいます。皮膚科等で正しい検査を行い、該当する金属にアレルギーがあると保険診療で行うことができます。ただし、治療を行うにあたり、医科診療機関に、歯科医師から診療情報提供を行い、意見を聞く必要があります。 ②前歯、小臼歯に使用する場合 ③上下両側の第二大臼歯が存在し、咬合支持がある場合 過大な咬合圧が加わらないようにして第一大臼歯に治療を行うことができます。 大きくこの3つが保険診療を行う上で、存在するルールです。これらの条件をクリアして初めて保険診療でCAD/CAMを行うことができます。 審美歯科 まとめ  今回はCAD/CAMの特徴についてお話ししました。少しでもご理解いただけたでしょうか。保険診療で白い歯を入れることができるということは非常に魅力的です。興味がある方はお気軽にご相談ください。 しかし、最も大切なことは、そもそも虫歯にならないようにするということです。やはり、自分の歯に勝る材料は存在しません。歯を削っていけば、そこから少しずつ弱っていきます。やがて大きくなり、最悪の状態にならないためにも、日々の口腔内ケアや定期的な歯科受診が重要です。また、重症化を予防するためにも定期的な歯科医院の受診を行うことを強くお勧めします。 みなさんのご来院を心よりお待ちしております。

2023.09.21

歯科と栄養が出会ったら?

普段何気なく食べている食品 美肌やダイエットにはこの食品が効果的!免疫力アップにはこの食品が効果的だと聞いた!骨を丈夫にするにはカルシウムを摂取するのが良いなど、健康効果を意識して様々な食品や栄養素を選んでいるがあるかと思いますが、歯に対してどうでしょうか? 歯に対して「この食品は効果的だから食べよう!」「この飲み物は効果的だから飲もう!」といったことは少ないかと思われます。 今回は歯に対して効果的な食品・栄養素のお話です。 虫歯の予防効果を期待するなら 虫歯予防の基本の「き」は歯磨きですが、それ以外にも予防効果のある栄養素の摂取も有効です。 今回は「カルシウム」についてです。そもそもカルシウムとは、体重の1~2%(体重50㎏の人で約1㎏)含まれていて、生体内に最も多く存在するミネラルです。その中でも99%はリン酸と結合したリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)として、歯や骨などに存在し、残りの1%は血液や筋肉、神経組織にイオンや種々の塩として存在しています。 歯に関していうと、歯の表面にあたるエナメル質のミネラル(無機質)含有率は95%になり、主成分がカルシウムとハイドロキシアパタイト(石灰化成分)となります。また、エナメル質の下にある象牙質も70%がカルシウムとハイドロキシアパタイトで形成されています。 歯のエナメル質は酸によって溶け出していくのですが、その歯の溶け出したエナメル質部分を修復し、歯に戻してくれる働きを“再石灰化”といいます。この再石灰化を促すためにも、カルシウムの摂取は欠かせません。逆にカルシウム不足によって再石灰化が防げられると、再石灰化と脱灰のバランスが崩れ、虫歯になるリスクが高くなってしまいます。 カルシウムを多く含む食品 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど) 骨ごと食べられる小魚 大豆製品(豆腐、納豆など) 野菜類 海藻 この中でも、効率的にカルシウムを摂取するのには牛乳や乳製品が最適です。他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高いうえ、1回の摂取量も多く摂ることができて、効率よくカルシウムがとれます。 牛乳・乳製品を中心に、小魚、海藻、豆類、野菜等の食品からバランスよく摂りましょう。ちなみに、カルシウムの利用効率を高めるためには、ビタミンDが必要です。ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートし、強い骨を維持するためにも欠かせません。また、それだけにとどまらず、筋肉を動かしたり、全身に指令を送る神経伝達の促進、免疫機能向上など、生きるために欠かせない役目も多く担っています。 ビタミンDを多く含む食材は魚(イワシ、サンマ、サケなど)きのこ(きくらげ、しいたけなど)、牛レバーなどがあります。また、日光を浴びることでビタミンDは体内で生成されるため、散歩や外で遊ぶなどして日光を浴びることも大切です。 摂取したカルシウムを無駄にしないためには? カルシウムを意識して摂取を行っても、無駄にしてしまう場合があります。 それはリンの過剰摂取です。リンとカルシウムはくっついてしまうと、小腸で吸収されにくくなってしまいます。リンは魚類や乳製品、大豆、肉類などの一般的な食品に含まれている成分ですが、スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれている過剰なリンは、体内のカルシウムを排泄してしまいます。また、精製された糖も摂りすぎてしまうと、食事で摂取したカルシウムの80%近くを体外に排出してしまいます。 リンは生体には必要な栄養素ですが、過剰摂取には気をつけましょう。 カルシウムの吸収を阻害する物質 シュウ酸(ほうれん草のあく) 過剰の食物繊維(サプリメントの摂り過ぎに注意) 過剰のリン(加工食品、清涼飲料水など) 残念ながら、出来てしまった虫歯が自然に治ることはありませんが、虫歯を予防する・歯を強くするということは、日常生活の中でオーラルケアや食生活を意識することで改善期待できます。楽しく美味しく食事をして、健康で強い歯を目指しましょう。 予防歯科

2023.09.08

インプラント治療とは

インプラント治療とは、歯の欠損した部分に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療方法です。 欠損した歯を取り戻すための優れたオプションとして、選ばれています。 インプラント インプラント治療の主な流れ ①検査と診断 まず、歯科医師が患者さまの歯と口腔の状態を詳しく検査し、治療計画を立てます。 レントゲンやCTスキャンを用いて、骨の密度や量を確認し、インプラントを適切に配置する位置を決定します。 ②インプラントの埋入 インプラント治療では、歯ぐきを切開して顎の骨に穴を開け、人工の歯根(インプラント)を埋め込みます。インプラントは一般的にチタン製で、体に対して親和性が高く、骨との結合が良好になります。 ③インプラント体と骨との結合 埋め込まれたインプラントは、周囲の骨と結合する過程が必要です。骨と結合するまでは数ヶ月かかる場合もありますが、骨とのしっかりとした結合が治療の成功に欠かせない重要なステップです。 ④人工の歯の取り付け インプラントが十分に骨と結合した後、人工の歯冠(クラウン)やブリッジを取り付けます。これにより、欠損した歯を再現し、自然な見た目と機能を取り戻すことができます。 インプラント治療は、他の治療法と比べて多くのメリットがあります。周囲の歯を削る必要がないため、隣接する歯への負担が少なく、自然な咬合を保つことができます。また、インプラントは寿命が長く、適切なケアを行うことで長期にわたって使用できることも特徴です。 しかし、インプラント治療は個人によって適応が異なる場合があります。カウンセリングや詳細な検査を受けることで、最適な治療計画を立てることが重要です。インプラント治療について興味がある場合は、歯科医師と相談し、自分に適した治療法を見つけてください。 インプラント治療ができる人・できない人 インプラント治療ができる人 成人であること 成人であることが基本的な条件です。未成年者は、骨の発達が未熟であるため、インプラント治療が適していない場合があります。 十分な骨量と骨質 インプラントは顎の骨に埋め込まれるため、十分な骨量と骨質が必要です。骨量や質が不足している場合は、骨移植などの手術を経てインプラント治療を検討することもあります。 健康な歯ぐき: インプラントは歯ぐきにしっかりと固定されるため、健康的な歯ぐきが重要です。歯周病などの歯ぐきの状態が悪い場合は、治療前に歯ぐきの健康を回復させる必要があります。 ■インプラント治療ができない人 未成年者 骨の成長が未熟な未成年者は、インプラント治療が適していない場合があります。 骨量や骨質の不足 顎の骨に十分な量や質がない場合、インプラントの安定した埋入が難しいため治療が困難な場合があります。 重度の歯周病 歯周病が進行している場合は、インプラントの成功率が低下する可能性があるため、歯周病の治療が優先される場合があります。 免疫力の低下や重大な健康問題 免疫力が低下している方や重大な健康問題を抱えている方は、インプラント治療が適さない場合があります。 インプラント治療については、患者さまの個別の状態によって異なりますので、歯科医師とのカウンセリングや検査を受けることで、適切な治療計画が立てられます。 インプラント相談 歯を失った場合の治療選択肢 歯を失った場合、患者さまにはいくつかの治療選択肢があります。失った歯を適切に補うことは、咬む機能や話す能力、見た目の美しさを取り戻すために非常に重要です。以下に、歯を失った時の主な治療の選択肢をご紹介いたします。 インプラント治療 インプラント治療は、失った歯の欠損部分に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける治療法です。 周囲の歯を削る必要がなく、隣接する歯に負担がかからないため、優れたオプションとされています。また、インプラントは寿命が長く、自然な見た目と機能性を持つ歯を再現することができます。 ブリッジ治療 ブリッジ治療は、失った歯の両側の歯に被せるクラウン(冠)を用いて、欠損した歯を補う治療法です。周囲の歯に対して削る必要がありますが、比較的早い段階で補綴が可能であり、歯並びを整える効果もあります。 入れ歯: 歯を失った場合の治療の一つとして「入れ歯」があります。入れ歯は、欠損した歯を補うための人工の歯を入れたプラスチック製の補綴物です。入れ歯は取り外し可能な補綴物であるため、簡単に装着や取り外しができます。食事の際や口腔の清掃時に便利です。 入れ歯 これらの治療選択肢は、患者さまの状態や希望によって異なります。歯科医師とのカウンセリングを通じて、最適な治療計画を立てることが重要です。 失った歯を補うことで、快適な咀嚼や美しい笑顔を取り戻し、口腔の健康を維持することができます。 虫歯を放置するとおこるリスク インプラント治療の痛み インプラント治療において、患者さまが一番気になる点の一つが「痛み」です。しかし、現代の歯科医療技術の進歩により、インプラント治療は比較的少ない痛みで行われることが一般的です。以下に、インプラント治療における痛みについて説明いたします。 麻酔による痛みの軽減 インプラント治療では、手術前に局部麻酔が行われます。この麻酔により、治療する部位が無感覚になり、手術中は痛みを感じることがありません。麻酔によって患者さまの快適な治療をサポートします。 手術後の痛み インプラント手術後、軽い不快感や腫れ、違和感がある場合があります。しかし、一般的には鎮痛薬を処方することでこれらの症状を軽減できます。また、手術後の痛みは個人差があり、多くの患者さまが比較的軽度の痛みを経験する程度です。 痛みの持続期間 インプラント治療後の痛みは通常数日から数週間程度で軽減し、治療が進むにつれて痛みがなくなります。ただし、手術の複雑さや患者さまの体質によって痛みの持続期間には個人差があります。 メンタル面の影響 痛みに対する感受性は個人によって異なります。インプラント治療の際には、手術に対する不安や恐れが痛みを強く感じさせることがあります。リラックスした状態で治療に臨むことで、痛みの感じ方を軽減することができます。 重要な点は、治療中や治療後の痛みについては歯科医師に正直に伝えることです。歯科医師は患者さまの状態に合わせて適切な薬を処方し、痛みを最小限に抑えるための対策を取ります。 インプラント治療は痛みを最小限に抑えることができる安全で効果的な治療法です。リラックスした状態で治療を受けることで、快適な治療が行えます。 インプラント治療と歯周病】 インプラント治療を受ける際には、歯周病の有無や歯周病の進行度が重要な要素となります。歯周病は、歯とその周囲の組織に影響を及ぼす慢性的な炎症疾患であり、歯周組織の健康がインプラントの成功に影響を与えることがあります。 歯周病は、顎の骨や歯周組織を徐々に破壊する病気です。 インプラント治療の成功には、インプラントを埋入する顎の骨の健康と十分な量の骨が必要です。歯周病が進行していると、骨の量が減少し、インプラントの安定性が低下する可能性があります。 歯周病が進行している場合、インプラント治療を行う前にまず歯周病の治療が必要です。歯周病の進行を止め、歯周組織の健康を回復させることで、インプラント治療の成功率を高めることができます。 インプラント治療後も歯周病の管理が重要です。定期的な歯科検診や歯周組織のメインテナンスを行うことで、インプラント周囲の歯周組織を健康な状態に保ちます。歯周病が再発した場合は、早期に治療を行うことでインプラントの寿命を延ばすことができます。 インプラント治療を受ける前に、歯周病の予防にも努めることが重要です。定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを行い、歯周病のリスクを最小限に抑えることが大切です。 インプラント治療は、顎の骨の健康や歯周組織の状態によって成功率が変わる治療法です。歯周病の有無や進行度については、歯科医師とのカウンセリングや検査を通じて適切な判断を行い、最適な治療プランを立てることが重要です。インプラント治療の成功に向けて、歯周病の管理と予防に努めましょう。 インプラント治療と歯周治療 まとめ インプラント治療は、欠損した歯を補うための優れた歯科治療法です。 インプラントは人工の歯根として機能し、顎の骨にしっかりと結合します。その上に人工の歯を取り付けることで、自然な見た目と機能性を持つ歯を再現することができます。 この治療法は、骨の量や質が十分な患者さんであれば、歯を削る必要がなく、周囲の歯に負担をかけることなく欠損歯を補うことができます。 また、インプラントは周囲の歯や歯ぐきに負担をかけることなく、歯の噛む力を効果的に伝えるため、快適な咀嚼が可能です。 インプラント治療は、一度しっかりとした手術が必要な治療法であり、治療期間が比較的長いことも特徴です。しかし、その対価として、審美性と機能性が高い歯を得ることができます。 最も重要な点は、インプラント治療は患者さんの個別の状態に合わせて行われるため、しっかりとした診断と計画が必要です。治療前には患者さんと歯科医師がしっかりと相談し、治療に対する理解と協力が大切です。 インプラント治療は、欠損歯の補綴において高い成功率と満足度を誇る治療法であり、自然な笑顔と咀嚼機能の回復に貢献します。歯の欠損でお悩みの方は、ぜひ当医院(下北沢歯科)にご相談ください。

2023.08.11

失った歯を補う方法とは?
セラミック、インプラント、入れ歯について徹底解説

歯を喪失した際の代表的な治療方法として、セラミック、インプラント、入れ歯があります。今回は、これらの治療方法のメリット・デメリットや治療の流れについて説明します。 セラミック治療のメリット・デメリットと治療の流れ 歯の一部を補う治療方法として、詰め物や被せ物があります。その材料には、金属、白いプラスチック、陶材などに使用されるセラミックなどが用いられます。この項目では、セラミックを使用した治療のメリット・デメリットについて説明します。 まる歯のセラミック セラミック治療のメリット ●見た目が良い セラミックの詰め物や被せ物は天然歯に近い色を表現できるため、見た目が非常に良いという特徴があります。 ●長持ちする セラミックは化学的に安定しているため、劣化しにくく、適切なブラッシングやメインテナンスにより約10年程度持ちます。 ●虫歯になりにくい セラミックは歯との適合性が良いことから、歯とセラミックの間に隙間が生じにくく、虫歯になりにくいという特徴があります。また、表面がツルツルしているため、プラークなどの汚れが付きにくくお口の中を清潔に保ちやすいという特徴もあります。 ●変色しにくい 保健診療で使用される白いプラスチックのコンポレットレジンは、長期間使用すると劣化し、変色します。しかしセラミックは、長期間使用しても劣化しにくく、変色しにくいという特徴があります。 ●材質によっては割れにくい 衝撃に弱い素材もありますが、人工ダイヤモンドとも呼ばれているジルコニアは、天然の歯よりも固く丈夫な素材です。奥歯など負担がかかりやすい箇所には丈夫な材質の選択をすることで割れにくく、長持ちさせることができます。 セラミック治療のデメリット ●費用が高い セラミック治療は自費診療のため費用が高額になります。 ●歯を削る量が多い セラミック治療では、治療する歯の形態を整える必要があり、歯を削る量が多くなります。 ●衝撃に弱い素材もある セラミックは衝撃が加わると破折の原因になります。そのため、食いしばりや歯ぎしりなどがある人はセラミックが破損する可能性が高くなります。 特に奥歯など負担がかかる場所は強度の高いジルコニアを選択するなど、担当医とよく相談しましょう。 以上がセラミック治療のメリット・デメリットです。次にセラミック治療の流れについて説明します。 なぜセラミックがいいのか セラミック治療の流れ ①カウンセリング セラミック治療のメリットやデメリットなどの説明を行います。また、お口の中を診察し、虫歯や歯周病、食いしばりなどの有無を確認します。 ②歯の形態修正 治療する歯の形態を整えます。ブリッジ型のセラミックを装着する場合は、失った歯の両隣の歯の形態を整えます。 ③型どり 歯の形態を整えた後は、歯の型を取ります。この時に作製するセラミックの色を決定します。 ④仮歯の装着 セラミックの被せ物が完成するまで仮歯を装着します。 ⑤セラミックの装着 噛み合わせなどを調節後、セラミックの歯を装着します。 セラミック治療 インプラント治療のメリット・デメリットと治療の流れ インプラント治療は、インプラント体と呼ばれる歯の根っこに相当する部分を顎の骨に直接埋め込むことで失った歯を補う治療方法です。 この項目では、まずインプラント治療のメリット・デメリットについて説明します。 インプラント インプラント治療のメリット ●健康な歯を削らない セラミックのブリッジや入れ歯の場合、無くなった歯の隣の健康な歯を削ります。しかし、インプラント治療では、歯を装着する土台を顎に埋め込むので、健康な歯を削る必要がありません。 ●見た目が良い インプラントの人工歯は、天然の歯の色に近い素材が使用されています。そのため、見た目が良いという特徴があります。 ●よく噛める インプラントは顎の骨に直接埋め込まれるので物を噛んだ時の感覚が自分の歯でかんだ時の感覚と近いと言われています。 インプラント治療のデメリット ●費用が高い インプラント治療は自費診療のため、費用の相場が30〜50万円と高額になります。 ●治療期間が長い インプラント治療の治療期間は、3ヶ月〜1年と言われています。これはインプラント体と顎の骨が結合するまでに時間がかかるためです。 ●手術のリスクがある インプラント治療では、顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋入します。その際に、血管や神経を傷つけるリスクがあります。神経が傷ついた場合、麻痺や痺れが表れます。 以上がインプラント治療のメリット・デメリットです。次にインプラントの流れについて説明します。 インプラント治療の流れ カウンセリング インプラント治療を開始する前にカウンセリングを行います。ここでは治療についての説明が行われ、患者さまの希望や疑問について話し合います。 ①検査 虫歯の有無、歯周病の検査、レントゲン撮影、頭部のCTスキャンなど行われます。骨の密度や虫歯の有無、神経や血管の走行などを確認します。 ②術前処置 虫歯や歯周病の治療・クリーニングが必要な場合には優先的に治療し、その後インプラント治療に入ります。 ④インプラント手術(1回目) インプラント手術は2回に分けて行われます。1回目の手術では、インプラント体と呼ばれる歯の根に相当する部分を顎の骨に埋め込みます。手術内容としては、まず局所麻酔を行った後、歯ぐきを切開してインプラント体を顎の骨に埋入します。埋入後、歯ぐきを縫合し終了です。 ③インプラント手術(2回目) 1回目の手術後インプラント体の定着を待つため、数ヶ月経過した後に2回目の手術を行います。2回目の手術では、インプラント体と人工歯をつなげるアバットメントと呼ばれる部品をインプラント体に取り付けます。手術内容としては、術後一度閉じた歯ぐきを切開し、インプラント体を露出させ、アバットメントを接続します。 ⑥型どり 歯ぐきの傷が治った後に人工歯を作るための型どりを行います。その際に人工歯の色を決定します。 ⑦人工歯の装着 人工歯の完成後、アバットメントに人工歯を取り付けインプラント治療は終了です。 ⑧定期検診・メインテナンス インプラント治療後のトラブルとしてインプラント周囲炎があります。インプラント周囲炎が重症化するとインプラントが取れてしまうことがあります。清掃不良によるインプラント周囲炎を予防するために3ヶ月ごとの定期検診とメインテナンスは、必ず受診しましょう。 インプラント症例 入れ歯のメリット・デメリットと治療の流れ 入れ歯には大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯の2種類あります。部分入れ歯は、歯を部分的に失い、ご自身の歯が何本か残っている場合に使用し、総入れ歯は、ご自身の歯が一本も残ってない場合に使用する入れ歯です。 この項目ではまず、入れ歯のメリット・デメリットについて説明します。 入れ歯 入れ歯のメリット ●取り外しができる インプラントやセラミックと異なり、入れ歯は自由に取り外しができます。そのため、入れ歯を取ってお口の中や入れ歯を清掃でき、入れ歯が壊れた場合には修理がしやすくなります。 ●治療費が安い 保険適用の入れ歯があるため、治療費がインプラントやセラミックに比べて安価です。 入れ歯のデメリット ●見た目が悪い 部分入れ歯では、入れ歯を安定させるために金属の金具を取り付けます。この金具がお口を開けた時に見えるため見た目が悪くなります。 ●噛みにくい インプラントやセラミックに比べて安定性が劣るため噛みにくいという特徴があります。 ●食後清掃する必要がある 入れ歯はプラスチックでできています。そのため食べ物が付着しやすく、入れ歯が汚れた状態で放置するとカビが生える原因になります。 以上が入れ歯のメリット・デメリットです。次に入れ歯治療の流れについて説明します。 入れ歯で後悔しないために 入れ歯治療の流れ 前処置 患者さまと相談の上で入れ歯の形態を決定します。また、金属の金具がかかる歯の形態を整えます。 ②型どり 前処置の終了後、型どりを行います。おおまかな歯の型どりと精密な型どりの2回に分けることがあります。 ③かみ合わせの採取 ②で採取した型を基に咬合床(こうごうしょう)と呼ばれる噛み合わせを取るための装置が作られます。この装置をお口の中に入れ、人工歯を並べるために必要なかみ合わせの位置を記録します。 ④入れ歯の試適 人工歯を仮に並べたものを試適します。かみ合わせがずれている場合は、再度かみ合わせの採取を行います。 ⑤入れ歯の完成 完成した入れ歯を装着し、かみ合わせや適合の確認を行います。 入れ歯をなくす・なくしたときはどうする? まとめ 今回は、失った歯を補う代表的な治療方法であるセラミック、インプラント、入れ歯について説明しました。 今回紹介した3つの治療には様々なメリットやデメリットがあります。これらの治療の特徴を踏まえた上で、ご自身に合った治療を選択しましょう。

2023.07.14

歯ぐきの色が暗い(黒い)主な原因はコレ!

健康的な歯ぐき 健康的な歯ぐきは、ピンク色で引き締まっていて、歯垢や歯石がない状態です。 歯ぐきが健康的であることは、口の中の健康を保つためにも非常に重要です。 しかし、歯ぐきが黒くなってしまうことがあります。そこで、今回は歯ぐきが黒くなる原因について詳しく説明します。 色:ピンク 健康的な歯ぐきの色は、ピンク色です。 ピンク色の歯ぐきは、血液の循環が良好で、健康的な状態を表しています。 一方、歯ぐきが赤くなってしまうと、炎症を起こしている可能性があります。炎症を放置すると、歯周病や虫歯の原因になることがあるので、早めに歯医者さんに相談しましょう。 引き締まっている 健康的な歯ぐきは、引き締まっています。 引き締まっている歯ぐきは、歯をしっかりとサポートし、虫歯や歯周病を予防する役割があります。 一方、歯ぐきが腫れている場合は、炎症を起こしている可能性があります。炎症を放置すると、歯周病や虫歯の原因になることがあるので、早めに歯医者さんに相談しましょう。 歯垢・歯石がない 健康的な歯ぐきには、歯垢や歯石が付着していません。 歯垢や歯石がたまると、歯周病や虫歯の原因になることがあります。定期的な歯磨きや歯科検診を行い、歯垢や歯石を取り除くことが大切です。 歯ぐきが黒い原因 歯ぐきが黒くなる原因は、主に歯周病や生活習慣、喫煙習慣が挙げられます。 歯周病 歯周病は、歯ぐきが炎症を起こす病気です。 歯周病が進行すると、歯ぐきが腫れたり、出血したりすることがあります。 歯周病が進行すると、炎症により出血した血液と歯垢が混じった赤黒い歯石がたまってしまい、歯ぐきが赤黒く見えることがあります。 生活習慣 歯ぐきが黒くなる原因として、生活習慣が挙げられます。 糖分の多い食べ物や甘い飲み物、歯磨きの不十分な状態などが、歯ぐきを傷つける原因となり、歯ぐきが黒くなることがあります。 喫煙習慣 喫煙習慣は、歯ぐきが黒くなる原因の一つです。 喫煙によって毛細血管が収縮し、血の量が減ることで歯ぐきが黒く見えます。また、色素沈着もおこりやすくなり、喫煙歴が長い方ほど歯ぐきは黒いでしょう。 歯ぐきが黒い場合の治療法 歯ぐきが黒くなってしまった場合でも、原因に合った治療法で改善することができます。 歯ぐきのピーリング ガムピーリングといい、歯ぐきのピーリングで黒ずみをはがすことができます。 歯ぐきのピーリングは、歯医者さんで行われる治療の一つで、歯ぐきに薬剤を塗り、上皮にある着色の素となるメラニン除去を行い、本来のピンク色の歯ぐきにする治療です。 施術後数日で日焼けの後のように表面が一層剥がれてきれいなピンク色になります。 コラム ガムピーリングについて 歯周病 歯周病が原因で歯ぐきが黒くなっている場合は、歯周病の治療が必要です。 歯周病の治療は、歯科医院での治療とセルフケアです。歯周病が進行している場合は、手術が必要になることがあります。 歯周病 禁煙 喫煙習慣が原因で歯ぐきが黒くなっている場合は、禁煙することが根本的な解決になります。 ガムピーリングなどによって一度綺麗にできても、喫煙を続けている限り綺麗を維持することはできません。 まとめ 歯ぐきが黒くなる原因は、歯周病や生活習慣、喫煙習慣が挙げられます。 歯ぐきが黒くなってしまった場合は、歯周病の治療や禁煙、歯ぐきのピーリングが有効です。 しかし、歯ぐきが黒くならないようにするためには、正しい歯磨きを心がけ、健康的な食生活や禁煙などの生活習慣の改善が大切です。 歯ぐきの健康を守り、美しい歯並びを維持するために、定期的な歯科検診も必要です。

2023.06.09

歯磨きだけでは不十分!?歯医者で歯のクリーニングが大切な理由

歯のクリーニングとは、歯医者さんが専用の器具を使って、歯に付いた歯垢や歯石を取り除くことです。 歯垢や歯石は、普段の歯磨きでは取り切れない場合があり、放置すると虫歯や歯周病の原因になることがあります。 そこで、定期的に歯医者さんでのクリーニングを受けることで、健康な口内環境を維持することができます。 歯のクリーニング 歯医者のクリーニングの料金 歯医者さんで行うクリーニングには、保険適用のものと自由診療のものがあります。それぞれの料金について説明します。 保険適用の場合 保険適用のクリーニングは、歯垢や歯石を取り除く治療です。 1回あたりの費用は、約1,000円前後(3割負担)です。 ※別途初診料等がかかります。 自由診療の場合 自由診療のクリーニングには、保険が適用されません。 しかし、保険適用のクリーニングとは違い、より丁寧な治療が受けられます。 当院の自由診療のクリーニングは、着色落とし5,500円と定期検診(歯石や着色の除去+虫歯のチェックなどを含みます)8,800円の2種類です。 保険と自費の違い 保険適用のクリーニングと自由診療のクリーニングには、どのような違いがあるのでしょうか? それぞれ解説します。 保険適用のクリーニングは治療が目的 保険適用のクリーニングは、歯周病の治療とそこから改善した状態の維持になります。 その歯周病の治療にあたるのが、歯垢や歯石を取り除くことです。 虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を取り除くことで、口臭の原因も取り除くことができます。 自由診療のクリーニング「PMTC」とは? 自由診療のクリーニングになるのは、治療目的の保険適用クリーニングとは違い、歯周病ではない健康な歯肉の方がクリーニングをしたい場合になります。 その中でも、特に人気があるのが「PMTC」と呼ばれるクリーニング方法です。 PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略称で、専用の機器を使って歯垢や歯石を除去する方法です。 PMTCは、通常のクリーニングとは異なり、歯科衛生士さんが手作業で行うことが多く、通常のクリーニングよりも時間がかかることがあります。 また、歯科医院によっては、PMTCを行う際には別途料金が必要な場合もあります。 保険と自費のクリーニングについて 歯のクリーニングで得られるメリット クリーニングには、以下のようなメリットがあります。 歯石が取れる 歯石とは、歯垢が長期間歯に付着して固まり、歯ブラシなどで落とせなくなったものです。 歯石は溜まると、口臭や歯周病の原因となり、表面がざらざらしているのでそこに更に汚れがたまりやすい環境になります。 歯科医師が専用の器具を使って、歯石を取り除いてくれるので、スッキリとした口内環境を維持することができます。 歯の美しさを取り戻す 歯の表面についた着色汚れや、コーヒーや紅茶などの色素を含む飲み物や、タバコなどが原因で、歯が黄ばんでしまうことがあります。 クリーニングでは、これらの汚れを専用の器具を使って取り除くことができます。 歯がきれいになることで、自信を持って笑顔を見せることができます。 虫歯や歯周病予防 歯垢や歯石がたまると、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。 また、歯周病は放置すると、最悪の場合、歯を失うことにもつながります。クリーニングを定期的に受けることで、これらの病気を予防することができます。 口臭予防 口臭は、歯周病や歯垢、歯石が原因となることが多いです。 クリーニングを定期的に受けることで、口内環境を整え、口臭を予防することができます。 歯のクリーニングで歯石・バイオフィルム除去! まとめ 歯のクリーニングは、歯医者さんが専用の器具を使って歯垢や歯石を取り除く治療です。 普段の歯磨きでは取り切れない歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因になることがあります。 定期的に歯医者さんでのクリーニングを受けることで、健康な口内環境を維持することができます。 保険適用のクリーニングは、1回あたりの費用が約1,000前後(3割負担)で、1年に2回までが適用されます。 一方、自由診療のクリーニングには保険が適用されず、約5,500円~11,000円程度の費用がかかります。 クリーニングには、歯石を取り除くことで口臭や歯周病の予防、着色汚れや歯の黄ばみを取り除き美しくする、虫歯や歯周病の予防などのメリットがあります。 長らく歯医者にっていないという方はこの機会にぜひ、クリーニングでの来院をご検討ください。

2023.05.12

インプラント治療は保険適用になるの?

歯科治療におけるインプラント治療は、歯の治療方法の中でも最も高度なものの一つであり、その治療費も高額となることが多くあります。 インプラント治療には保険が適用される場合とされない場合がありますが、多くの場合、保険は適用されず、治療費は自己負担となります。 ここでは、インプラント治療における保険適用外の費用の内訳、保険適用になる例外、治療費支払いの負担を抑えるための方法について詳しく説明します。 インプラント 保険適用外 インプラント治療は高額なため、保険が適用されるかどうかが気になるところですが、基本的には保険適用外となります。 保険適用外の理由は、審美治療であることが大きな要因とされています。 費用の内訳 保険適用外となるため、インプラント治療の費用は患者自身が全額負担することになります。 一般的な治療費の相場は40万円から50万円程度で、病院によっては、技術力や設備の充実度によって、価格が異なることがあります。 また、手術に必要な検査や手術後の処置、定期的なメンテナンスにも費用がかかることがあるため、事前に確認しておくことが大切です。 保険適用になる例外 一般的には保険適用外となるインプラント治療ですが、例外的に保険適用となる場合があります。以下にその例外事項をまとめました。 一定以上の顎の骨がない場合 病気や第三者行為の事故によって顎の骨を広く失った場合や、生まれつき3分の1以上顎の骨がない、または形成不全である場合、保険が適用されることがあります。 また、「先天性欠損歯」といい、生まれつき永久歯が生えてこない歯が6本以上、または先天性欠損歯が連続して4本ある場合にも、2020年4月より保険適用が可能になりました。 ただし、顎の骨の状態によって、保険が適用されるかどうかは異なりますので、担当医師に確認することが大切です。 骨の欠損で保険の適用になるかどうかについては細かく基準が定められているため、保険適用になるケースはあまり多くありません。 条件を満たしている病院 一般の歯科医院でインプラント治療の保険適用はできません。 症状が条件に当てはまったとしても、保険診療で治療ができる病院自体が限られています。 かかりつけの歯科医院で保険適用になるケースの診断があった場合には、大学病院・総合病院等の設備基準を満たした病院への紹介になるでしょう。 治療費支払いの負担を抑えるために 保険適用外であるインプラント治療の費用は、患者自身が全額負担することになります。 そこで、治療費の負担を抑えるためには、以下のような方法があります。 インプラントの治療費、支払いのタイミング 一度に全額を支払うのは困難である場合、治療費の支払いを分割することができる病院もあります。 治療費を分割する際には、金利や手数料などの負担が発生する場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。 当院では30万円以上の契約の場合、契約時に半金をいただきますが、残りの半金は最後の上部構造と呼ばれる最終的なかぶせ物が入るまでにお支払いをいただきます。インプラント治療は治療期間が長い治療になりますのでお支払いの2分割が可能で、当院の場合、手数料は頂いておりません。 医療ローン 治療費の負担を抑えるためには、医療ローンを活用する方法もあります。 医療ローンは、金利が低く、返済期間も長いため、治療費の負担を軽減することができます。 ただし、返済期間中には利息が発生するため、計画的な返済が必要です。 医療費控除を利用する 医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一緒にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超える時は、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受け取ることができる制度です。また、医療費控除の申請は確定申告で行います。 インプラント治療ももちろん対象になります。 医療費控除について まとめ インプラント治療は、保険適用外が一般的で、治療費が高額となるため、負担を抑える方法を考える必要があります。 治療費の内訳や支払い方法を理解し、自分に合った治療費負担方法を選ぶことが大切です。 また、保険適用になる場合があるため、自分の状況に応じて、医師に相談することも重要です。

24時間WEB予約受付中!

当日のご予約はでお願いします。

下北沢の痛くない歯医者|下北沢歯科